【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】
王制打倒を主導し、現政府の政権奪取を支援した市民社会活動家が、投獄の危険を冒して現政府への抗議を展開している。
1月1日には首相官邸の前で座り込みデモの参加者少なくとも70人が逮捕され、内務大臣が3日、禁止区域での抗議活動には警察が引き続き介入すると警告した。
「ネパールNGO連盟」のアルジュン・カルキ会長は、IPSの取材に応え、政府が暫定憲法をまとめ、元マオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)反政府勢力を含む暫定政府を樹立するまで同連盟は抗議運動を組織し続けると述べている。
6月の憲法制定議会の選挙まで統治に当たる暫定政府の樹立を求めた包括的和平合意(CPA)が11月に政府・主要7政党(SPA)と毛派指導者の間で締結されたものの、和平プロセスは多難を極めている。毛派はまた、全国にある28のキャンプに兵士と武器を置いて管理することになっているが、国連の監視団の到着が遅れ、これも進んでいない。
コイララ首相は、国連の監視が始まるまで元反政府勢力は政権に加わることはできないと主張しているが、「ネパール農村復興」のカルキ会長は、「首相は時間稼ぎをしたいだけ」と言う。
カルキ会長は、「マオイストは都市におり、私たちは彼らが武器を所有していることを知っているが、彼らは首相と連携しており、意思決定プロセスに加わっている。私たちがいつまでも彼らを政府外に置き続けると、平和は脆弱になるばかりである」とIPSの取材に対し述べた。
会長は続けて、「マオイストが加われば、武器などの問題はすべて彼ら自身の問題となり、責任も増す。政府はこの点をわかっていないのか、あるいは内外の勢力からマオイスト排除の圧力を受けているかのいずれかだ」と語った。
各方面から政府への圧力が高まっているネパールの現況を報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー:IPS Japan浅霧勝浩
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