ニュース国連安保理で批判に晒されるロシア軍

国連安保理で批判に晒されるロシア軍

【ニューヨークIDN=J.ナストラニス】

国連安全保障理事会は、「特別軍事作戦」の一環としてロシア軍による残忍な殺害の証拠が次々と出てきていることを明らかにした。安保理は国際の平和と安全の維持に第一義的な責任を負っている。

人権団体「ラ・ストラダーウクライナ」のカテリーナ・チェレパカ会長は、地元の人権団体は現在、市民の命を救い、ロシア連邦が犯した戦争犯罪に関する生存者の証言を収集するための取り組みを強化していると語った。

チェレパハ会長は、4月8日のウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスク駅やマリウポリでの産院、幼稚園、避難所への攻撃例を挙げながら、明らかに民間人であることが識別でき、しかも避難しようとしている丸腰の女性や子供たちがロシア軍によって残酷に殺害されていると指摘した。

Russian bombing of Mariupo/ Автор: Mvs.gov.ua, CC BY 4.0,
Russian bombing of Mariupo/ Автор: Mvs.gov.ua, CC BY 4.0,

チェレパハ会長はまた、女性や女児が誘拐、拷問、殺害の脅威にさらされやすくなっていることを強調する一方で、それでもウクライナの女性をロシア軍の侵略の単なる犠牲者と見なさないよう警告した。「実際に女性達は、ボランティア、活動家、ジャーナリスト、人権擁護者として、ウクライナの抵抗運動にとって不可欠な存在です。」と彼女は語った。

4月11日の安全保障理事会で、UNウィメンのシマ・バホス事務局長は、ウクライナでロシアの侵略が続き大規模な避難民が発生している中で、女性や子どもに対して行われたとされる強姦などの性的暴力や人身売買の報告が増えていると警鐘を鳴らした。

「ロシア軍に徴兵された兵士や傭兵が存在し、市民が残忍に殺害される中、膨大な数のウクライナ人が家屋を後にし続けており、その中で性的暴行やその他の犯罪に関する報告が浮上しています。」

また先日のモルドバ共和国訪問を振り返り、「不安で疲れ切った女性や子どもたちが乗ったバスが、思いやりのある市民団体職員らによってウクライナの国境で出迎えられるのを目撃しました。」と語った。

ジェンダー平等と⼥性のエンパワーメントに向けた活動を⽀援、統合する役割を担うUN Womenは、「ウクライナ危機において、ジェンダーに配慮した対応がなされるよう」市民社会活動家らを支援している。

UNSC/ UN photo
UNSC/ UN photo

バホス事務局長は、4月8日にクラマトルスクの駅がミサイル攻撃され、ウクライナからの避難を待っていた女性や子どもたち50人以上が死亡したことを最も強い言葉で非難するとともに、「このトラウマは世代を破壊する危険がある。」と警告した。

国連児童基金(ユニセフ)緊急支援局のマニュエル・フォンテーヌ局長は、4月8日の攻撃当時、駅から1キロメートルほど離れた場所でユニセフ職員が救急キットなどの支援物資を届ける準備をしていたと語った。

一方、ウクライナの子どもたちや家族、コミュニティは依然として攻撃を受けており、多くの人が十分な食料を得られず、水設備への攻撃により、約140万人が安全な水道を利用できない状態にある。

国連は4月10日現在、142人の子どもの死亡と229人の子どもの負傷を確認しているが、「この数字はもっと多い可能性があることは分かっている」という。また、何百もの学校や教育施設が攻撃されたり、軍事目的に利用されたりしている。

Photo: The Ukraine Refugees Response Moldova - IsraAID
Photo: The Ukraine Refugees Response Moldova – IsraAID

フォンテーヌ局長は、「紛争が始まって以来、ウクライナの子どもたち全体の3分の2近くが自宅などを追われている」ことを明らかにした上で、「ユニセフとパートナーは、ウクライナ国内外において、搾取や虐待のリスクが高まる中、女性と女児の健康、権利、尊厳を慎重に監視するなど、あらゆる手段を講じている。」と語った。

しかし、戦闘が続いているため、こうした人道支援の手は、多くの場所で支援を最も必要とする人にたどり着けないでいる。(原文へ

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