地域アジア・太平洋|国連|混乱が深まる中、カブールに取り残されたスタッフの国外退避を図る

|国連|混乱が深まる中、カブールに取り残されたスタッフの国外退避を図る

【ニューヨークIDN=タリフ・ディーン】

米国が、外交官や大使館職員に加え、数千人にのぼる現地雇用のアフガニスタン人職員を混乱する首都カブールから空輸退避させる中、国連もこれに続き、アフガニスタンで平和維持や人道支援任務に当たっていた300人以上の国際職員と3400人の国内職員の一部を国外へ移した。

国連のステファン・デュジャリック報道官は8月18日、これらの職員の一部がカブールからカザフスタンのアルマトイに移動し、同地から遠隔で業務を継続すると明らかにした。

同報道官は、「アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の臨時遠隔事務所の受け入れを申し出たカザフスタン政府に感謝する」と述べたが、移動した職員の正確な人数は明らかにしなかった。

さらに、「人数の詳細には立ち入らないが、明らかに不安定な国内情勢を踏まえ、同僚たちの正確な人数や所在地については議論しない。だが先に述べた通り、移転先では最大約100人の職員がアルマトイから業務を行えるようにする見通しだ。アルマトイ事務所には比較的少数の国際職員が配置される。国内職員、国際職員を問わず、すべての職員の安全と福祉は国連にとって最重要事項である」と語った。

デュジャリック報道官は、この遠隔拠点が、アフガニスタン国内で継続する国連ファミリーの活動を緊密に支えることになると説明した。

「これは、国連職員への危険を減らす一方で、アフガニスタンの人々への支援を可能な限り中断せずに続けるための一時的措置である。」

国連のアフガニスタン駐留体制は、治安情勢に応じて調整される。デュジャリック報道官によれば、カブールおよび国内各地の治安上その他の制約を踏まえ、一部職員を国外へ移すことが決定された。状況が許せば、職員はアフガニスタンに戻るという。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は8月16日、安全保障理事会に対し、国連は苦境にあるアフガニスタン国民を支援するため、現地にとどまり任務を遂行することに引き続き取り組むと表明した。

また事務総長は、人道支援要員の大半は引き続きアフガニスタン国内に残り、最も支援を必要とする何百万人もの人々に不可欠な援助を提供し続けると述べた。

「これは、国連職員への危険を軽減しつつ、アフガニスタンの人々への支援を可能な限り中断せずに継続するための一時的措置である」とも強調した。

一方、12万人超の職員を代表する職員組合連合は、8月15日付と17日付の2通の書簡をグテーレス事務総長に送り、即時対応を求めた。

書簡の中で、国際職員組合・協会調整委員会(CCISUA)、職員協会・組合連盟(FICSA)、国連国際公務員連盟(UNISERV)は、退避を希望するすべての国内職員の避難を求めた。

また、退避を望む国内職員とその家族に査証が与えられるよう、なおカブールに残る外国公館に対して事務総長が仲介努力を行うよう要請した。

書簡は、「われわれは政治的に極めて複雑な事情があること、また私たちの要請が不可能に見えるかもしれないことも承知している。しかし、多くの私たちと同じように国連の旗の下で働くことを受け入れたというだけで、命や家族の命を危険にさらしている国内職員を、ただ黙って見過ごすことはできないことをご理解いただけると確信している」と訴えている。

CCISUAのプリスカ・シャウイ会長はIDNに対し、「国連が現地での活動継続を必要としていることは理解しており、アフガニスタンで任務に当たる国際職員、国内職員すべての献身と責任感を高く評価している」と語った。

その一方で、「状況はきわめて不安定であり、情勢が落ち着くまで、国際職員だけでなく国内職員についても退避を実施してほしい」と指摘した。

さらに、「国内職員は、自らが仕えてきた組織から見捨てられたと感じている。彼らには、国連が職員に対して負うべき保護義務が及ぶべきだ」と述べた。

また、「組織にとって大きな課題であることは承知している。しかし職員連合として、国連が同僚たちの安全と福祉を確保するためにできる限りの措置を講じているかどうかを確認する責任がある」と強調した。

シャウイ会長は、国連規則上、国内職員の避難は例外的状況において想定されており、その決定を下せるのは事務総長だけだと指摘した。

「私たちにとって、今の状況は例外的どころではない」と彼女は語った。

カブールでは、家々を一軒ずつ調べる捜索が行われているとの報告も複数出ている。タリバンは政府職員、兵士、警察、治安要員、さらに外国政府や国際機関と働いてきたアフガニスタン人を探しているとみられている。

ニューヨークに届いている報告によれば、国内職員は自分自身や家族への報復を恐れ、応答を避けるために身を隠そうとしている。

米国の大手テレビ局も、リンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使へのインタビューで、「恐怖におびえる」女性記者や、「国際機関で働いたことのあるすべての人」がタリバンに殺されるのではないかと恐れている問題を取り上げた。

その中で、「彼らの命を救うために、米国――とりわけバイデン政権は今、これ以上何ができるのか」との問いが投げかけられた。

これに対し同大使は、「アフガニスタンを離れたいと望む脆弱な立場のアフガニスタン人を国外へ退避させるため、われわれは昼夜を問わず取り組んでいる。空港は確保されており、航空機は24時間体制で出発している。過去3日間で3000人以上を移送した。作業が終わるまで、脆弱な立場にある人々を可能な限り迅速に退避させ続ける」と述べた。この発言は8月17日に放映されたインタビューでなされた。

一方、国連職員組合連合の書簡はまず、「国際職員の退避を確保し、アフガニスタンに残る職員――国内職員を含む――の安全と保安を守るために講じられたあらゆる措置に対し、あなたとあなたのチームに感謝する」と記している。

しかし、そのうえで、現地情勢に関する最新報告は、特に国内職員との関係で極めて憂慮すべきものだとしている。

「国内職員は大きな苦境にあり、自分自身と家族に対する報復を恐れるのは当然である。何とかして国外脱出を図ろうとしている者もいれば、職員に対する保護義務の一環として国連が支援してくれることを期待して待っている者もいる。」

書簡はさらに、「現時点では、今後の情勢がどう展開するか誰にも予測できない。何が起ころうとも、国内職員が見捨てられてはならないこと、そして国連は職員の区分にかかわらず、すべての職員に対して保護義務を果たさなければならないと、私たちは信じているし、事務総長も同意されると確信している」と訴えている。

また、「国際職員の退避が実施され、カブールには必要不可欠な30人のみが残ると承知し安堵している。しかし、国内職員とその家族が報復の危険にさらされ、その命が脅かされる可能性について、私たちは非常に強い懸念を抱いている」とした。

そのうえで、「残る国際職員、国内職員、そしてその家族が、いかなる報復の危険からも守られるよう、直ちに必要な措置を講じることを求める」と要請した。

さらに書簡は、「現地情勢が極めて複雑であることは承知している。しかし、国際職員であれ国内職員であれ、すべての職員に対して国連がその保護義務を果たすことを期待している」と結んでいる。

この書簡には、プリスカ・シャウイCCISUA会長、タニヤ・クイン=マグワイアFICSA会長、スティーブ・トウラーUNISERV会長が署名した。(原文へ

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