【INPS Japan/UN News=コナー・レノン】
冷戦期の緊張の時代を生きた多くの人々にとって、核戦争による終末的な破局の脅威は、常に頭から離れない不安であった。その脅威がいま、若い世代の間でも再び懸念として広がりつつある。
20世紀を生きた多くの人々にとって、ソ連と米国が文明を終わらせかねない核対決に突入する可能性は、最大の恐怖であった。
そうした破局が現実に起こり得る危険は、決して消え去ったわけではない。しかし、若い世代の意識の中では、気候危機や制御不能なAIツールといった、より差し迫って見える実存的脅威に取って代わられてきた。
しかし、核紛争の影が消えたわけではない。1945年に広島と長崎に原子爆弾が投下されて以来、核兵器が戦争で使用されてこなかった背景には、核不拡散条約(NPT)が56年にわたり果たしてきた役割もある。
核をめぐる言説の復活
近年、核をめぐる言説は再び勢いを増している。こうした中、国連は若い活動家たちに働きかけ、核兵器がなぜ戦場で二度と使用されてはならないのかを伝えようとしている。
「正直に言えば、核戦争は私にとって大きな関心事ではありませんでした」と、30歳のナタリー・チェンさんは語る。「私の周囲の同世代も同じです。ただ、ウクライナ戦争やガザ、イランをめぐる現在の紛争を考えると、軍縮は間違いなく重要な課題になっています」

香港出身で英国を拠点に活動するアートプロデューサーのチェンさんは、国連が運営する「核兵器のない世界のためのユース・リーダー基金(YLF)」に参加して以来、核軍縮の複雑さや基本原則、そして核兵器がなぜ世界平和にとって重大な脅威であり続けているのかについて学んできた。
チェンさんは4月30日、ニューヨークのポスター・ハウスで開かれたイベントに参加した。この催しは日本政府が主催し、国連軍縮部(UNODA)が支援したもので、YLF第2期生が制作した作品が紹介された。
このプログラムは、若者たちが軍縮や平和・安全保障の分野でより効果的に提言活動を行えるよう、必要な知識を提供することを目的としている。
「若者である私たちがその一部となることで、政治的プロセスは大きな力を発揮し得るのだと学びました」と、YLF参加者のアブドゥル・ムスタファザデさんは語る。ムスタファザデさんは、デジタルメディアを通じて地球規模の課題をより身近に伝えるアーティストである。
「軍縮をめぐる言葉は非常に専門的になりがちですが、私はアートを通じて、その内容を分かりやすく伝える方法を学びました。」
新たな世代が直面する脅威

国連軍縮部(UNODA)を率いる中満泉・国連事務次長兼軍縮担当上級代表は、若い世代に対し、なぜ核軍縮が重要な課題なのかを説明し、新たな専門家世代を育てることが急務だと指摘する。彼らは、NPTが創設された当時には存在しなかったAIやサイバー空間でのハッキングといった現代の脅威を身近なものとして育ってきた世代だからである。
「冷戦終結後の約30年間、私たちは幸いにも核兵器についてそれほど心配せずに済みました」と中満氏は語る。「しかし、地政学的な緊張は再び高まっています。軍縮コミュニティの問題の一つは、過去にどのように議論されていたかばかりを振り返りがちなことです。」
「しかし、核の指揮統制へのAIの統合など、議論するだけでも恐ろしい新たな課題が存在します。」
このイベントは、国連本部で5月22日まで開催されている2026年NPT再検討会議にあわせて開かれた。
中満氏は、専門用語には分かりにくい面があると認めつつも、半世紀以上の歴史を持つこの条約は、今なお極めて重要であると強調する。
「NPTが存在しない世界は、はるかに不安定なものになっていたでしょう。より多くの国が核兵器の取得を目指し、その結果、核兵器が使用される可能性も高まっていたはずです。条約が合意される前には、核兵器保有国は30から40カ国に増えると予測されていました。しかし、そうはなりませんでした。それはNPTがあったからです」
核兵器使用の常態化
ユース・リーダー基金は、若い核軍縮の提唱者たちが複雑な軍事ドクトリンを理解し、抑止論の立場に立つ人々とも説得力を持って緻密な議論を行えるよう支援する取り組みの一つである。
同時に、それは核兵器使用の常態化に歯止めをかけるための取り組みでもある。日本出身の中満氏は、この点に強い懸念を抱いている。
「小型の『低出力』核兵器なら実際に戦場で使用できるという、極めて危険な言説が生まれています。しかし、それは誤りです。広島と長崎で使用された爆弾は、今日であれば低出力核兵器に分類されるものです。」
「何が起きたのか、その記憶を風化させないことは絶対に不可欠です。日本が今後もその役割を果たし続けることを願っています。」と中満氏は語った。(原文へ)
INPS Japan
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