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SDGsGoal5(ジェンダー平等を実現しよう)「フェミニスト国連キャンペーン」、国連事務総長に有言実行を求める

「フェミニスト国連キャンペーン」、国連事務総長に有言実行を求める

【ワシントンDC・IDN=J・C・スレシュ】

「話はいいから行動を…すべての言葉が羽のように空中に飛んでいく」―国連のアントニオ・グテーレス事務総長の第1期5年間のジェンダー平等への取り組みに関する「フェミニスト国連キャンペーン」の報告書に記録されている、ある聞き取り対象者の言葉である。

実際、主要な情報提供者は、国連職員は「国連のマッチョ文化が聖域になっていること」に辟易しており、国連の報告・是正メカニズムに不信感を抱き、報復を恐れている、と証言している。

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さらに、UNウィメンの新事務局長であるシマ・サミ・バホス氏の選考プロセスが非公開であったことは、事務総長がジェンダー平等を目指す変革に向けて大きく踏み外したものであると考えられている。

同キャンペーンは、事務総長は第2期(2022年~26年)にあたってより包括的で進歩的なアジェンダを推進することを期待している。それは、組織を横断的に巻き込み、人権を擁護し、構造的・制度的変革に向けた行動を起こし、国連システム全体を通じてジェンダー平等を前進させるアジェンダであるべきである。

1期目の5年目におけるグテーレス氏のジェンダー平等への取り組みに関する報告書で、2020年に一定の進展があったのち、2021年の評点が「B」から「Bマイナス」に下がったと指摘した。

「フェミニスト国連キャンペーン」は2016年に国連のフェミニスト・ビジョンを起草し、過去5年間、そのビジョンに向けた事務総長の進展度合いを採点してきた。2017年以降、この成績表は、よりジェンダーに公平な国連システムのための以下の6つの優先分野で、事務総長の取り組みにどの程度進捗があったのかを測定してきた。

1.女性を指導的地位に押し上げるための方針を策定・実施すること。

2.持続可能な開発目標(SDGs)に関して、ジェンダー平等的な観点からの履行と説明責任を果たすこと。

3.男女共同参画のための資金調達。

4.男女同等の取り扱いと人権の擁護。

5.「国連女性の地位委員会」とUNウィメンをジェンダー平等の観点から変革すること。

6.国連システムにおける情報公開を促進すること。

「ザ・ネイチャー・コンサーバンシー」のラテンアメリカ地区政策責任者で、報告書の作成に携わったサラ・ガマージュ氏は、「この『国連成績表』は、注意深い分析、そして集団的で思慮深い精査が、より男女平等的な国連への道筋を示せることを表している。報告書は、市民社会にとって重要な役割を果たし、彼女らの声を高め、国連組織とその指導者が、人事においても職務においても意味のあるジェンダー平等を実現させるようにするものだ。」と述べている。

Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain
Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain

今年の国連事務総長の活動は、キャンペーンが定めた6つの優先項目中、4つ(1.2.4.5.)で大幅に低下した。他方で、2つの優先項目(3.6.)においては改善が見られた。

キャンペーン報告書の著者らは、包括的なテーマとして、説明責任の欠如、情報やアクセスに関する一貫しない透明性、ジェンダー関連における横断的活動への理解や推進力の欠如を、挙げている。

「女性を指導的地位に押し上げるための方針を策定・実施すること」について、事務総長は、ジェンダーの重要性を繰り返し強調した点では評価できる。しかし、彼の呼びかけには、男女平等な扱い以上の実行可能な取り組みや説明責任が欠けている。グテーレス氏は、解決策の策定や実施における女性の自律性・参加・積極的な協議とは対照的に、「女性の保護」を優先させる言葉を用いている。

また、2021年のグテーレス氏の発言を見ると、思春期の少女、「LGBTQIA+」の人権、障害、ハラスメントへの言及はほとんど出てこない。「フェミニスト国連キャンペーン」は事務総長に対して、組織横断的なジェンダー分析を先鋭化させ、国連の組織を横断した理解を促進して、ジェンダーを考慮に入れた政策や実施計画、幹部による決定を行うよう求めた。

国連総会が2015年に設定した持続可能な開発目標(SDGs)のすべてにわたってジェンダーの観点を取り込む上で達成されたものはせいぜい僅かであり、特にジェンダーを重視するSDGs第5目標に関する履行と説明責任は限られている、とキャンペーンは指摘した。

SDGs Goal No. 5
SDGs Goal No. 5

第5目標に向けた国レベルの進捗に関するデータを収集するために使用される18の指標の内、進展度合いを検討するために全ての国において十分なデータを収集できたのはわずか2項目しかなかった。事務総長は加盟国に対し、SDGsの全ての指標を追跡するために必要なデータを収集するための進捗を加速させるよう働きかける必要がある、と報告書は述べている。

「『国連女性の地位委員会』とUNウィメンをジェンダー平等的に変革すること」という目標に関しては、2021年において説明責任と透明性の欠如が懸念された。国連での性的嫌がらせや搾取、虐待への対応は鈍かった。

「男女共同参画と情報の自由のための資金調達」の項目でグテーレス氏のスコアが上昇したのは、追加的な資金を調達するためのジェンダー平等指標制度の適用や、オンラインを通じてデータや資源、会合にアクセスできるよう促進したことが理由である。

「我々の2021年の分析は、グテーレス事務総長は進展を遂げたものの、真に変革的で、進歩的な、男女平等に基づく国連システムを育成するには、さらに多くのことを行う必要があることが分かった。2期目のグテーレス氏には、ジェンダー平等や組織横断的な取り組み、市民社会へのアクセスを求める政策を実施し、人権の明確な擁護者となることを期待する。」と述べている。(原文へ

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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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