【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
9月5日にギニアのアルファ・コンデ大統領を追放した若手将校らは、国家運営の主導権掌握に向けて矢継ぎ早に動き出している。政党や宗教団体、市民社会、外交団、さらに鉱業・金融・保険業界や労働組合との協議日程を次々と設定し、移行体制の正統性確保を急いでいる。一方で、国際社会がクーデターを非難するなか、強権化を強めていたコンデ前政権への国内の反発は根強く、政変を一定程度支持する声も広がっている。
9月5日にコンデ大統領を追放した若い軍将校たちは、国家元首としての職責を果たすべく、早くも具体的な行動に乗り出している。
すでに政党指導者や宗教団体代表との会合が予定されており、今後は市民社会組織や外交団代表との協議も続く見通しだ。
さらに9月16日には鉱山会社、銀行、保険会社との会合が、翌17日には労働組合との協議が予定されている。
クーデターは今日の国際社会において原則として容認されにくい。しかし今回の政変は、一部の批判勢力さえ取り込む可能性を持っている。2010年に選出されたコンデ前大統領は、次第に権威主義色を強め、自らの敵とみなした勢力への弾圧を強化していたとされる。昨年10月の大統領選結果公表後には、全国で野党や市民社会の関係者約400人が拘束された。首都コナクリの中央刑務所では、野党「ギニア民主勢力連合(UFDG)」の支持者3人を含む4人が未決拘禁中に死亡した。
アムネスティ・インターナショナルの西アフリカ担当調査員ファビアン・オフナー氏は、「彼らは劣悪で虐待的な環境で悪名高く、しばしば死者を出している拘禁施設に収容されるなかで命を落とした。そこでは被拘禁者の処遇に関する国際的な法規範が無視されている」と指摘した。
また、国連の独立人権専門家であり、シンクタンク「アフリカジョム・センター」の創設者でもあるアリウン・ティーヌ氏は、失脚したコンデ氏の急上昇と転落を振り返り、「彼はギニアの民主主義のために40年以上闘ってきた政治家の一人だったが、権力の座に就くと、それを完全に破壊してしまった」とロイター通信に語った。
ティーヌ氏はさらに、「彼は人々を投獄し、人を死に追いやり、野党とのいかなる政治対話も完全に拒絶した」と批判している。
これに対し、コンデ氏は人権侵害の非難を否定してきた。他のアフリカ諸国で、権力維持のために憲法を改正した指導者たちと同様、同氏もまた「近代的なギニア」という自身の構想を実現するには、なお時間が必要だと主張していた。
大統領失脚後、共和勢力連合(UFR)党首のシディヤ・トゥーレ氏は、コンデ氏からの脅迫や批判者の逮捕を逃れて滞在していたパリから帰国した。また、3度にわたり不正疑惑のつきまとった選挙でコンデ氏に敗れた野党指導者セロ・ダレン・ディアロ氏も、当初はコンデ氏をギニアを民主主義国家へ導こうとする人物だと信じていたと明かした。
ディアロ氏は、「だからこそ、彼の行動を見た時、私は非常に失望した。それは私が期待していたものと正反対だったからだ」と述べた。
さらに同氏は英紙フィナンシャル・タイムズに対し、「アルファ・コンデ自身が、自らを押し流した危機をつくり出した」と語り、「3期目出馬のために憲法を改正しなければ、このような悲劇的な末路を迎えることはなかっただろう」と指摘した。
自らを「ギニアのマンデラ」と称していた83歳のコンデ氏の失脚に対し、国内では「自由だ」と歓声を上げる人々も少なくなかった。ギニアには鉄鉱石、金、ボーキサイトなど豊富な鉱物資源が存在するが、その恩恵の多くは国民に行き渡らず、支配層に集中してきたとみられている。
人口の半数以上が貧困線以下で暮らし、約20%が極度の貧困状態にある。
飢餓もまた深刻で、23万人の子どもが栄養不良に苦しみ、人口の25.9%が慢性的な栄養不良状態に置かれている。
こうした深刻な実情があるにもかかわらず、国連、米国、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、さらにリベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ前大統領らは、主としてクーデターを主導した側への非難を強めている。
これに異論を唱えたのが、『イースト・アフリカン』紙のジェネラリ・ウリムウェング氏である。同氏は、「アフリカの為政者たちが自国民に加えてきた恐怖はあまりにも深く、抑圧された大衆は、自ら政権を打倒する前に、死神が為政者を連れ去るのを待つしかなかった」と書いている。
さらに同氏は、「AUとECOWASは、コンデ氏が人々を踏みにじっていた時にギニア国民を守れなかった以上、今さら無関心な仲裁者を装うのではなく、むしろ恥じるべきだ」と論じた。
一方、ディアロ氏は、自身がコンデ氏の後任に選ばれた場合、利益がギニア国民の生活改善に結びついていないすべての鉱業契約について監査を実施する考えを示した。そうした契約は支配層を潤しただけだと主張している。
これに対し、クーデター指導者のママディ・ドゥンブヤ中佐も、「道路や病院の現状を見れば、今こそ目を覚ます時だと分かるはずだ」と述べ、政変の正当性を訴えた。(原文へ)
INPS Japan
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