【バンコクIPS=マルワアン・マカン・マルカール】
カンボジア裁判所特別法廷(ECCC)は7月18日、長らく待たれていたクメール・ルージュ大量虐殺事件裁判の被告5人の名前を提出した。クメール・ルージュは、国民の1/4に当たる170万人を殺害したといわれる。
シエラレオーネ特別戦争犯罪裁判で弁護側顧問を務めた英国のルパート・スキルベック氏は、「大量虐殺は、国籍、人種、宗教を理由とした民族破壊のための暴力行為と定義されているが、政治的理由から人々を殺害したカンボジアの場合は違う」と語っている。
同裁判により、カンボジアがベトナム戦争に引きずり込まれた60年代から70年代初めに同地域に関与していた大国を動揺させるような事実が明らかになるかもしれない。米国が承認したカンボジア爆撃は既に立証されており、中国が虐殺政策を進めていたクメール・ルージュを支援していたことも明らかになっている。
スキルベック氏は、「虐殺された人々の数を特定するには、米国の違法爆撃について触れない訳には行かない。裁判の過程で、多くの国にとって不都合な事柄が明るみに出るだろう」と語る。
クメール・ルージュのリーダー、ポル・ポトは1998年に死亡。カンボジアでは「屠殺人」として知られるタ・モクも昨年6月に死亡した。カンボジア・メディアによれば、ECCC裁判にかけられるのは、ポル・ポトの副官ヌオン・チェア、当時の首相(former head of state)キュー・サンファン、外務大臣イエン・サリ、トゥオル・スレン刑務所の所長カン・ケク・イアブ(Eav)等5人という。カンボジア裁判所特別法廷による「キリング・フィールド」裁判について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩
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