地域アフリカ|ソマリア|平和支援軍投入案に内戦激化の懸念

|ソマリア|平和支援軍投入案に内戦激化の懸念

【ワシントンIPS=ジム・ローブ】

米ブッシュ政権が、内戦の進行するソマリアに「平和支援」軍を投入し、1992年以来実行されているソマリアへの武器禁輸措置をこの軍隊に対してのみ緩和するという内容の国連安保理決議案を成立させようとしている。

しかし、ソマリア暫定連邦政府(TFG)を実質的に支援することを目的としたこの軍隊派遣には、同国をほぼ実効支配しているイスラム法廷連合(ICU)が強く反対している。

 この決議案は、もともと2年前にアフリカ連合(AU)等が提案していたものであったが、昨夏にICUが諸軍閥を破って支配的な勢力になるにつれ、米国がこれに関心を示したものである。

だが、米議会調査局(CRS)の東アフリカ問題専門家Ted Dagne氏は、軍隊が派遣されれば戦闘はむしろ激化すると指摘する。また、TFGが暫定首都のバイドア以外を支配できていない状況の下では、ICUを巻き込んだ和平交渉をやらない限り意味がないと語る。

TFGはソマリア国民に反感を持たれている。なぜなら、TFGが、イスラム勢力を敵視する隣国エチオピアの代理人だと見られているからだ。一説には、エチオピアはすでに自国軍2,000~8,000人をソマリアに投入している。
 
 これに対抗して、エリトリアもICU支援のための軍隊を投入しており、ソマリア内戦は、エチオピア・エリトリアの代理戦争の様相も呈している。国連が11月頭に出したレポートによれば、92年に始まったソマリアへの武器禁輸のルールを、エチオピア・エリトリア両国を含む10カ国が破っているという。

昨夏にICUが勝利を収めて以来、ICUとTFGとの間で何度か和平交渉が持たれているが、ほとんど進展はない。次は12月15日に交渉が予定されている。

交渉がうまくいかないひとつの理由は、米国の強硬な姿勢である。とくに、国務省のアフリカ担当、ジェンデイ・フレイザー次官補が対ICU強硬論を主張している。ICUはアルカイダとつながりを持っている、というのが強硬派の主張のひとつだ。

ソマリア内戦への国際社会の対応について報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=IPS Japan
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