【ギリシャ・アテネINPS Japan/London Post=編集部】
ギリシャ全土で10月21日、学生、教員、公務員、年金受給者らが街頭に繰り出し、公教育や公的医療への予算拡充、賃金・年金の引き上げ、生活費高騰への対策を求めて抗議デモを行った。
国営放送ERTによると、首都アテネでは約1万人が国会議事堂に向けて行進した。参加者は横断幕を掲げ、「パン、教育、自由」と声を上げた。中心部のシンタグマ広場では、前夜からテントを張っていた学生たちもデモに加わった。
今回の抗議行動は、大学生や生徒の団体を中心に、教員、大学職員、公務員などの労働組合が協力して組織したもので、年金受給者も参加した。同様の抗議デモは、全国50以上の都市で行われた。
ギリシャの公務員労組連合(ADEDY)は、この日に合わせてストライキを呼びかけるとともに、フランスで並行して展開されている抗議運動への連帯を表明した。
参加した生徒たちも、「ギリシャからフランスまで、公教育と無償教育のために闘おう」「戦争ではなく、学校に予算を」と声を上げた。
デモ参加者が訴えた問題は多岐にわたる。教育費の上昇、学生向け住宅の不足、教育施設の老朽化、公的サービスへの慢性的な予算不足、低い賃金や年金などが主な争点となった。
生徒たちはさらに、過密な教室、教員不足、増大する学業上の負担、自由時間の減少についても懸念を表明した。
今回の抗議行動は、今月、欧州各地で広がっている若者主導のデモの動きとも重なっている。
フランスやアルバニアでは、生活費の上昇や汚職疑惑に対する不満を背景に抗議行動が起き、一部では警察との衝突や大規模な器物損壊に発展した。
一方、ギリシャ警察は、21日にアテネ中心部や首都郊外で行われたデモについて、平和的に実施されたと説明した。
今回の抗議行動は、2027年半ばに予定される選挙を前に、中道右派のキリアコス・ミツォタキス首相とその政権に対する圧力を一段と強めている。ギリシャでは経済の勢いが弱まるなか、国民生活に依然として厳しい状況が続いている。
同国は2009年から2018年にかけて深刻な債務危機に陥り、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から総額約2900億ユーロ(約3260億ドル)に上る3度の金融支援を受けた。その見返りとして、政府は大幅な歳出削減を受け入れた。
こうした緊縮財政政策の影響もあり、ギリシャの労働者は欧州でも経済的に厳しい状況に置かれており、賃金の停滞、高い家賃、上昇するエネルギー価格が家計を圧迫している。
平均月給は1500ユーロ(約1685ドル)で、2009年当時の水準にとどまっている。一方、家賃は急騰しており、多くの若者にとって都市部で住居を確保することが難しくなっている。
「ここで暮らしていくのは、本当に大変です。家賃はとても高いのに、部屋は本当に狭いのです。私たちの親にも、こちらでの家賃や電気代、生活費を支払うだけの余裕がありません」
大学生のジョージア・フキドゥさん(21歳)は、ロイター通信にそう語った。
21日の抗議行動では、初等・中等教育の教員たちも、低賃金や教員不足に抗議してストライキを実施した。臨時採用の教員たちは、正規雇用への切り替えや学級規模の縮小を要求した。公務員やその他の労働組合も、全国的な抗議行動に加わった。
一方、ソフィア・ザハラキ教育相は、デモに先立ち、政府として学生たちの要求に耳を傾けていると説明した。
教育相によると、政府は新たな学生寮の建設や既存施設の改修に、7億3300万ユーロ(約8億2300万ドル)以上を投じている。
また、ミツォタキス政権は、イランをめぐる戦争やインフレに伴うエネルギー価格の上昇に対応するため、家計や企業を対象とした補助金などに、約10億ユーロ(約11億2000万ドル)を充てる方針を表明している。
INPS Japan
Original URL: Greece Protests 2026: Thousands March in Athens and 50+ Cities Over Education, Healthcare and Living Costs
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