【サマルカンド(ウズベキスタン)IPS=セシリア・ラッセル】
「公的予算への圧力が高まり、地政学的緊張が増すなかで、環境資金を任意のものと見なしたくなるかもしれない。しかし、それは誤りである。」地球環境ファシリティ(GEF)のクロード・ガスコン暫定CEO兼議長は、ウズベキスタン・サマルカンドで開催された第8回GEF総会の閉会本会議で、こう訴えた。|ENGLISH|
開発途上国、後発開発途上国、小島嶼開発途上国(SIDS)、そして脆弱で不安定な国々にとって、政府開発援助(ODA)は依然として支援の礎である。

「問われているのは、単なる国際目標の達成ではない。この地球上での生活の質の未来である。子どもたちが、清らかに流れる川、豊かに立つ森林、地域社会を守る海岸線、そしてすべての繁栄を支える自然システムを破壊することなく発展できる経済を受け継げるかどうかが問われている。」
総会議長を務めたアジズ・アブドゥハキモフ・ウズベキスタン大統領環境顧問兼国家生態・気候変動委員会議長は、今回の総会について、50を超えるサイドイベントや二国間会談、非公式協議が行われた極めて生産的な会合だったと評価した。
「GEF理事会は、GEF-9のプログラム方針やGEF-8最後の作業計画を含む重要決定を審議し、改善した。」と同氏は語った。また、統合的なプログラム編成、革新的資金調達、包摂的な参加に強い焦点が当てられたことを歓迎し、GEF-9資金の少なくとも20%を先住民族および地域コミュニティに振り向ける目標にも言及した。
さらにアブドゥハキモフ氏は、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が示した、同国が支援受入国から支援供与国へ移行するとの方針について、環境の持続可能性に対する同国の強い意思を示すものだと語った。
「これは、われわれが協力の恩恵を受けるだけでなく、地球環境分野の取り組みに貢献する用意があることを示している」
これに先立つハイレベル・パネル討論では、GEF科学技術諮問委員会(STAP)のロジーナ・ビアバウム議長が、世界のGDPの半分が自然に依存している一方で、生物多様性資金には年間7000億ドルの不足があると指摘した。
一方で同氏は、コンサルティング大手マッキンゼーの分析を引用し、2030年までに地球の陸域と海域の少なくとも30%を効果的に保全する「30by30」目標を実行に移せば、保全と社会経済の両面で大きな成果が得られ、貧困削減にもつながると述べた。
資金調達をめぐる議論は厳しい環境下で行われているが、ロッククリークのシニア・マネージング・ディレクターで、元世界銀行財務総長のケネス・レイ氏は、民間部門が課題解決に貢献できることは明るい材料だと語った。
同氏は、過去15年間の好調な市場環境に支えられ、世界の貯蓄資産は大きく拡大したと説明した。年金基金、政府系ファンド、保険部門の準備金などには数兆ドル規模の資金が存在し、それらを自然への投資に振り向けることは可能だとした一方で、「資産所有者がこの場にいない」と指摘した。
レイ氏は、GEFが中央銀行、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、証券規制当局などの主要関係者を招集し、「自然への投資がインフラ投資と同じくらい当たり前になる」環境を整えるべきだと提案した。
世界銀行グループ環境局長のバレリー・ヒッキー氏は、GEFには、民間部門がリスクを管理できるよう、規制環境の整備と政策の予見可能性向上を支援する役割があると述べた。同氏は、譲許的資金と商業資金を過不足なく組み合わせる「ゴルディロックス型」のブレンド・ファイナンスが重要だと指摘した。投資の失敗を一定程度吸収しながらも、商業的収益性と財務的な健全性を確保することで、測定可能な環境成果を伴う民間資本を呼び込むことができるという。
一方で、警鐘も鳴らされた。
英国のレイチェル・カイト気候担当特別代表は、英国が「生態系崩壊に対して極めて脆弱である」とする研究結果を紹介した。
「それは何を意味するのか。英国の家庭が、子どもの健康を守るために必要な食料をスーパーで買い物かごに入れられるかどうかは、コンゴ盆地の健全性と完全に結びついているということだ。もしそこにさらなる脅威が及べば、安全保障や防衛上の影響をもたらすことになる。」
セントクリストファー・ネービスのジョイエル・クラーク持続可能開発・環境・気候行動・地域社会強化担当大臣は、地域社会や先住民族の参画を得るには、人間中心で包摂的かつ経済的に実行可能な解決策が鍵になると述べた。同氏は、ブルーカーボン市場は十分に評価されておらず、その意義も理解されにくいと指摘した。
その一例として、ウミガメを保護するユネスコ世界遺産地域を挙げた。その地域では、漁業コミュニティの食生活にウミガメが含まれていた。そこで観光産業における代替的な雇用機会を提供したところ、地域住民の保護活動への支持を得ることができたという。

閉会本会議でガスコン氏は、環境は「周辺的な課題」ではないと改めて強調した。
「第一に、各国への公的開発援助を守り、強化しなければならない。ODAの継続は、単なる道義的責任ではない。世界の安定、人間の安全保障、そしてすべての国々が共有する未来への投資である」
次に同氏は、各国が自ら求める環境成果と国家政策を整合させる必要があると述べた。

「持続可能性へのコミットメントを掲げながら、生態系の破壊、天然資源の過剰利用、大気・土地・水の汚染をなお促す政策を続けることはできない。」
第三に、GEFは民間資本の力を最大限に引き出し、民間部門を単なる資金源ではなく、地球環境目標のガバナンスと実施を担う真のパートナーにしなければならないとした。
最後に同氏は、環境目標の達成には「内閣全体のコミットメントと社会全体の参加」が必要だと訴えた。
「国家レベルのリーダーシップが必要である一方、地域に根差した主体的な取り組みも必要である。つまり、地域社会、先住民族、女性、若者、市民社会、科学者、地方自治体、農業従事者、労働者、起業家の声に耳を傾け、ともに取り組むということだ。持続的な解決策は押し付けられるものではなく、共につくり上げるものであることを認識しなければならない」
ガスコン氏は最後に、2030年へ向けた最後の追い込みは「単なるカウントダウンであってはならない。それは転換点でなければならない。」と締めくくった。
第8回地球環境ファシリティ(GEF)総会は、2026年6月6日、ウズベキスタン・サマルカンドで最終本会議を開いた。本特集記事はGEFの支援を受けて制作された。編集内容についてはIPSが単独で責任を負い、必ずしもGEFの見解を反映するものではない。
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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