【ニューヨークATN=アハメド・ファティ】
高市早苗首相は来週、イラン戦争をめぐりドナルド・トランプ米大統領と「率直な協議」を行う構えでワシントンを訪れる。しかし、中東にエネルギーを依存し、安全保障では米国に依拠する日本にとって、「率直さ」は掲げるほど容易なものではない。日本の主要メディアは、3月19日の首脳会談を、戦争の経済的代償が日本に及ぶなかで、日本政府がどこまで本音を語れるのかを測る試金石と位置づけている。(毎日新聞)

日本政府の立場は、意図的に慎重に整えられている。高市首相は、この紛争は日本の安全保障関連法制上の「存立危機事態」には、なお該当しないとの認識を示している。この線引きは、国内政治の文脈で重い意味を持つ。経済的打撃が生じていても、それが直ちに、より正式な安全保障上の関与へと転化する事態を避けるためである。言い換えれば、日本政府は、戦争が日本の法的枠組みの内部に入り込むことを防ごうとしているのであり、現時点で顕在化しているのは、あくまで経済的衝撃である。(ジャパンタイムズ)
しかも、その経済的衝撃は抽象論ではない。ル・モンドは、ホルムズ海峡の航行がほぼ停止状態に陥ったことで、アジア向けの石油輸入が直接圧迫されていると報じ、高市首相が安定的なエネルギー供給の確保に向けて「あらゆる可能な措置」を講じると述べたと伝えた。フィナンシャル・タイムズによれば、原油輸入の大幅な減少が見込まれるなか、日本政府は備蓄放出によって「先手を打つ」方針だという。日本は8カ月を超える備蓄を保有しているが、それは時間を稼ぐ手段ではあっても、脆弱性そのものを消し去るものではない。(Le Monde.fr)
国際市場全体の動揺も、各国に対応を迫る水準に達している。国際エネルギー機関(IEA)は3月11日、加盟32カ国が緊急備蓄から計4億バレルを市場に供給することで合意したと発表した。これは、IEA史上最大の協調放出である。アラブ・ニュースはこの決定を引用し、戦争と湾岸地域からのエネルギー供給混乱によって引き起こされた価格急騰を抑え込むため、各国政府が対応を急いでいると報じた。(IEA)
日本にとってこの展開が重い意味を持つのは、主要経済国のなかでも、日本がとりわけ選択肢の限られた国の一つだからである。中国は既存ルートを通じてイラン産原油へのアクセスを維持しており、インドも、すでに航行中の一部ロシア産石油貨物について、米国から一時的な制裁免除を受けている。これに対し日本政府は、ロシア産原油に関する免除措置の活用を検討しつつも、それをG7との協調や外交上の代償と慎重に天秤にかけている。ロイターは金曜日、日本政府がこの選択肢を検討しているものの、それは広範なエネルギー安全保障上の判断の一部にとどまると報じた。(ロイター)
もっとも、高市首相が手ぶらでワシントンに向かうわけではない。ロイターによれば、日本は今回の首脳会談で、米国主導のミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加を表明する見通しである。これは、戦争が日本経済を圧迫するなかでも、日本政府がなお対米戦略協調を深める意思を持っていることを示す。今回の訪米が緊張を帯びるのはこのためである。日本は、エネルギー面での負担軽減を求める局面で、防衛面ではさらに重い責任を引き受けようとしている。忠実な同盟国であることは依然として期待されているが、安価な燃料がその見返りに含まれているわけではない。(ロイター)
日本の報道は、この板挟みの構図を比較的率直に伝えている。毎日新聞は共同通信を引用し、高市首相がトランプ大統領に対し、イラン問題を率直に提起する意向だと報じた。ジャパンタイムズは、日本政府の対応ににじむ法的・政治的慎重さに着目し、政府が同盟管理と自動的なエスカレーションとをいかに慎重に切り分けようとしているかを浮かび上がらせている。これは反米的な姿勢ではない。むしろ日本政府は、戦略的連帯には相応の代償が伴うという現実を、ワシントンに伝えようとしているのである。(毎日新聞)
この首脳会談の焦点は、高市首相が率直に語るかどうかではない。外交の文法に照らせば、首相はおそらく十分に率直であろう。真に問われているのは、米国の最も緊密なアジアの同盟国の一つである日本が、ワシントンの安全保障戦略を支持しながらも、中東戦争の経済的余波によって深刻な打撃を受け得るという現実に、トランプ氏がどこまで耳を傾けるかである。もし日本が、防衛協力の拡大だけを持ち帰り、エネルギー不安に対する十分な安心材料を得られないまま帰国するなら、その教訓は重い。この同盟では、率直な対話が許容されても、負担を引き受ける覚悟の方が、なお強く求められていることを示すことになる。(毎日新聞)
Original URL:https://www.amerinews.tv/posts/japan-pm-sanae-takaichi-candid-test-in-washington
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