【INPS Japan/IPS】
人工知能(AI)は、私たちの暮らし方、学び方、働き方──そして誰の声が届くのか──を変えつつある。
AIは人類に希望をもたらす可能性を秘めているが、保護策がなければ、新たな支配の道具となる危険がある。
先住民族にとって、この問題は抽象的なものではない──それは祖先から受け継いだものであり、現実的かつ緊急の課題である。
先住民族の知識、画像、言語、そしてアイデンティティは、すでにAIシステムの学習に利用されている。
その多くは同意も協議も利益分配もないまま進められている。
2023年、研究者は先住民族の文化的コンテンツを含む1,800件以上のAI学習データセットを確認した。
その大半に、自由意思に基づく事前かつ十分な情報提供に基づく同意(FPIC)の証拠はなかった。
これは包摂ではない──デジタル形式での搾取である。
同意なしにAIシステムが先住民族のコンテンツを吸収すると、植民地主義の論理がコードを通して再生産される。
危険は文化面だけではない──領土や環境にも及ぶ。
AIにはデータセンター、レアアース鉱物、そして膨大な電力が必要であり、それらはしばしば先住民族の土地から供給されている。
世界の重要鉱物プロジェクトの54%以上が、先住民族の領土上またはその近くに位置している。
チリでは、AIによって最適化されたリチウム採掘が、アタカメーニョの水源と聖地を脅かしている。
AIの環境コストには、有害な電子廃棄物、土地の劣化、資源の枯渇が含まれる。
先住民族の参加なしに構築されたAIは、追放や収奪を加速させる「力の増幅装置」と化す。
一方で、先住民族はAIのガバナンス、倫理、政策に関する決定から排除されている。
ほとんどの場合、彼らは意見を求められることはない──しかし深刻な影響を受けている。
だが、先住民族はこの物語の受動的な被害者ではない。
ニュージーランドでは、マオリ主導のチームがAIを活用してテ・レオ・マオリ語の復興に取り組んでいる。
北極圏では、イヌイットのコミュニティがAIを用いて氷のパターンを監視し、気候変動への適応を進めている。
ポリネシアでは、先住民のサンゴ礁モニターが伝統知識と機械学習を組み合わせて海洋生態系を保護している。
これらの事例は、AIが権利、文化、同意を基盤に構築されるとき、何になり得るかを示している。
先住民族は、デジタル主権、倫理的枠組み、文化主導の革新に向けた資金提供を求めてきた。
彼らはAIの「共創者」でなければならず、その犠牲者であってはならない。
AIの未来は、単なる技術の問題ではなく、正義の問題である。
8月9日、世界的な対話に参加しよう。権利を守り、未来を形作ろう。(原文へ)
INPS Japan
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