ニュース「イスラエルは、アラブ諸国の騒乱の陰でガザを攻撃している。」とUAE紙

「イスラエルは、アラブ諸国の騒乱の陰でガザを攻撃している。」とUAE紙

【アブダビWAM】

「リビアやイエメンなどいくつかのアラブ諸国で起こっている急激な変革に世界の目が奪われている

中、イスラエルは3月22日も引き続きガザ地区に対する攻撃を行った。

「いつものことだが、イスラエルはアラブ世界が他の懸案事項にとらわれているときは、パレスチナ人を何人殺害しようとやり過ごすことができると考えている。残念ながら、こうした考えは中東の現実の一端を捉えたものと言わざるを得ない。」とアラブ首長国連邦の英字日刊紙が報じた。

「イスラエル軍によるガザ地区への航空攻撃は既に2日目に突入しているが、国際社会は誰もこの事件に気付いていないようだ。また、アラブ諸国の衛星チャンネルでさえ、このニュースを取り上げる余裕がないようだ。その背景には恐らく、今はリビアの悲劇的な状況やイエメンバーレーン、その他のアラブ諸国における民衆蜂起に関する報道で手いっぱいな事情があるのだろう。」とガルフニュースは3月23日付の論説の中で報じた。

「しかしだらかといって、悲しむべきことだが、イスラエルがこうした血塗られた攻撃をして罰せられない現状を、こうしたアラブメディアの責任として非難することはできないだろう。イスラエルの攻撃に抵抗する責任は、パレスチナの主要派閥、とりわけ互いに対立しているファタハハマスにあるのだ。」と同紙は付け加えた。

 「エジプトのホスニ・ムバラク政権が先月退陣して以来、パレスチナの2大派閥間の和解を進めようとする動きは棚上げになってしましった。しかし、これはパレスチナにとって望ましくない動きである。」

「パレスチナの人々はこうした分裂に終止符を打つべく、自分たちの指導者に圧力をかけていくべきだ。なぜなら、現在のようなパレスチナ指導部間の対立が続けば、パレスチナ人の安全のみならず、パレスチナ国家の独立という約束さえ危ういものにしていきかねないからである。ましてや、現在イスラエルの占領下にあるエルサレムを新パレスチナ国家の首都とする構想は現実味を失いかねない。」と同紙は分析した。

エルサレムでは、イスラエル政府の政策によって、パレスチナ人住民が追われイスラエル人にとって代わられる事態が進行しており、市内の人口構成が大きく変わりつつある。

「今日の事態を招いた責任はアラブ連盟にもある。たしかに、カダフィ政権の軍事力の前に殺害されているリビアの民衆を守ろうと迅速に行動をおこした点は評価されるべきだ。しかしだからといって、パレスチナ人を見捨てていいということにはならない。また、イスラエル政府も、ガザ地区での殺戮行為がまかりとおらないということを知るべきだ。」と同紙の論説は締めくくった。(原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩

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