【ミラノINPS Japan/CitiPlat(気候変動と持続可能な世界のための市民プラットフォーム)=アレッサンドラ・ボナノーミ】
先住民族は、環境に与える負荷がごく小さいにもかかわらず、自然環境と密接に結びつき、それに依存して暮らしているため、気候変動の直接的な影響を真っ先に受けることが多い。先住民族は歴史的に土地を守り、自然と調和して生きる知恵を培ってきた。|英語版|
ブラジルのアマゾン地域出身の気候活動家で人権弁護士のカイメ・シルベストレ氏へのインタビューを通じて、ブラジルの先住民族が直面する最大の問題は、土地を利用し、そこで暮らす権利を失いつつあることだと分かった。ブラジル政府や農場経営者は、威嚇をはじめとするさまざまな手段を用いて、先住民族を土地から追い出している。

シルベストレ氏によると、先住民族のコミュニティは政府から十分な支援を受けておらず、特に脆弱な立場に置かれている。先住民族に関する政策の策定と実施を担う政府機関として、国立先住民財団(FUNAI)がある。しかし前政権は、FUNAIがその役割を十分に果たすために必要な支援を提供しなかった。
その実態が如実に表れたのが、新型コロナウイルス感染症への対応である。先住民族のコミュニティには必要な医療支援が届かず、政府の怠慢によって多くの人が命を落とした。シルベストレ氏は「ブラジルだけでなく、世界中で先住民族とその土地を守らなければならない」と訴える。
同氏によれば、アマゾン熱帯雨林の開発を進めようとする動きの背景には、それがブラジル経済の成長につながるとの考えがある。しかし、シルベストレ氏はこの見方に異を唱え、そうした経済成長は一時的なものにすぎないと指摘する。一部の人々に短期的な利益をもたらすだけで、長期的な解決策にはならないという。また、アマゾンの森林破壊を引き起こしている主な要因として、畜産業を挙げている。
シルベストレ氏によると、昨年のブラジル・アマゾン地域における森林破壊は、過去10年間で最悪の水準に達した。一方で同氏は、環境や地球規模の気候バランス、さらには地球全体を守るうえで、アマゾンの生態系全体が極めて重要だと強調する。そのため、森林破壊について広く認識を高めることが不可欠だと考えている。問題を解決する一つの方法は、地球環境を真剣に考える政治家に投票し、当選させることだという。

2022年にスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会に参加したシルベストレ氏は、世界の指導者に対し、直ちに行動を起こすよう訴えている。「残された時間は少なくなっている」からだ。また、民間部門も政府を正しい方向へ導くうえで、重要な役割を果たせると考えている。
最後にシルベストレ氏は、気候変動対策に対する姿勢について、母国ブラジルと現在暮らすスイスを比較した。
同氏の観察によれば、スイスの人々は気候変動への対応に強い意欲を示しており、社会のあらゆる層が気候変動をめぐる議論に参加している。ただし、国土が比較的小さいことが、こうした取り組みを進めやすくしている面もあると指摘する。
一方、ブラジルは国土がはるかに広く、外部からアクセスすることが難しいコミュニティもある。さらにシルベストレ氏は、ブラジルでは多くの人々が日々の食料を確保することで精いっぱいであり、気候変動について考える余裕さえないという厳しい現実を指摘した。
ORIGINAL URL:Indigenous communities in Brazil
INPS Japan
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