地域アジア・太平洋|アフガニスタン|グローバル危機、食糧暴動の引き金に

|アフガニスタン|グローバル危機、食糧暴動の引き金に

【カブールIPS=アナンド・ゴパル】

アフガニスタン全土で、食糧価格高騰による不満が燻っており、関係者は、このままでは数百万人が餓え、社会不安の引き金になるのではないかと危惧している。今年に入り、小麦の価格は約2倍に達した。米の価格も昨年既に38パーセント増加している。

東部の町ジャララバードでは今週、市民がカブールに通じる高速道路を封鎖し、政府に食料品の価格統制を要求する騒ぎが起こった。また北部のクンダズおよびカブール郊外では、商人達が小麦の盗難に悩まされている。

 多くの市民が価格高騰は政治家の責任と非難している。政府担当官の努力が必要なのは言うまでもないが、食糧問題はアフガン政府の政策を超えた問題でもある。アフガニスタン調査政策研究センターのハローン・ミル氏は、「食糧不安の背景には国内および国際的要因がある。国内農業復興の努力にも拘わらず、食糧の殆どは隣国のパキスタン、イランから輸入している。そのため、食糧市場は供給に左右されやすい」と語る。

パキスタンは最近国内市場の保護のため輸出の削減を決定。これによりアフガン国内の価格は更に上昇したため、同国に対するアフガニスタン市民の不満が高まった。ジャララバードの騒動でも、政府に対する抗議と共に反パキスタンのスローガンが叫ばれていた。

専門家は、戦争および麻薬も国内の食糧供給減の原因になっていると語る。最も肥沃な土地は採算性の高いケシの栽培に使われ、地雷の埋まった土地を農耕に使用することはできない。

しかし、アナリストは、最も大きな原因は国際的要因という。約400人の科学者で構成される農業科学技術国際評価(IAASTD)は、最近の報告書の中で、「近代農業により食糧生産は大幅に増加した。しかし、その利益は公平に配分されておらず、耐えがたい価格を生み出している」と述べ、貿易や補助金システムの変更に強硬反対している先進国を批判している。

アフガニスタン政府は今週、緊急輸入予算として5千万ドルを割り当てると発表したが、市民の多くは、必要なのは価格統制だとしている。アフガニスタンの食糧危機について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩


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