地域アフリカ|ナイジェリア|死刑囚に希望の光

|ナイジェリア|死刑囚に希望の光

【ラゴスIPS=トーイ・オロリ】

IPSが入手したナイジェリアの司法行政改革に関する大統領委員会の文書によれば、囚人4万人が裁判にかけられることもあるいは判決が下されることもないまま放置されているという。この結果、刑務所は過密状態にあり、更正や社会再統合プログラムもままならないと報告書は述べている。国連の特別報告者も昨年、囚人の事件簿のうちおよそ3.7パーセントが紛失されていると、刑事司法制度の無秩序ぶりを報告した。 

報告書はまた、マラリア、結核、インフルエンザ、肺炎など予防可能な疾病が刑務所では見られており、その原因は主に崩れ落ちそうな建物と貧しい食事にあるとしている。 

報告書をすでに大統領に提出した委員会は、ナイジェリアの司法制度、さらには死刑執行の恐怖の中で暮らすおよそ700人の死刑囚の運命を一夜にして変える大胆な提案を行った。 

15年以上が経過した死刑囚は釈放し、10年以上および病人(精神病を含む)の死刑囚は事件の見直しを行い、現時点で111人を数えるその他死刑囚は終身刑に減刑するというものである。さらに、5年以上経過した囚人で事件簿が紛失している者は釈放すべきとも提言している。 

委員会の書記長Olawale Fapohunda氏はIPSの取材に応えて、「正式なモラトリアム(死刑執行停止)が必要。死刑制度は憲法で認められているが、南アフリカで実現されたようにすべての死刑囚を終身刑に減刑できるよう憲法改正の道を探っている」と述べた。 

一方国会でも司法制度を拡充し、近代化を図るための法案が審議されている。1999年に初めて提出された法案だが、これまで国会の会期が変わるたびに一から審議がやり直されてきた。Fapohunda氏は、現会期中に採択されるよう、委員会は懸命に努力していると述べた。 

ナイジェリアの司法制度改革の動きを報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩 

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