【ヴァチカン/ベレンIPS=レオ十四世】
COP30に参加した兄弟である枢機卿たちの預言者的な声に心を合わせ、ここベレンのアマゾン博物館に集ったグローバル・サウスの各個別教会の皆さんにご挨拶申し上げます。
枢機卿たちは、言葉と行動を通して、アマゾンがなお「創造の生ける象徴」であり、緊急に守られるべき存在であることを世界に示しました。
皆さんは、絶望ではなく希望と行動を選び、協働するグローバルな共同体を築いてこられました。これは確かな前進ですが、まだ十分とは言えません。希望と決意は、言葉や願いだけでなく、具体的な行動によって新たにされなければなりません。
いま創造は、洪水、干ばつ、嵐、そして容赦ない熱波の中で苦しみの声を上げています。気候変動によって、三人に一人が深い脆弱な状況に置かれています。彼らにとって気候変動は遠い脅威ではありません。彼らを顧みないことは、私たちの共通の人間性を損なうことになります。
地球温暖化の上昇を一・五度以下に抑える時間はまだ残されていますが、その「窓」は急速に閉じつつあります。神の創造物の管理者として、私たちは、神から託された賜物を守るため、信仰と責任の精神をもって迅速に行動するよう求められています。
パリ協定は、人々と地球を守るために重要な前進をもたらし、いまも最も有効な枠組みであり続けています。しかし正直に言うなら、失敗しているのは協定ではなく、私たちの対応の方です。不足しているのは、一部の政治的意思にほかなりません。
本当のリーダーシップとは奉仕であり、実際に違いを生み出すだけの規模で支援を提供することです。強い気候行動は、より強固で公正な経済を生み出します。力強い気候政策は、より安定し、公正な世界への投資なのです。

私たちは、各国の科学者、指導者、そして多様な信仰の牧者たちと共に歩んでいます。私たちは創造の守り手であり、その恵みを奪い合う者ではありません。ともに、世界に明確なメッセージを送りましょう──パリ協定と気候協力を揺るぎなく支持する国家が、連帯して立ち上がっているというメッセージを。
このアマゾン博物館が、人類が分断や否認ではなく、協力を選んだ場所として記憶されますように。
神の創造物を守ろうと尽くす皆さんの働きのうえに、神の祝福がありますよう祈ります。
父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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