【ヌルスルタンINPS Japan=浅霧勝浩】
9月14日・15日にカザフスタン共和国の首都ヌルスルタンで開催される「第7回世界伝統宗教指導者会議」(2001年以来3年毎にカザフスタンがホストして開催。今回は新型コロナの影響で4年ぶりに開催)を前に、世界各地から集まった記者に地元のテレビ局が取材した。(English)
今年の会議のテーマは「ポストパンデミック期における人類の精神的および社会的発展への世界の宗教指導者の役割」。これは、テロとの戦いの名の下に、9・11同時多発テロ事件後に高まった特定の宗教を対象とした排他主義や過激主義に対して、世界の伝統宗教指導者自らが率先して対話を重ね、平和と協力関係を模索するイニシアチブとして、バチカンのヨハネ・パウロ2世やカザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ初代大統領らの呼びかけて始まった。20年目となる今回は、カソリック教会のローマ法王フランシスコをはじめ英国国教会、ロシア正教会、バハイ教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、ユダヤ教、ジャイナ教、神道等、世界50カ国から100以上の代表団が参加している。
カザフスタンは130以上の民族が共生する多民族・多宗教国家で、「世界伝統宗教指導者会議」のプラットホームを同国が提供してきた背景には、古来よりシルクロードの中継地として東西南北を行き交う様々な民族・思想・技術を寛容に受入れてきたカザフ民族の社会的背景と、ロシアと中国に挟まれた広大な国土を比較的少ない人口で安定的に発展させていく知恵として、両国のみならず欧米・日本等の西側諸国やイランや中東・アフリカ諸国等とも巧みに平和・善隣外交を推進してきた政治的な背景がある。
今回の会議は、既に3年に及ぶ新型コロナウィルス感染症のパンデミックと、ウクライナ侵攻と核兵器使用の恫喝がなされる、いわば「人類の存在そのもが崖っぷちに立たされている」事態の中で開催される。
カザフ国営テレビによる取材に対しては、「一つ間違えれば、全てが消滅しかねない危機的な状況の中で、人間性の本質と良心に深く訴えかけることができる世界の伝統宗教指導者による対話と協力の動きは『希望の光』だと思う。」とコメントした。
INPS Japan
This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.
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