地域アジア・太平洋憲法改正で各党合意か

憲法改正で各党合意か

【バンコクIPS=マルワーン・マカン・マルカール】

カンボジアの野党「サム・レンシー党」の党首サム・レンシーが、「政権を担当するためには議会の3分の2以上の議席を保有していなければならない」と定めた1993年の憲法を改正して、単純過半数を要件とするよう提案している。フンセン首相もこの提案を歓迎している。

これまで、3分の2を確保しなければ政権を取れなかったことから、選挙後に無益な多数派工作が繰り返され、ただでさえ貧困等の社会問題に悩むカンボジアにおいて、政治が機能しなくなってしまうことがしばしばであった。

 2003年7月の選挙では、フンセン氏率いるカンボジア人民党が73議席、ラナリット派のファンシンペック党(FUNCINPEC)が26議席、サム・レンシー党が24議席であった。フンセン派が3分の2を取れなかったため、選挙後11ヶ月間にわたって政府が存在しない状態が続いたが、ラナリット派が自らのスタンスを曲げて連立政府を組むことに同意し、ようやく政治的停滞が終わったのである。

NGO「カンボジア自由公正選挙委員会」のコウル・パン・ハ代表は、この憲法改正により野党の議員が増えることになるだろうと予想し、それは望ましいことだと述べた。

しかし、カンボジア憲法がこのような柔軟性に欠ける条項を持っているのにはそれなりの理由がある、と擁護する意見もある。すなわち、大量虐殺などの負の歴史を持つカンボジアにおいて、各党派の和解を押し進め平和を実現するには、極力多くの人々が同意する形で政府を形成した方がよい、という考えであった。

カンボジアの憲法改正論議について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan

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