地域アジア・太平洋|ラオス|CIAによるラオス「秘密戦争」が映画に

|ラオス|CIAによるラオス「秘密戦争」が映画に

【プノンペンINPS=アンドリュー・ネット】

1960年代から70年代はじめにかけ、米中央情報局(CIA)はラオスで共産ゲリラとの戦闘に秘密作戦を展開、「秘密戦争」として知られる。そしてその秘密戦争でもっとも秘密とされる場所が元CIA空軍基地ロンチェンである。ロンチェンは今なお立ち入り禁止のままだ。

その秘密戦争について、今年後半、欧州で新作映画「The Most Secret Place on Earth」(地球上もっとも秘密な場所)が公開される。

8月半ばプノンペンで初めて試写が行われたこの映画には、1975年に共産政権が樹立されて以来西側として初めて基地に入った撮影隊によるロンチェンの映像も含まれている。

ラオスでの戦闘は、米国が過去に展開した準軍事行動の中で最大かつもっとも高価なオペレーションであったにもかかわらずほとんど知られていない。秘密戦争は、CIAの航空会社エア・アメリカの民間人パイロットを主に使い、ラオスの山岳民族モン族から傭兵を雇ってCIAが行ったものである。

映画は、元外交官、CIA幹部、エア・アメリカのパイロットをはじめ、戦闘の秘密・外交・軍事面に関与した人々の話を通じて秘密戦争を検証する。

映画のもっとも興味深い点は、実際の戦闘任務やロンチェンでの日常生活を写した映像等、監督が収集した過去の未使用映像が組み込まれていることである。

この映画は、その分析的側面が、CIAの工作員やエア・アメリカのパイロットを英雄扱いし、戦争を正当化する書籍やドキュメンタリーと一線を画する。実際は、米国の航空機が9年間にわたり1日24時間8分毎に平均1機分の爆弾を投下し、ラオスを戦争史上もっとも激しい爆撃を受けた国にしたのである。

このラオスでの戦争はイラク戦争と大きな類似点が見られると語るドイツ人監督Marc Eberle氏(36)は、次のように述べている。「ラオスは、21世紀における米国の戦争の先駆的存在。民間企業に戦争を外注し、情報や文書を改ざんして民衆の支持を集め、従軍取材を用い、ハイテク兵器の使用を含む戦争の自動化など、これらの方法はラオスで初めてテストされたものだ」

CIAによるラオス秘密作戦を描いた映画について報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=INPS Japan浅霧勝浩


最新情報

中央アジア地域会議(カザフスタン)

アジア太平洋女性連盟(FAWA)日本大会

2026年NPT運用検討会議第1回準備委員会 

パートナー

client-image
client-image
client-image
client-image
Toda Peace Institute
IPS Logo
The Nepali Times
London Post News
ATN

書籍紹介

client-image
client-image
seijikanojoken