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ニュース|米国|民主主義サミットを主催するも、83ヶ国を招待せず

|米国|民主主義サミットを主催するも、83ヶ国を招待せず

【ニューヨークIDN=タリフ・ディーン】

東南アジアでかつて独裁政権を率いた元首が、不正選挙について問われた際、おそらく半分冗談まじりで、「私は国民に投票する権利を約束した。しかし、そうした票の集計については何も言っていない。」と語ったと伝えられている。

バイデン政権は、12月9日と10日に民主主義サミットをオンライン形式に開催するが、世界の独裁国家や特定の一族が支配する国々の大半は招待リストから排除されている。こうした国々では、たとえ選挙が実施されても、不正操作がほぼまかり通っている。

米国は民主主義サミットに、193国連加盟国のうち、110カ国を招待した。米国務省によると、民主主義サミットは「民主主義諸国が直面している課題と機会に焦点を当てるとともに、指導者らに各々の国内外において民主主義と人権を守る個人及び全体としての公約や改革、イニシアチブを発表するプラットフォームを提供する」ものである。

一方、招待されなかった国にはエジプト、モロッコ、ヨルダン、サウジアラビア、バーレーン、カタール、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)等、中東やアフリカにおいて米国と最も緊密な政治・軍事同盟関係を有している国々や、米国製武器の主要輸出先の国々が含まれている。

中東における同盟国では、イラクとイスラエルが招待されなかった。また、トルコも北大西洋条約機構の加盟国でありながら、招待リストから外された。

国連安保理常任理事国の中華人民共和国とロシアも外された。一方で、中国に対する政治的な圧力として、中華民国(台湾)は民主主義サミットに招待された。

南アジアでは、(タリバン政権下の)アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、スリランカが招待されなかった一方で、インドとパキスタンは招待された。東南アジアでは、この地域で米国の密接な同盟国であるシンガポールが招待リストに含まれなかった。

また、ミャンマーとスーダンの軍事政権も招待リストから除外された。

バイデン大統領は2月、「民主主義は偶然の産物ではありません。私たちは、民主主義を守り、そのために戦い、強化し、より新しいものにしていかなければなりません。」と語った。

米国務省によると、バイデンーハリス政権は就任初日から、現代におけるかつてない厳しい挑戦に対処するために、民主主義を米国と世界で立て直していくことが必須だと明確に述べてきた。

「米国にとり、民主主義サミットは、世界的な民主主義の立て直しに、支援やコミットメントが極めて重要なさまざまなアクターに耳を傾け、学び、関与する機会を提供するものであるとともに、民主主義の持つユニークな強さの一つ、つまり、民主主義の不完全さを認め、率直かつ透明性を確保しながらそれに向き合うことで、米憲法が謳う『より完全な連邦が形成できる』という強さを示すだろう。」と米国務省は述べている。

第1回民主主義サミットの開催に先立って、米国は政府、多国間組織、慈善団体、市民社会、民間セクターと協議して、3つの主要テーマ(①権威主義に対する備え、②汚職との闘い、③人権尊重の促進)に関連した大胆かつ実行可能なアイデアを求めた。

サミットで世界の指導者らは、サミットの目標を前進させるような具体的な活動や、意味ある国内改革や国際的なイニシアチブに対するコミットメントを発表するよう求められるだろう。そしてそうした公約には、権威主義に立ち向かい、汚職と戦い、人権尊重を促進する国内外のイニシアチブが含まれるだろう。

また、民主主義サミットでは公式プログラムの一部として、市民社会の代表をパネルディスカッションやタウンホールミーティングに招待している。市民社会の代表を選定するに際しては、地理的なバランス、政治的背景、協議テーマに関する専門性など様々な要因を検討した。また、今回のサミットはオンライン形式で開催されるが、一年後には対面形式による2回目の会合を開くとしている。

一方、複数政党制民主主義を最も強力に支持してきた国連は、結局失敗に終わったものの、かつて軍事政権の指導者を国連演説から排除しようと試みたことがある。2004年にアフリカ連合の前身にあたるアフリカ統一機構(OAU)がクーデターの指導者をアフリカ首脳会議に出席させない方針を発表した時、ガーナ出身のコフィ・アナン国連事務総長(当時)はこの決断を世界各国の軍事独裁者を罰する未来のモデルケースとして評価した。そして、この考えを一歩進めて、国連の最高決定機関である国連総会がOAUの決定を良き前例として、軍事政権の指導者に総会で演説することをいつの日か禁止するようになることを望むと語った。

アナン事務総長の提案は史上初のものだったが、事務総長ではなく加盟国が支配する国連で採用されることはなかった。歯に衣を着せないアナン事務総長はまた、「道路や医療体制が崩壊しつつあり、子どもたちが通う学校には本も机も教師もいない、そして電話も通じないような状況でも、数兆ドルもの公的資金が一部のアフリカの政治指導者らによって隠匿されている。」と語った。また、民主的に選出された政権を軍事力で転覆させたアフリカの政治指導者らを激しく非難した。

一方、国連総会で演説した軍事指導者の中には、キューバのフィデル・カストロ、リビアのムアンマル・アル・カダフィ大佐、マリのアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(1991年のクーデターで政権を掌握したが後に大統領に選出された)、ガーナのジェリー・ローリングス(1979年のクーデターで政権を掌握し前政権の首脳を処刑したが、後に民主的な選挙で民間の大統領として選出された)などがいる。

かつてインターナショナル・ヘラルド・トリビューンが指摘したように、ローリングスは「アフリカの元軍事指導者の中で、史上初めて、有権者に複数政党制の下で自身の後継者を選ばせた人物だった。」

2020年10月、ニューヨークタイムズは少なくとも10人のアフリカの文民指導者が権力の座から降りることを拒否し、大統領任期を3期目や4期目、中には生涯権力に留まるために7期目を可能にするような憲法改正に着手した、と報じた。

こうしたアフリカの指導者にはギニア(3期目に立候補中)、コートジボワール、ウガンダ、ベニン、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、ガーナ、セイシェルの大統領が含まれる。

現職の大統領が退陣するのはニジェールのみである。タイムズ紙は、全ての軍事クーデターを非難して、ギニアビサウのウマロ・シサコ・エンバロ大統領の「3期目はクーデターと同じだ。」という言葉を引用した。

一方、民主主義サミットには、民主主義に関する実績が疑わしいいくつかの国々も含めて以下の国々が招待されている。アルバニア、アンゴラ、アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、アルメニア、オーストラリア、オーストリア、バハマ、バルバドス、ベルギー、ベリーズ、ボツワナ、ブラジル、ブルガリア、カーボ・ヴェルデ、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、コンゴ民主共和国、デンマーク、ドミニカ、ドミニカ共和国、エクアドル、欧州連合、フィジー、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ガーナ、ギリシャ、グラナダ、ギアナ、アイスランド、インド、インドネシア、イラク、アイルランド、イスラエル、イタリア。

さらに、ジャマイカ、日本、ケニア、キリバス、コソボ、ラトビア、リベリア、リトアニア、ルクセンブルク、マラウィ、マレーシア、モルディブ、マルタ、マーシャル諸島、モーリシャス、メキシコ、ミクロネシア、モルドヴァ、モンゴル、モンテネグロ、ナミビア、ナウル、ネパール、オランダ、ニュージーランド、ニジェール、ナイジェリア、北マケドニア、ノルウェー、パキスタン、パラオ、パナマ、パプアニューギニア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、韓国、ルーマニア、セントキッツネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、サモア、サオトメプリンチペ、セネガル、セルビア、セイシェル、スロヴァキア、スロヴェニア、ソロモン諸島、南アフリカ共和国、スペイン、スリナム、スウェーデン、スイス、台湾、東チモール、トンガ、トリニダード・トバゴ、ツバル、ウクライナ、英国、ウルグアイ、ヴァヌアツ、ザンビアが招待されている。(原文へ

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