【国連IPS=クリスティーナ・ドゥアルテ】
アフリカには、世界の再生可能淡水資源の9%、未開発の水力発電潜在力600ギガワット超、そして世界の未耕作の耕作可能地の60~65%が存在する。|ENGLISH|
その労働力は地球上で最も若い。消費市場は2050年までに25億人規模に達する。これらを合わせれば、今後数十年、世界の水・エネルギー・食料システムが必要とするあらゆる生産要素がそろっていることになる。
これは欠乏の大陸ではない。戦略的豊かさを備えた大陸である。アフリカ連合(AU)が2026年のテーマを水と衛生に据えたことは、アフリカの指導者たちが、この豊かさをそれにふさわしく統治する用意があることを示している。
豊かさが適切に統治されるとはどういうことか、考えてみたい。グランド・インガ・ダムだけでも、中国の三峡ダムの2倍の発電量を生み出し、中部、南部、西部アフリカの産業に電力を供給できる可能性がある。レソト高地水プロジェクトは、アフリカ自身が手がける国境を越えた水インフラが大規模に機能し、主要な都市経済に供給できることをすでに証明している。
サブサハラ・アフリカの耕作可能地に占める管理灌漑の割合は3.7%にすぎず、開発途上地域で最も低い。この割合を今後10年で10%に引き上げるだけでも、食料安全保障は大きく変わり、農業バリューチェーン全体で数百万人規模の雇用が生まれ、降雨変動に対する大陸の脆弱性も低下するだろう。
こうした投資はいずれも、アフリカの技術的能力の射程内にある。工学的知見はすでにある。水はある。土地はある。労働力もある。
問われているのはガバナンスである。この点について、アフリカは自らに率直でなければならない。現在主流となっているアプローチは、この機会の規模に見合っていない。各国政府やドナーは、水を道路、港湾、送電網と同等の生産的インフラとして扱うのではなく、掘削井戸や簡易トイレを案件ごとに管理する社会サービス提供の課題として扱ってきた。
維持管理予算を伴わずに設置された手押しポンプは、開発ではない。衛生システムにつながらない穴式トイレの建設も、開発ではない。こうした介入は、成果管理の枠組み上は進捗として記録されるかもしれない。しかし、経済を変革するものではない。それらは資産ではなく、消耗品である。
この不均衡を示す証拠は明白である。安全に管理された飲料水を利用できるアフリカの人々は、人口の半数にも満たず、41%にとどまる。小学校就学年齢の子ども2300万人が、空腹のまま授業を受けている。約4億2900万人のアフリカ人が極度の貧困の中で暮らしており、この数は2030年にも4億人を上回ると予測されている。
これらの数字が示しているのは、資源に乏しい大陸の姿ではない。水を戦略ではなく慈善として扱うガバナンスモデルであり、限られた資本を消費しながら持続的なシステムを生み出さない「建設し、放置し、再建する」という循環である。
アフリカはこの循環を断ち切ることができる。私は、その軌道を変えるために3つの転換を提案したい。
第一に、「戦略的資産管理」を大陸規模の基本方針として採用することである。
ダム、灌漑網、都市部の処理施設、国境を越える水システムは、50年から100年の寿命を持つ資産である。これらに必要なのは、5年単位のプロジェクト期間ではなく、持続的な制度的管理である。計画から維持管理、更新に至る全ライフサイクルを通じて、あらゆる段階に気候適応を組み込みながら統治しなければならない。
アフリカ各国政府が水システムを国家インフラとして、すなわち引き渡して終わる一時的な事業ではなく、維持すべき恒久的な資産として扱うとき、「建設し、放置し、再建する」というパターンは終わる。

第二に、大陸規模の灌漑拡大に着手することである。
南アジアでは耕作可能地の41%が灌漑されている。サブサハラ・アフリカでは3.7%にすぎない。今後10年でこの差の一部を埋めるだけでも、雇用を生み出し、農業バリューチェーンを構築し、食料主権を強化し、輸入食料への依存を減らすことができる。水があっても灌漑がなければ何も育たない。土地があっても水がなければ誰も養えない。管理された灌漑こそ、賦存資源を経済価値へと転換する最短の道である。
第三に、共有流域に対して、実効性ある協調的ガバナンスを構築することである。
アフリカの地表水の90%は、少なくとも1つの国境を越えて流れている。ナイル川、ニジェール川、コンゴ川、ザンベジ川。これらは地域的なシステムであり、地域的なガバナンスを必要としている。アフリカには、すでに機能しているモデルがある。セネガル川流域開発機構は、4カ国にまたがる越境システムを半世紀にわたって管理してきた。課題は、協調的ガバナンスを例外ではなく標準にすることである。それは外交上の礼儀としてではなく、地域の安定と統合に向けた戦略的要件として位置づけられなければならない。
こうした転換に資金を投じるには、アフリカ自身が自らの資源をもって主導しなければならない。AUハイレベル・パネルおよびアフリカ開発銀行によれば、水安全保障の格差を埋めるには、年間500億~640億ドルが必要とされる。主たる資金基盤は国内になければならない。料金体系を段階的に改革し、維持管理予算を守り、漏出を止め、水への投資を道路や送電網と同じ真剣さで扱うべきである。
アフリカはまた、統合的な水投資に向けて、これまで慢性的に活用しきれてこなかった国際気候資金を動員しなければならない。さらに、アフリカ各国政府は、義務的な水影響評価なしに外国資本による土地取引の承認を検討すべきではない。アフリカ各国政府は、土地管理と土地ガバナンスを、水ガバナンスと一体的に扱う必要がある。外国にリースされたアフリカの農地で栽培され、輸出される作物はすべて、大陸外への「仮想水」の移転である。その水は価格付けされず、勘定に入れられず、統治されてこなかった。土地と水は切り離せない。一方を手放すことは、他方を手放すことに等しい。
今後数十年のうちに、世界はアフリカの水と土地を開発するだろう。その過程はすでに始まっている。自国の水と食料の制約に直面する豊かな国々は、アフリカの豊かさが意味する現実的な計算を理解し、それに応じた布石を打っている。唯一の問いは、この開発がアフリカ自身の条件で進むのか、それとも他者の条件で進むのかである。
最後に、厳しい現実を述べておきたい。持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までにアフリカで達成されることはないだろう。率直であるなら、そう言わなければならない。しかし、アフリカの指導者たちがいま、水を本来あるべきものとして統治することを選ぶなら、2030年以後の世代は異なる未来を受け継ぐことができる。すなわち、水を経済変革の原動力、平和の基盤、そして大陸が子どもたちのために託された最も重要な資産として扱う未来である。
アフリカの水は、アフリカの未来である。問われているのは、アフリカがそれを統治するのか、それとも他者によって統治されるのかということである。
クリスティーナ・ドゥアルテは、国連アフリカ担当特別顧問室の事務次長である。
INPS Japan/ IPS UN Bureau Report
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