SDGsGoal16(平和と公正を全ての人に)国連のYouth4Disarmamentが「10億の平和の行為」特別賞に選ばれる

国連のYouth4Disarmamentが「10億の平和の行為」特別賞に選ばれる

【ニューデリーIDN=デヴィンダー・クマール】

軍縮は、「将来の世代を戦争の惨禍から救う」という目標をもって、国連憲章に規定された集団的安全保障システムの中心的な要素である。国連創設と広島・長崎への原爆投下から75年を迎えるにあたって、国連軍縮局は「軍縮を75単語で若者チャレンジ」キャンペーンを開始した。8月12日の「国際青少年デー」に始まって9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」まで続いた。

キャンペーンは、13~18歳の中高生、19~24歳の大学生・大学院生、25~29歳のキャリアの浅い若者と年齢層を3つに分け、13~29歳の若者の参加を求めた。

キャンペーンを通じて、世界の若者たちは、軍縮が自分や自分のコミュニティーにとって何を意味するのかを75の単語で表現するように求められた。62カ国から198件の応募があった。

国連軍縮局が2019年に立ち上げた別のキャンペーンである「#Youth4Disarmament」は、軍縮・不拡散分野において若者を関与させ、教育し、エンパワーすることを目的としたものだ。

国連軍縮担当事務次長・上級代表の中満泉氏は、「このキャンペーンは、若者のリーダーシップと行動が、人々を勇気づけ、集団的な平和と安全を守る上で肝要なものであることを大いに示しています。」と指摘したうえで、「史上最大規模の世代である現在の若者は、大量破壊兵器や通常兵器の拡散も含め、その脅威を削減する変化をもたらすための意識を喚起し、新しいアプローチを生み出すうえで、極めて重要な役割を担っています。」と語った。

「#Youth4Disarmament」は、「10億の平和の行為」によって、2020年の「ベスト連携構築プロジェクトに選ばれている。800万件以上の平和活動の中から選ばれた他の11のプロジェクトとともにノミネートされたものだ。

ピースジャム財団」が主催する世界市民のキャンペーンである「10億の平和の行為」は、「一つの平和の行為とは、地域や学校、職場、組織の中で平和を広げる思慮に富んだ活動であり、世界平和をもたらす上で肝要な『10億の活動領域』の一つ以上に影響を与えるべく行われているもの。」と説明している。2014年に開始したこのキャンペーンは、2021年までに10億の活動を達成するという大胆な計画を推進しており、これまでに171か国で8298万7610件の活動が生み出されている。

このキャンペーンは、一度にひとつの「平和の行為」という形で、一般の人々に世界を変える力を与えるものだ。ノミネートされた活動を選考できるのは、気候変動問題で活躍しているグレタ・トゥーベリ氏など、過去の受賞者だけである。

今年のイベントに関連して、インドの大学生らが、彼らのコミュニティーや個人レベルにおいて、ジェンダーが兵器の効果にどう影響を与えるかについて意見を出すよう、国連アジア太平洋平和軍縮地域センター(UNRCPD)から求められた。

UNRCPDは、アジア太平洋地域の43カ国で活動することを任務としている。実質的支援の提供や、サブリージョナルからグローバルレベルにわたる活動の調整、それらの活動に関する情報の共有などを通じ、アジア太平洋地域の平和、安全保障・軍縮の目標を達成できるよう、地域の各国を支援している。

大学生たちは、インドの市民団体「プラジュニャ財団」と「サンスリスティ」主催の「ジェンダーと平和」をテーマにした第4回講演会(ウェビナー)に参加していた。

UNRCPDの関係者らは、軍縮や不拡散、軍備管理のプロセスがジェンダーのような領域といかに関わっているのかについて、参加者の注意を促した。こうした認識が、より効果的な政策や事業、プロジェクトの遂行を促進するのである。

実際、国連安保理が約20年前に決議1325(2000)を採択した際に、ジェンダーと武力紛争の関連に焦点を当てた政策と活動が開始されている。

この画期的な決議は、紛争の予防や解決、平和交渉、平和構築、平和維持、人道支援、紛争後の構築における女性の重要な役割を再確認したもので、平和と安全の維持と促進のためのあらゆる努力における女性の平等な参加と完全なる関与の重要性を強調した。

国連安保理決議1540(2004)に関するUNRCPDのプロジェクト・コーディネーターであるスティーブン・ハンフリーズ氏は、核兵器などの大量破壊兵器は本質的に無差別的なものであるが、放射線は女性に特有の影響を与えることが知られていると説明した。

電離放射線は、細胞内で化学変化を起こしDNAを傷つける高エネルギーの放射線だ。原子力発電所の事故や核兵器によって高いレベルの電離放射線が発せられる。

核軍縮と核不拡散における進歩を追求するには、いわゆる「ジェンダー目線」でものを見て、多様な声に耳を傾け、権力関係のジェンダー編成を変えていくことが必要だとハンフリーズ氏はしめくくった。

決議1540の重要性は、全ての加盟国が、とりわけテロ行為に使用する目的をもって核兵器や化学兵器、生物兵器、及びその運搬手段を開発・取得・製造・所有・輸送・移転・利用しようとする非国家主体に対するいかなる形態の支援も差し控えるべきであると決定している点にある。

同決議は、とりわけテロ行為に使用する目的をもってこれらの兵器やその運搬手段を非国家主体に拡散させることを予防する効果的な措置を採るために、適切な法律を制定し実行することを全ての国家に義務づけている。

国連軍縮局によると、市民社会と民間部門は、決議1540の履行に重要な貢献を成すことができる。国連軍縮局は、市民社会や民間部門、産業部門との積極的なパートナーシップを促進して、この決議の目的を満たすための国別、国際的取り組みを支援している。

Izumi Nakamitsu/ UNODA
Izumi Nakamitsu/ UNODA

国連軍縮局は2012年、ドイツと協力して、「国連安保理1540に関する国際・地域・サブ地域産業組織会議」を開催した。核・化学・生物・金融・運輸・宇宙部門の産業団体や民間企業が参加した。

2013年1月、国連軍縮局はオーストリアと協力して、決議1540に関する初の市民社会フォーラムを開催した。フォーラムには、南北アメリカ、アジア、東欧、西欧、中東、北アフリカ、アフリカ南部と世界各地から45の市民団体が集まった。

また、効果的かつ協力的なパートナーシップの事例として、ジョージア大学の国際貿易・安全保障センター、同大の公共・国際問題大学校と国連軍縮局の間のものが挙げられる。同センターは「1540コンパス」と題する11番目の出版物を発行した。非国家主体への大量破壊兵器の拡散とテロリズムを予防する国連安保理決議1540の効果的な履行に関する見解・コメント・アイデアを披露する学術誌である。

ハンフリーズ氏の発言の後、2021年1月に発効し、この20年以上で初の多国間軍縮条約となった核兵器禁止条約の意義と履行に関して、学生らと実のある議論が交わされた。

軍事化の人的、経済的コストについてもまた、イベントの中で話し合われた。

国連の「軍縮に向けたユースチャンピオン」は、将来を見据えて、「#Youth4Disarmament」キャンペーンの立ち上げをイベントの参加者に宣言した。これは、現在の国際安全保障の課題、国連の機能、積極的な参加の仕方について専門家から学ぶために、世界各地の若者をつなぐためのプロジェクトである。(原文へ) 

INPS Japan

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