【ニューヨーク/ナイロビIDN=リサ・ヴィヴェス】
ワンガリ・マータイ財団は、4月1日にノーベル賞受賞者の故ワンガリ・マータイ女史の誕生日を迎え、地球への投資を呼びかけた。
同財団のンジェリ・カベベリCEOは、「マータイ女史は文字通り、若い頃から自分の人生をこの惑星に投資していました。」「神が彼女を世に送り出した日を祝い、国際マザーアースデー(4月22日)を前にして、私たち一人ひとりが地球に何を投資すべきかを考えよう。」と語った。
ワンガリ・ムタ・マータイ博士は、1977年にケニア全土に木を植え、貧困を緩和し、紛争をなくすことを目的とした「グリーンベルト運動」を創設した。彼女はケニア人、特に女性を動員し、30年間で3000万本以上の木を植え、国連が後に世界で110億本の木を植えることになるキャンペーンを開始するきっかけとなった。
90万人以上のケニア人女性が、彼女の植林キャンペーンから、森林再生のための苗木を販売することで恩恵を得た。
彼女は特に、多くの分野で第一人者となった女性でもあった。1971年にナイロビ大学で博士号を取得したマータイ女史は、中央・東アフリカ出身の女性として初めて博士号を取得し、2004年には黒人・アフリカ人女性として初めて「持続可能な開発、民主主義、平和への貢献」が評価されノーベル平和賞を受賞している。
卒業後、マータイ女史は、ケニア赤十字、環境リエゾンセンター、ケニア全国女性協議会など、多くの人道支援団体に関与し、こうした活動を通じて、ケニア農村部での食糧難や水不足の経験から、貧困と環境破壊の相関関係を観察するようになった。今日ケニアが直面している環境問題には、森林破壊、土壌浸食、砂漠化、水不足と水質の悪化、洪水、密猟、国内・産業汚染などがある。
アマゾン熱帯雨林に次ぐ世界の「第二の肺」とされるコンゴ盆地森林生態系の親善大使に任命されたマータイ教授。4冊の著書(『グリーンベルト運動』『へこたれない』『アフリカへの挑戦』『地球の補充』)とドキュメンタリー映画『テイキング・ルート』(原題:Taking Root)を通じて、マータイ女史のビジョンは、 グリーンベルト運動の活動やアプローチの背景にある重要な概念を拡大し、深化させた。
マータイ女史と今日も続くグリーンベルト運動の活動は、草の根運動が持つパワーと、「コミュニティが集まって木を植える」という一人のシンプルなアイデアが変革をもたらすことを証明するものである。
マータイ女史のレガシーは、現在もケニアにおける環境保全の最前線に立ち、森林の再生と復元に大きく貢献しているグリーンベルト運動を通して、生き続けている。
グリーンベルト運動は、他の多くのアフリカ諸国でも同様の運動に影響を与え、30カ国以上で農村部の飢餓、砂漠化、水危機との闘いを支援し続けている。
しかし、マータイ女史の活動は、女性の生活と環境に大きな変化をもたらし、持続的なインパクトを与えているにもかかわらず、彼女の物語とその功績は、グローバル・ノースではあまり語られていない。
マータイさんは2011年に71歳で亡くなった。
財団は今月、国際マザーアースデーの日に「Invest in our planet(地球に投資を)」をテーマに、第2次戦略計画を発表する予定だ。(原文へ)
INPS Japan
関連記事: