SDGsGoal12(作る責任 使う責任)欧州の廃棄物、重要原材料需要の半分超を賄える可能性 報告書

欧州の廃棄物、重要原材料需要の半分超を賄える可能性 報告書

インド・スリナガルIPS=ウマル・マンゾール・シャー

欧州で増え続ける大量の廃棄物が、重要原材料の有力な供給源の一つになり得ることが、最新の包括的な報告書で明らかになった。同報告書は、グリーン経済とデジタル経済に不可欠な鉱物資源をめぐり、地政学的リスクと国際競争が高まっていると警告している。ホライズン・ヨーロッパの資金提供を受けたFutuRaMプロジェクトが公表した同報告書によると、欧州の「都市鉱山」には、使用済み電池、電子廃棄物、使用済み自動車、建設廃棄物、解体された風力タービンなどの中に、膨大な量の有用な資源が含まれている。|英語版

同プロジェクトの研究者らは、欧州が重要原材料の輸入依存を減らすには、リサイクル、回収、追跡の各制度を早急に改善する必要があると指摘している。こうした重要原材料の多くは、供給が少数の国に集中している。

報告書は、「FutuRaMプロジェクトは、欧州の都市鉱山に含まれる二次原材料および重要原材料に関する知識基盤を強化するうえで、大きな前進である。」としている。

国連訓練調査研究所(UNITAR)でサステナブル・サイクル部門の上級科学専門官を務めるケース・バルデ氏は、IPSの独占インタビューに対し、この研究では7つの廃棄物の流れに含まれる42種類の重要原材料をマッピングしたと述べた。その結果、重要原材料の最終消費において一次原材料を代替できる割合は、現時点では全体で最大27%にとどまることが示されたという。

「2050年までには、代替可能性は50%を超える可能性があります。同時に、現在より10種類多い、最大24種類の重要原材料を、分析対象となった廃棄物の流れから調達できるようになる可能性があります。新たに対象となるものには、永久磁石に含まれるネオジム、ジスプロシウム、テルビウム、サマリウム、プラセオジムなどの希土類元素に加え、電池に含まれるリチウム、コバルト、セリウムなどがあります。」とバルデ氏は述べた。

この研究は、欧州各国政府が、電気自動車の電池、風力タービン、太陽光パネル、デジタル技術に使われるリチウム、コバルト、ニッケル、希土類元素の供給確保を急いでいるさなかに発表された。

研究者らによれば、このプロジェクトは「地政学的不確実性の高まり、エネルギー転換とデジタル移行の加速、重要原材料の安定供給をめぐる懸念の拡大」を背景に進められた。

欧州が現在、リチウム、コバルト、希土類元素などの原材料をめぐってどの程度脆弱な立場にあるのかを問われ、バルデ氏は、これらの多くがEU域外から調達されており、供給元も一国またはごく少数の国に限られていると述べた。

「一方で、これらはデジタル化、再生可能エネルギー技術、軍事分野に不可欠です。そのためEUの重要原材料リストに含まれており、EUの脆弱性につながっています。」

報告書は、使用済み電池、建設・解体廃棄物、使用済み自動車、鉱業廃棄物、スラグ・灰、廃電気・電子機器、解体された風力タービンという7つの主要な廃棄物流を対象としている。

プロジェクトの重要な発見の一つは、欧州では回収システムの脆弱さ、報告規則の分断、廃棄物の違法な流通により、依然として相当量の有用資源が失われているという点である。

報告書は、「EU加盟国間で、廃棄物の分類、報告制度、廃棄物でなくなる基準が依然として分断されており、二次原材料の単一市場の機能を損なっている」と警告している。

バルデ氏によれば、回収率が高く、損失量が少ない分野として最も優れているのは、使用済み自動車と建設・解体廃棄物だという。

「どちらも回収率が高く、アルミニウムや銅などを多く含む一部の部品については分別回収が行われています。それでもなお、前述のように、希土類金属などいくつかの重要原材料では損失が生じています。損失量の面で最大の弱点となっているのは、スラグや灰といった産業残渣です」とバルデ氏は述べた。

プロジェクトは2050年までの長期モデルを用い、政策やリサイクルシステムの違いが将来の資源回収にどのような影響を及ぼすかを検証した。研究者らは、「現状維持」「回収」「循環型」と名付けた3つのシナリオを設定した。

報告書によると、回収システムを改善すれば、廃棄物流から取り出せる利用可能な資源量を大幅に増やすことができるという。研究者らはまた、廃棄物に潜在的に含まれる原材料と、処理後に実際に回収できる原材料を区別する新たな回収モデルも構築した。

一般に「電子廃棄物(e-waste)」と呼ばれる廃電気・電子機器は、今後、貴重な鉱物資源の重要な供給源の一つになるとみられている。この研究では、電子機器に含まれる銀、金、コバルト、ガリウム、ネオジム、パラジウム、タングステンなどの重要原材料を対象に調査した。

Construction and demolition waste has one of the highest rates of waste recovery. Credit: FutuRaM

プロジェクトでは電池についても詳細に調査し、リチウム、コバルト、ニッケル、黒鉛、銅などの材料に焦点を当てた。研究者らは、現在のリサイクル技術と将来の回収システムの双方を検討した。

一方で報告書は、欧州の廃棄物流をめぐって、大きなデータギャップと不確実性が存在することも認めている。

報告書は、「FutuRaMで策定された結論と提言が科学的に妥当で、政策立案に資するものとなるよう、データ品質の包括的な評価が不可欠である。」と述べている。

研究者らは、多くのデータセットが不完全であるほか、商業上の機密を含んでいたり、国によって整合性を欠いていたりすると指摘した。場合によっては、機密保持上の懸念から、産業界のデータは匿名化したうえでしか利用できなかった。

透明性を高めるため、プロジェクトは妥当性、正確性、一貫性、適時性、完全性など6つの要素に基づくデータ品質評価の枠組みを策定した。

同プロジェクトの影響は、すでに欧州の政策決定者にも及んでいる。報告書によれば、FutuRaMは欧州委員会および共同研究センターと緊密に連携し、EU重要原材料法の実施を支援した。

報告書は、「FutuRaMは、関連する重要原材料を含む製品、部品、廃棄物流を特定することにより、加盟国が同法の規定を遵守するためのデータと知見を提供してきた」としている。

研究者らはまた、UNFCとして知られる国連資源分類の枠組みを用いて20件のケーススタディを実施し、回収プロジェクトの実現可能性を評価した。

同プロジェクトは、欧州域外からも国際的な注目を集めている。報告書によれば、FutuRaMの成果は、シンガポール、ブラジル、タイ、カナダ、日本、ケニア、パナマなどで開催された132件の外部イベントや会議で発表された。

2025年の「国際電子廃棄物デー」に合わせて発表された関連報告書は、55カ国の約900のオンラインニュース媒体に取り上げられ、27言語で掲載された。

電子廃棄物に関する世界の生産者責任組織を代表する国際団体、WEEEフォーラムのパスカル・ルロワ事務局長は、IPSニュースの単独インタビューに対し、「電子廃棄物を入手・取り扱うすべての主体は、追跡可能性を確保するため、自らの活動を報告すべきです。同時に、執行体制と当局の役割を強化する必要があります」と述べた。

同氏はまた、関連技術への投資を拡大するとともに、電子廃棄物管理のインフラを改善する必要があると指摘した。

SDGs Goal No. 12
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「加えて、啓発キャンペーンと適切な資金確保が不可欠であり、都市鉱山プラットフォームを制度化すべきです。最後に、処理基準の順守には法的拘束力を持たせなければなりません」と同氏は述べた。

研究者らは、欧州が廃棄物を信頼性の高い戦略資源へと転換するには、より強固な法制度、標準化された報告制度、より優れたリサイクルインフラが必要だと主張している。

報告書は提言の一つとして、「二次原材料の分類、報告、ライフサイクル追跡に関する欧州共通の調和化された枠組み」の整備を求めている。

また欧州各国政府に対し、違法な廃棄物輸出への取り締まりを強化し、市場監視を改善するとともに、リサイクル処理能力とデジタル報告システムへの投資を進めるよう促している。

「EU域内のリサイクル由来の供給と、EU製造業の需要を結び付ける必要があります」とバルデ氏は述べた。

INPS Japan/IPS UN Bureu Report.

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