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SDGsGoal13(気候変動に具体的な対策を)著名な仏教指導者が「コロナ禍と気候変動の影響を乗り越えることが必須」と訴え

著名な仏教指導者が「コロナ禍と気候変動の影響を乗り越えることが必須」と訴え

【ベルリン/東京IDN=ラメシュ・ジャウラ】

2022年、国連が持続可能な開発目標(SDGs)と呼ばれる互いに連関したグローバルな17項目の目標を掲げてから7年を迎える。これは、2030年までに「すべての人にとってより良く、より持続可能な未来を実現するための青写真」とすべく策定されたものだ。

仏教哲学者、教育者として世界の平和構築を一貫して訴え続けてきた創価学会インタナショナル(SGI)の池田大作会長は、これまでの達成を詳細に検討しつつ、「SDGsの取り組みはコロナ危機で停滞してきた」と述べている。

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その進歩を「力強く加速させる」ためには、「SDGsを貫く『誰も置き去りにしない』との理念を肉付けする形で、『皆で生きる喜びを分かち合える社会』の建設というビジョンを重ね合わせていくことが、望ましい」と池田会長は考えている。

「グローバル目標」とも呼ばれているSDGsは、40回目となる、「人類史の転換へ 平和と尊厳の大光」(英文関連ページ)と題された池田会長の最新の平和提言(1月26日発表)の重要な部分を構成している。

池田会長は、コロナ危機をはじめ、世界を取り巻く多くの課題を乗り越え、人類の歴史の新章節を切り開くための要諦について、3つの角度から論じている。

第1の柱は、コロナ危機が露わにした課題に正面から向き合い21世紀の基盤とすべき「社会のあり方」を紡ぎ直すことである。いかなる試練も共に乗り越え、「その心の底からの安堵と喜びにも似た、『生きていて本当に良かった』との実感を、皆で分かち合える社会の建設こそ、私たちが目指すべき道であると訴えたいのです。」と池田会長は述べている。

第2の柱は、地球大に開かれた「連帯意識」を確立することである。池田会長は、「パンデミックの対応で焦点とすべきは、国家単位での危機の脱出ではなく、脅威を共に乗り越えることにあるはず」と指摘したうえで、「G7の国々は(昨年6月のG7サミットで採択した)この首脳宣言に基づいて、『パンデミック条約』の制定をリードし、その基盤となる協力体制についても率先して整備を進めるべきではないでしょうか。」と述べている。

第3の柱は経済に関するもので、池田会長は、「若い世代が希望を育み、女性が尊厳を輝かせることのできる経済」を創出することを呼びかけている。

Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain
Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain

池田会長はさらに、パンデミックの「打撃の格差」と「回復の格差」を解消する方途を探る必要があると呼びかけ、それに関連して、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、世界保健機関(WHO)によるパンデミック宣言の4カ月後の2020年7月に行った講演に言及している。

人権と社会正義のために生涯を捧げた、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領(1918~2013)の生誕日にあたってその功績を偲ぶ記念講演の中で、グテーレス事務総長は、「新型コロナウィルスには、貧困層や高齢者、障害者、持病がある人をはじめ、社会的に最も弱い人々に最も大きなリスクを突き付けている」と指摘し、パンデミックの「脅威」ではなくて、「打撃を受けた人々」に焦点を当てながら警鐘を鳴らした。また、新型コロナの危機は、「私たちが構築した社会の脆い骨格に生じた亀裂を映し出すX線のような存在になった」と指摘し、「新時代のための新しい社会契約」を提唱している。

Nelson Mandela – First President of South Africa and anti-apartheid activist (1918–2013)/ By © copyright John Mathew Smith 2001, CC BY-SA 2.0,
Nelson Mandela – First President of South Africa and anti-apartheid activist (1918–2013)/ By © copyright John Mathew Smith 2001, CC BY-SA 2.0,

さらにグテーレス事務総長は、そのビジョンの手がかりになるものとして、マンデラ大統領がかつて南アフリカの人々に呼びかけた次のような言葉を紹介した。「他者の存在があるゆえに、その他者を通じて、この世界で生かされているのだという、人間としての連帯感を改めて植え付けることが、私たちの時代の課題のひとつだ。」

池田会長は、年々「異常気象の被害が拡大の一途をたどって」いると述べ、気候変動の重要性も強調している。また、COP26でアメリカと中国が気候変動問題での協力を約束したことに言及したうえで、日本と中国に対しても同様の合意を結ぶよう呼びかけている。

さらに、国連と市民社会の連携を強化するための制度づくりを呼びかけ、「グローバル・コモンズ(地球規模で人類が共有するもの)」を総合的に守るための討議の場を国連に設けて、青年たちを中心に市民社会が運営に関わる体制を整えることを提唱している。そしてそうした役割を担う青年主体の組織として改めて「国連ユース理事会」の創設を訴えている。

環境問題に関して池田会長は、国連気候変動枠組み条約、生物多様性条約、砂漠化対処条約の履行における対策の連動をさらに力強く進めるよう呼びかけ、気候変動、生物多様性、砂漠化の問題が「深く結びついているからこそ、解決策も相互に連携させることで、困難の壁を打ち破る新しい力が生まれていく」と述べている。

また、(紛争や災害などの異常事態が)教育に及ぼす影響を懸念している池田会長は、9月に予定されている「国連教育変革サミット」が、「緊急時の教育」や「インクルーシブ教育」、「世界市民教育」に焦点を当てるよう呼びかけている。

The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras
The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras

池田会長は、核兵器の廃絶が持続可能な世界の将来の鍵を握ると確信しており、「まずは核依存の安全保障に対する『解毒』を図ることが、何よりも急務となると思えてなりません。」と述べている。

池田会長の核問題に関する2つ目の提案は核兵器禁止条約に関連したもので、日本を含めた核依存国や核保有国に対して、第1回締約国会合にオブザーバー参加することを強く求めている。

日本は2023年にG7サミットを主催する。池田会長は、その時期に合わせる形で広島で「核兵器の役割低減に関する首脳級会合」を行い、G7以外の国々からの参加も求めてはどうかと提唱している。(原文へ

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