SDGsGoal2(飢餓をゼロに)|エジプト|食糧高騰の影響で庶民の味が復活

|エジプト|食糧高騰の影響で庶民の味が復活

【カイロIPS=アヤ・バトロイ】

Kushari
Kushari

エジプトの代表的な料理『コシャリ(Kushari)』は、誰もが気軽に食べる一般的な食べ物だ。国民食であるコシャリは、ご飯、パスタ、レンズ豆などを重ね合わせ、上にはホットソース、トマトソース、ガーリック、揚げたタマネギなどを添えたもの。

エジプトでは近年深刻さを増している低賃金と物価上昇の問題が国民の食生活を大きく変えようとしている。コシャリは低価格であるため、今や食糧価格の高騰に悩まされているエジプト人にとっての主食になった。野菜や肉は今や贅沢品であり、人々はリーズナブルなコシャリを見直し始めている。

 
カイロ中心部にあるコシャリ専門店『Kushari Tahrir』のメニューには現在、1つの料理しか載っていない。店のシェフは毎日コシャリを作るために忙殺されている。 

 同国では年々、食糧価格が上昇。この影響は、特に貧困線以下の生活をしている人口のおよそ45%にあたる貧困者をまともに直撃している。「コシャリは国民的料理であり、皆が食べている。昔と違って、今は肉を食べるのに30から40ポンドかかるが、コシャリは3、4ポンドでお腹を十分に満たすことができる」と、コシャリを注文したある客は話した。

食糧危機に見舞われるエジプトでは、政府が助成金を支給し小麦や穀物の価格の埋め合わせを行っている。小麦の輸入量が世界第一位のエジプトは、世界的な小麦の価格高騰により8億5,000万ドルの追加助成金を出した。このような公的助成のおかげで、多くの国民は何とかパンを購入することもできるのだ。

さらに、同国では政府の助成金制度の他に国内の支援団体も活躍している。地元の実業家やボランティアから成るEgyptian Food Bankは貧困者への食糧配給を行っている。そして、金銭的支援としてはイスラム系の富裕層らが匿名で食料不足に悩む貧しい人々に対し寄付をしているという。

食糧問題に直面するエジプトで人気が高まる伝統料理について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

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