【国連IPS=タリフ・ディーン】
スーダン、最近ではケニアで起きている殺害に、国際社会は積極的に取り組もうとしない。そのために大量虐殺、民族浄化はアフリカの他の地域にも飛び火している。
マイノリティ・ライツ・グループ(MRG)のラティマー代表は、国際社会が断固として行動を起こさなければ、2008年も大量殺人が起きるだろうと予測している。MRGが選んだ、世界でもっとも虐殺の危険が大きい20カ国の半分以上がアフリカにある。
比較的安定していたケニアでも、選挙をきっかけに民族浄化が始まり、1000人以上が殺された。だが、国連も欧州連合も懸念を示しながら具体的行動を起こさなかった。アジア・中東では、アフガニスタンと隣接するパキスタンとイランの危険度が高まっている。
国連は2005年の総会で「保護する責任(R2P)」を採択したが、2007年にR2Pは失速した。事務総長の交代との関連を指摘するものもいる。潘事務総長はスーダンと米国から虐殺防止とR2P推進のためのスペシャルアドバイザーを任命し、2008年の改善が期待されている。
NGOもR2Pを支持する行動を始め、大量虐殺問題に取り組む新たな国際組織、R2Pグローバルセンターが2月14日に結成された。国連、国際刑事裁判所、R2P実践活動とともに、大量殺害阻止を目指していく。
国連の軍事介入は国連憲章第7章に基づき安保理決議により認められている。しかし今後は、国連、R2Pおよび新たなスペシャルアドバイザーによる、大量殺害が始まる前の初期段階での予防外交を重視した活動が進められていくことになる。
ルワンダとボスニアでは国連が大虐殺を止めることができなかったが、東チモールではインドネシア軍と民兵による人権侵害を終結させることが出来た。最近では、コートジボワール、コンゴ民主共和国で、国連平和維持軍が民族的虐殺を阻止する極めて重要な役割を果たしている。虐殺を阻止するための国連の活動について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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