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SDGsGoal10(人や国の不平等をなくそう)マクロン大統領、和解は進めるが公式謝罪はなし

マクロン大統領、和解は進めるが公式謝罪はなし

【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】

戦争中に行われた残忍な犯罪行為に対しては、たとえ犯行から何年経過していても、謝罪を求める声は絶えない。

まさにアルジェリアがフランスに対して、植民地支配の歴史と独立戦争(1954年~62年)時にフランスが犯した人道に対する罪に対して、改めて謝罪を要求する動きが広がっているケースがこれにあたる。きっかけは、フランス政府が歴史学者バンジャマン・ストラ氏に依頼していた待望の報告書(「フランスとアルジェリアの記憶と和解に関する報告書」)が発表されたことだ。

アルジェリア生まれで北アフリカ専門家のストラ氏は、アルジェリアの歴史に関する世界的権威の一人とみられている。

Map of France

少なくとも40万人のアルジェリア人と35,000人のフランス人が亡くなったアルジェリア独立戦争をフランス国民の記憶から消し去る試みは1962年に戦争が終結する前から始まっていた。例えば、当時フランス当局は拷問を常用していたが、フランス国民の士気を削がないよう当局が危険と判断した新聞や書籍、映画を押収し、厳しい検閲で国民の目から真実を隠蔽した。

フランスがアルジェリア独立戦争を「戦争」だと公式に認めたのは実に1999年になってからであり、フランスの教科書に紛争に関する言及が記載されるようになったのはそれ以降のことである。

フランス24によると、エマニュエル・マクロン大統領は、アルジェリアにおけるフランスによる侵害行為の規模について、前任者らよりは一歩踏み込んで認める発言をしている。例えば、2017年の大統領選期間中には、フランスによるアルジェリア植民地化の歴史を「人道に対する罪」と呼んだことがある。

またマクロン大統領は、その一年後には、132年に及んだフランス支配に終止符を打った8年に亘った解放戦争の期間中に、フランスが拷問を容易にする制度を推進した事実を公式に認めた。

アルジェリアの植民地支配は善意によるものだったとして当時を反省することを拒否する国民が多いフランスにおいて、このマクロン発言は当時驚きをもって迎えられた。

マクロン大統領は両国間の和解を進めるための象徴的なイベント開催を申し出たが、アルジェリア政府が求めている公式謝罪については「悔い改めも謝罪もしない」と述べ、アルジェリア人の失望と怒りを買った。

「独立戦争、植民地支配の歴史、アルジェリアにおけるフランスの存在が、フランス社会に及ぼしたトラウマの根深さについては、あたかも家族間の苦い秘密のように、未だに十分な把握ができていない。あらゆることが、アルジェリアに由来しています。また、アルジェリア人と北アフリカのアラブ人がフランス国内の移民人口の多数を占めていることから、植民地時代を巡る歴史問題はなおさら不快で切迫した問題になりがちだ。」とストラ氏は語った。

Collage made by me using screenshots from two Public Domain videos.

マクロン大統領の事務所は、ストラ氏の報告書が勧告した通り、真実和解委員会を設立するとともに、2021年と2022年にフランス政府主催でアルジェリア独立戦争時にフランスと戦ったアルジェリア人に対して敬意を表する3つの式典を開催すると発表した。今年はアルジェリアがフランスから独立して60周年目の年である。(原文へ

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