【国連IPS】
コンピューターの黎明期から、バーチャルリアリティ(可能現実)や人工知能が普及した現代まで…女性達は、私たちがますます生活で依存するようになったデジタル世界に、計り知れない貢献をしてきた。
彼女たちの功績は、歴史的に歓迎されない分野で、あらゆる困難を乗り越えて成し遂げられてきたのだ。
今日、デジタルアクセスにおける根強いジェンダーギャップが、女性がテクノロジーの可能性を最大限に引き出すことを妨げている。
STEM(科学・技術・工学・数学)教育 や キャリア面における女性の割合の低さは、依然として技術設計やガバナンスへの参画を阻む大きな障壁となっている。
世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2020」によると、テクノロジー分野での女性の割合は依然として低い。
女性は、中核となるテクノロジー分野の労働力の17%を占めているに過ぎない。
また、オンライン上のジェンダーに基づく暴力の脅威が蔓延しているため、女性らは自分が占めるデジタル空間から追い出されている。
125カ国の女性ジャーナリストを対象とした調査では、73%が仕事の過程でオンライン暴力を受けたことがあると回答している。
また女性の排除は、より微妙な形でも広がっている:
人工知能(AI)分野における労働人口に占める女性の割合はわずか22%に過ぎない。
また、業界を問わず133のAIシステムをグローバルに分析した結果、44.2%がジェンダーバイアスを示していることが判明した。
一方で、いくつかの進展もみられる。
テクノロジー分野への女性の参加は、2014年から10%増加した。
米国の女性・情報技術センター(NCWIT)によると、テクノロジー分野の幹部職に就く女性の数は、2012年の11%から19年には20%に増加した。
テクノロジー分野における男女平等の実現という点では、道のりは依然として長い。
国際女性デーは、女性の社会的、経済的、文化的、政治的功績を世界的に祝う日である。
それは、進歩のために努力し続けるための行動を呼びかけるものである。
今年は、国際女性デーのテーマである、「全てをデジタルに:ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」を祝おう。(原文へ)
INPS Japan/ IPS UN Bureau Report
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