ニュース|イエメン|「ドローン攻撃は効果があるというよりもむしろ害となっている。」とUAE紙

|イエメン|「ドローン攻撃は効果があるというよりもむしろ害となっている。」とUAE紙

【アブダビWAM】

「テログループを追跡し国際テロ組織アルカイダその他の武装反乱勢力を撲滅する行為は正当なものである。しかしだからといって、その過程で無辜の人々の命が奪われることは決して許されることではない。」とアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙が報じた。

「このまま民間人の死者が増え続けると、政情不安は益々深刻化し、アルカイダに対する戦争の目的そのものが頓挫しかねないことになるだろう。犠牲者の多くは、米軍が反政府武装テロリストを抹殺する手段として採用した作戦上の手法(ドローン攻撃=無人攻撃機による攻撃)が実施に移された状況の中で命を落としているのだ。」とガルフ・ニュース紙は9月7日付の論説の中で報じた。

 「米軍はテロリストと認定された個人を追跡・抹殺する手段として、イエメンを含む様々な国で無人攻撃機を利用する方針を打ち出している。しかし、ドローン攻撃は、一方で効果が確認されているものの、誤爆・巻き添えなど、ターゲットを捕捉・殲滅する過程で、周りの無関係な住民を無差別に巻き込んできたことから、厳しい批判に晒されている。」と同紙は付加えた。

9月2日、アルカイダのメンバーを狙ったとみられるドローン攻撃が行われ、女性を含む13人の市民が殺害される事件が発生(イエメン中部ラッダ地区で、無人機が車列を空爆し、アルカイダメンバーとみられる10人と、同乗していた女性3人が死亡。標的であったとされるアルカイダ幹部アブドゥラフ・ダハブ容疑者は生きているという:IPSJ)し、イエメン各地で抗議の声が上がっている。アブド・ラッボ・マンスール・アル=ハーディー大統領(右下写真参照)も、この事態を受けて、事態を究明するための調査を命じた。イエメンでドローン攻撃を実施しているのは米軍のみである。

「イエメンをアルカイダをはじめとした武装テロ組織の拠点にさせないためにも、アルカイダとの戦いは重要である。しかしこの戦争は戦いの性質からいっても、長期に亘るものであるとともに、各関係諸機関間の密接な連携が不可欠である。そして何よりも、民間人の安全確保を最優先することが重要である。そしてそれは(同国で唯一ドローン攻撃を実施している)米国の責任なのである。」とガルフ・ニュース紙は強調した。(原文へ

翻訳=IPS Japan

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