【プノンペンIPS=ピュイ・ケア】
数十年にわたる紛争で荒廃し大量の失業と貧富の格差に苦しむアジア最貧国の1つであるカンボジアでは近年、公営企業の『プノンペン水道公社(Phnom Penh Water Supply Authority: PPWSA)』の活動が功を奏し、水道施設の状況は徐々に改善に向かっている。
エク・ソン・チャン氏は、1993年からPPWSAの局長を務め、同水道局内の汚職に関与したとされる多数の職員を解雇するなど、局内の改革・推進に努めてきた。同氏は、首都圏内だけでなく貧困層の暮らす地域にまで、24時間利用できる安全で効率的な水道システムを構築させることを目指してきた。
そして現在では、PPWSAを率いるチャン氏の努力により都市部や郊外に暮らす140万人の住民に対して、水供給率は90%にもなった。チャン氏は「以前は、局内の一部の上層部職員が水道料金を支払わなかったり、72%の水が違法接続により失われたりしていた。しかし、現在は事態が一変し、水を使用する人は皆、適正な料金を支払い、町の水道インフラも完全に復活した」と語った。
首都近郊Russei Keo地区の住民 Chan Samnangは「10年前とは様変わりし、今では水道水から水を出すことができるようになった」と述べたものの、衛生面については疑問があると答えた。
飲み水としての安全性について、チャン氏は「水道水の水は衛生的だ。私はこの6年間水道水をそのまま飲んでいるが健康面には何も問題もない」と自信たっぷりに答えた。
カンボジアにおける公営水道の発展について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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