ニュース|開発|食糧サミット-懸念は示すも、具体案なし

|開発|食糧サミット-懸念は示すも、具体案なし

【マドリードIPS=チトー・ドラゴ】

1月26、27両日に開催された国連とスペイン政府主催の『食糧安全保障に関するハイレベル会合(食料サミット)』には、100カ国の政府、市民団体、労組、民間企業、学界、国際機関、援助機関などが参加した。世界で飢餓に苦しむのは10億人。とりわけ南の開発途上国に集中している。会議ではこの問題について議論を深め、調整メカニズムを作り上げるために昨年6月のローマにおけるハイレベル会合以来の進展を振り返った。 

会議は具体策を打ち出すことができず、宣言の中で、各国政府と国際機関に約束した援助の履行を要請するにとどまった。

 NGO関係者によれば、公正な農業貿易を促進するために競争を阻害するような補助金の廃絶を訴えたことは前向きな側面だ。国連食料農業機関(FAO)のディウフ事務局長は「手を打たなければ飢餓の問題はさらに悪化する」と警告、今年度中に国家首脳級の食料サミットを開催し、専門家会議で科学的検証と国際的パートナーシップを促進する一方、既存の組織を改革して行動計画の効率化を促すことを提言している。 

IPSの取材に応じたスペインのモラティノス外相は「解決策は明白」として、2012年までに全ての先進工業国がGDPの0.7パーセントを援助にまわすことを求めた。スペイン現政権はODAを10億ユーロ増額することを表明、他の15カ国も来る5年間に55億ユーロの支援を約束。EUは13億ユーロの支援を約束している。 

世界で6,500万人が加盟する世界労働組合連名(WFTU)は、NATOの予算を10%削減すれば1,000億ドルのODA増額が可能と指摘。国境なき医師団、Vía Campesina Europaは飢餓対策の名目で種子や肥料の売込みが見られると指摘。食料主権の尊重を訴えた。 

国際農業開発基金(IFAD)のレナート・ボーゲ総裁はIPSの取材に応じ、世界の4億5,000の中小農家を支援すれば飢餓の改善に役立つと述べた。 

カリタス、国境なき技師団、La Suma de Todos、ProsaludのNGO4団体は『The Right to Food: Urgent(緊急の食料権利)』キャンペーンを立ち上げた。スペインのサパテロ首相が援助の増額合意を得たことを讃え、引き続き指導力を発揮するよう要望している。 

スペインで開催された食料サミットについて報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

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