【メルボルンIPS=スティーブン・デ・タルチンスキ】
オーストラリア軍を中心に構成された「ソロモン諸島地域支援ミッション」(RAMSI)への地元民の支持は非常に高いとの世論調査結果が発表された。しかし、ソロモン諸島のマナセ・ソガワレ首相は、この調査のタイミングはオーストラリア政府の「真の目的」を示していると批判した。
RAMSIは、豪州とニュージーランドを中心とし、トンガ・フィジー・パプアニューギニアなどその他13ヶ国の太平洋諸国から構成された平和維持部隊で、ソロモン諸島で5年にわたる政情不安・騒擾が起こった後、2003年に発足した。
オーストラリア国立大学によって行われた今回の調査では、調査対象となったソロモン諸島民5154人のうち、RAMSIが活動を終了すればソロモン諸島の治安はまた悪化するかとの問いに対して、53%が「そう思う」と答え、27%が「おそらくそうなると思う」と答えた。
しかし、ソガワレ首相は、この調査の「真の目的」は豪州の国益の確保にあるとIPSの取材に対して答えた。豪州は、太平洋諸島に浸透してきたテロリストが豪州や米国にとっての脅威になるとの前提で活動している、と首相は主張する。豪州の国益中心主義の姿勢は、2000年にウルファアル首相(当時)が国内での騒擾発生に際して介入を豪州に要請した時に豪州がそれを断った事実に現れているという。
今回の世論調査は、ソロモン議会が11月に「国際支援促進法」(FIAA)の見直しを予定しているというタイミングで行われた。議会はRAMSIの撤退を検討する予定ではないが、RAMSIの活動を現在の軍事的アプローチから開発アプローチへと調整することを政府は望んでいる、とソガワレ首相は主張する。
ソロモン諸島と豪州の関係はこのところとみに悪化していた。2006年4月には首都ホニアラで起きた騒擾の原因をめぐって両国間で争いが起きた。また、駐ソロモン豪大使が国内政治に介入したとして追放され、他方で、ソロモンのモチ法務長官が児童性犯罪に関与したとして豪州政府が追放処分にしようとした。
オーストラリアの平和維持軍に対するソロモン諸島の反応について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan