INPS Japan/ IPS UN Bureau Report|イラン|公開の石打の刑を非難する国連

|イラン|公開の石打の刑を非難する国連

【国連IPS=タリフ・ディーン】

Image from a German anti-stoning campaign. Credit: Jung von Matt
Image from a German anti-stoning campaign. Credit: Jung von Matt

 国連は6月20日、イランで予定されている姦通罪を犯したひと組の男女に対する公開石打の刑を激しく非難した。21日にイラン北部のガズヴィーン州にある町の広場で行うことになっていた石打の刑は延期になっているが、インターネットを利用した世界的なキャンペーンを含み、世界中から抗議の嵐を受けたためと思われる。 

国連のファルハン・ハク報道官は、「イランも批准している市民的及び政治的権利に関する国際規約は石打の刑を残酷で、非人道的で、恥ずべき罰だとして、明確に禁止している」と語った。「国際法では、死刑制度はもっとも重大な犯罪だけに科されるとされ、殺人罪だけに限定されると広く解釈されている。」 
 
ニューヨークに本拠を置くヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、イランのガズヴィーン地方治安委員会は、43歳の女性Mokarrameh Ebrahimiとその11歳になる息子の父親の男性を公開で行われる石打の刑に処すると公表した。2人は11年前に刑事法廷で死刑判決を受けていた。非嫡出子を生んだ罪だった。 

昨年、アムネスティ・インターナショナルはイラン政府に9人の女性の姦通罪に対する石打の刑による死刑判決を撤回するよう緊急提言を行っている。HRWによると、イランのAyatollah Mahmud Hashemi Shahrudi司法長官は2002年12月に石打の刑禁止を命じたが、実際には引き続き行われている。イランの女性人権活動家と人権組織は「石打の刑永続的廃止運動」に乗り出している。 

この運動の一環である、インターネットで広まっている石打の刑の廃止を求める請願書は、イランの国会議員に送られ、「石打の刑で死刑にするという罰則そのものが、今日の世界では容認できない非人道的な残虐行為で、政府関係者がその行為を認可していることさえ恥ずべきことである」としている。 

イランでは現在、少なくとも11人が(女性9人、男性2人)石打の刑による死刑を宣告されている。国際的に非難を浴びているイランの石打の刑について報告する。(原文へ) 

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩 

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