ニュース|アルゼンチン|元軍事政権高官に自宅監禁認めず

|アルゼンチン|元軍事政権高官に自宅監禁認めず

【ブエノスアイレスIPS=マルセラ・バレンテ】 

1976-1983年の独裁政治下で陸軍総司令官だったルチアーノ・ベンジャミン・メネンデス(81)は、数多くの容疑のうち、革命労働者党のメンバー4人に対する誘拐、拷問、殺人の罪(1977年)で、この木曜日コルドバ州裁判所から、終身刑を言い渡された。さらに、通常この年令の受刑者に認められる自宅監禁は許されなかった。 

法廷の内外には多数の人々が押し寄せ、強制失踪させられ死亡した家族の写真をかざし、「殺人者!」と叫んでいた。判決を聞くと彼らは、涙を流し歓喜した。人権団体によると、独裁政権下で3万人が強制失踪の被害に遭っている。


他に6人の元司令官と文官1人に対しても判決が下り、4人は終身刑、3人は18-22年の禁固刑であった。 

メネンデスは1975-79年の間、陸軍第三師団の総司令官で、その管轄下にはラペルラ集中キャンプがあった。政治犯を収容し、2300人のうち、17人しか生きて帰らなかったキャンプである。生存者のひとり、スサーナ・サストレ氏は5月27日に始まった法廷で証言し、凄惨な拷問の事実を伝えた。 

今回の有罪判決は憲兵の証言が決めてとなったが、最終陳述でメネンデスは、悪びれる様子もなく、「マルキシストに対抗する防衛措置だった。この国は勝利の兵士を裁くのか。今は70年代のゲリラが権力を握っている。やつらの思うとおりには行くまいと信じている。」と述べた。 

メネンデスは80年代に、800もの裁判に関与し罪を問われたが、多くの軍事政権の要人とともに、カルロス・メネム大統領(89-99年)によって恩赦を与えられた。しかし、裁判所は被害者家族に押され、恩赦法に違憲判決が下り、訴追に向けて証拠が積み上げられてきた。元警官、元従軍牧師、元海軍指揮官などかつての軍高官に対する判決もこれまでに出ている。 

元陸軍総司令官が31年前の人権侵害で、終身刑の判決を受けたことを報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩 


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