ニュース│米・イラン│何が「チェンジ」するのか

│米・イラン│何が「チェンジ」するのか

【ホノルルIPS=ファリデー・ファルヒ】

「我々は『チェンジ』の名に値しないオバマ氏の行動に満足していない。ただし、希望がないわけではないが」――イランのアリ・ラリジャニ国会議長が記者に対して2月2日に発したこの言葉は、オバマ新政権の対イラン政策に対するイランの様子見の姿勢を示している。イランの指導部は、米国が変わる可能性に期待をしつつも、何も変わらないという結果にも備えている。

 イランが求めているのはより根本的な変化だ。だから、米国のバトミントン・チームがテヘランで開かれる「ファジル・バトミントン・トーナメント」に参加しようとした際、イラン政府はビザの発給を拒否した。米国政府がイラン国民に対してそのような取り扱いをしているのだから、イランが同じことをしても不思議ではない、というのである。

たしかに、イランはオバマ政権の誕生を好意的にみている。アフマディネジャド大統領は、イラン革命後の大統領としては初めて、オバマ政権の誕生を祝福する書簡を送ったほどである。

オバマ氏は、イランによるウラン濃縮一時停止という前提条件を付さずにイランと外交協議を始めたいと繰り返し述べてきた。しかし、いったい何のための協議なのか不明確なため、イラン側は、これまで米国が用いてきた「アメとムチ」式のやり方が根本的に覆されるのか疑念を持っている。

とくに、3人の指導者たちが「アメとムチ」式外交に激しく反発している。ラリジャニ議長とラフサンジャニ元大統領(現・専門家評議会議長)は、「米国のやり方に根本的な変化がないなら、外交協議を始めるに及ばず」と発言し、最高指導者のハメネイ師は米国によるイラン敵視政策に変化はないだろうとの見通しを示している。

イランは、過去と同じく、協議を受け入れる準備はあるとのメッセージを発している。しかし、過去と同じ発想に基づいた協議開始は、結局、過去と同じ結果しか生まないこともまた、彼らのメッセージには含まれているのである。

翻訳/サマリ=IPS Japan浅霧勝浩

最新情報

中央アジア地域会議(カザフスタン)

アジア太平洋女性連盟(FAWA)日本大会

2026年NPT運用検討会議第1回準備委員会 

「G7広島サミットにおける安全保障と持続可能性の推進」国際会議

パートナー

client-image
client-image
client-image
client-image
Toda Peace Institute
IPS Logo
The Nepali Times
London Post News
ATN
IDN Logo

書籍紹介

client-image
client-image
seijikanojoken