【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙は、UAE副大統領でドバイ首長のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下が、世界の子ども500万人を対象に清潔な水を提供する「UAE水援助プログラム」構想を発表した、と報じた。
「粗末な下水設備や適切な浄化装置の不足等が原因で、21秒毎に1人のペースで子どもが命を落としている現状を考えれば、この支援プログラムは実に意欲的な試みである。」とガルフ・ニュース紙は6月30日付の論説の中で報じた。
実施を監督するのはエミレーツ赤新月社で、具体的には井戸の掘削、適切な水配給システムの構築、安全な水を提供するための効果的な浄水装置の設置等に対する支援を行う予定である。
これまでのところ、この支援構想に対する反応は上々で、発表から24時間が経過した時点で3200万ドゥルハム(約9億1600万円)の寄付金が寄せられた。
今回の発表はイスラム教徒が断食という修行を通じて貧しい人々の心情を身をもって経験・内省し、喜捨を通じて神への信仰を捧げるラマダン開始日(6月29日)に行われた。
子どもたちが最も病気や細菌、寄生虫に侵される危険性が高いことを考えれば、清潔で安全な飲料水は、かけがえのない(ラマダンの)贈り物となるだろう。これらの病原菌は、水が乏しく、飲料水の供給体制を向上させるための資金がないか、或いは他の問題に対処するために(飲料水対策に)資金を回す余裕がない地域で活発に繁殖する傾向にある。
「今後この支援プログラムは、ソマリアの平原地帯や、アフガニスタンの丘陵地帯、或いはスーダンの乾燥地帯にある村々、さらには紛争で分断されたパキスタンの部族地域において、村の井戸や水道の蛇口から清潔な水を常に確保できるよう支援の手を差し伸べていく予定である。」とドバイに拠点を置くガルフ・ニュース紙が報じた。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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