ニュース|UAE|「徴兵制導入は国のアイデンティティー強化につながるだろう」と地元紙

|UAE|「徴兵制導入は国のアイデンティティー強化につながるだろう」と地元紙

【アブダビWAM】

「アラブ首長国連邦(UAE)政府が1月20日に決定した従来の志願制に代わる徴兵制(男子は義務的、女性は選択式)の導入は、軍事力の強化はもとより、今後幅広い恩恵を祖国にもたらすであろう。」とアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙が報じた。

ドバイに本拠を置く「ガルフ・ニュース」紙は、「兵役を通じて国のアイデンティティーを強化する」と題した論説の中で、「今回の決定がもたらす直接的な利益は、全てのUAE国籍の青年が栄誉と誇りを持って国に奉仕する方法を学べることである。徴兵制の導入で国家や指導者に対する忠誠心や国軍という献身的な公務への帰属意識が増すことになるだろう。」と報じた。


同紙はまた、「国家への奉仕は、愛国心と国のアイデンティティーを強固にする。軍はUAE全体に責任を負う連邦組織であり、兵士は連邦を構成する全ての首長国(アブダビ・ドバイ・シャルージャ・アジュマン・ウンム・アル=カイワイン・フジャイラ・ラアス・アル=ハイマ)から徴兵される。つまり、UAEの若者は軍隊生活で全国の同世代の若者と寝食を共にすることによって、家族や各々の首長国内の人間関係とは異なる友情を育む機会を得ることになる。」

「さらに、UAEは兵役を終了し者たち及び軍役終了の軍人で新たに予備役軍(NDRF)を編成することになった。予備役軍の存在はUAEの安全保障にとって重要な位置を占めることになるだろう。」と同紙は報じた。


アブダビに本拠を置く「ナショナル」紙は、「UAE男子を対象にした兵役は利益と課題をもたらす」と題した論説の中で、「18歳以上か高校卒業で30歳未満の男子に兵役(高卒者は9カ月、その他の者は2年間)の義務を課した政府決定は、自国の若者に国家への奉仕義務を課している多くの国々の先例に習ったものである。徴兵制の導入で、UAEの若者は外国からのいかなる攻撃に対しても国家の独立と主権を守るために戦う準備ができるようになるだろう。そして、こうした訓練を通じて、UAEの若者は国家の一体感や安全保障意識を高めることになるだろう。」と報じた。


シャリジャに本拠を置く「ガルフ・トゥデイ」紙は、「国への奉仕に勝る奉仕はない」と題した論説の中で、「UAEは、またも正しい方向に一歩を踏み出した。(徴兵制導入の判断は)心躍らせる若者の力で国を勇躍前進させる、崇高な一歩である。これは既に愛国心に溢れる国民の追い風となるものであり、その象徴として国旗も新たな意味合いを持つことになるだろう。つまりUAEの三色旗(赤・白・緑の汎アラブ色を使用し、アラブ民族の統合を象徴している。その上で、緑は土地の肥沃さ、白は無垢な生活、黒は戦争を表している:IPSJ)は、揺るぎない夢と大志を抱いたこの大地の息子や娘たちの手によって紡がれていくのである。」と報じた。

「徴兵制導入の決定は、若者に強い責任感を教え込むとともに、愛国的な価値観を尊重するために兵士になることの大切さを、感受性の強い彼らの心に浸透させることだろう。若者たちは制服を身に着けて初めてそれを実感するだろう。そしてついにその時が来たのである。」とナショナル紙は報じた。(原文へ

翻訳=IPS Japan

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