【アブダビWAM】
1995年の「スレブレニツァ虐殺事件」から18周年目となる11日、近郊のポトチャリの記念墓地では、昨年遺骨が発見されたうち新たに身元が判明した14歳~18歳の少年44人を含む409人の犠牲者の埋葬式典が行われた。これらの犠牲者についてアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙「ガルフ・ニュース紙」は13日付の論説の中で、「イスラム教徒の男性や少年らが、ラトコ・ムラジッチ司令官指揮下のセルビア人勢力によって虐殺されてから18年が経過したが、不屈の調査が実り、彼らの遺骸がやっと確認された。」と報じた。
「第二次世界大戦以来、欧州の地で起こった最悪の虐殺事件の犠牲者を埋葬・追悼するこの式典には、ボスニア・ヘルツェゴヴィナや世界各地から、犠牲者の家族や親戚ら15,000人を超える人々が集った。」
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期の1995年7月、国連により「安全地帯」と指定されていたボスニア東部のスレブレニツァにおいて、イスラム教徒の男性と少年およそ8000人が、スルプスカ共和国軍とセルビア人民兵によって、5日間に亘って殺害された。事件前、スレブレニツァには少数の国連保護軍とオランダ軍PKO(国連平和維持活動隊)が派遣されていたが、圧倒的なセルビア軍勢力の前になす術がなかった。1999年、コフィ・アナン国連事務総長(当時)は、民族浄化に十分な対応を行わなかった責任は、国際社会全体が負わなければならないと述べた。また、虐殺事件から10周年となった2005年には、「私たちは、どんなに時間がかかろうとも、犯人に完全かつ適切な罰が下されるまで、引き続き真相解明に努力していかなければならない。」と述べている。
こうした発言には行動が伴う必要がある。このような残虐な大量殺戮は、人類の汚点であり、私たち全てに影響を及ぼしている。
「この事件は、人間はそこまで残虐になりうるという歴史の教訓を示しており、我々人類はそれを決して忘れず、再発防止に取り組んでいかなければならない。」とガルフ・ニュース紙は結論付けた。
翻訳=INPS Japan
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