地域アジア・太平洋│北朝鮮│民衆の腹をすかせて核兵器?

│北朝鮮│民衆の腹をすかせて核兵器?

【ソウル/ニューヨークIDN-InDepth News=タリフ・ディーン

北朝鮮による核実験は、金正日総書記が、北朝鮮の軍事的地位を格上げし、政治的影響力を増すことを狙ったものであろう。 

かつて、パキスタンのある元首相が、「たとえ民衆が草を食むような生活にまで落ち込んだとしても、パキスタンは核兵器を製造する決意だと述べた。」と伝えられる。民衆の腹をすかせてまで核兵器開発に走る状況は、まさに今の北朝鮮に当てはまる。 

まもなく退任する国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ事務局長は、「核軍縮に向かって抜本的な措置が取られなければ、今後数年のうちに核兵器国が10~20出てきてもおかしくない」と語った。 

逆に、北朝鮮の核実験のような行動が、核兵器国による軍縮を遅らせる効果も懸念される。 

6月12日、国連安全保障理事会は、全会一致で北朝鮮への制裁決議を採択した。決議は初めて、北朝鮮を出入りする貨物の検査を加盟国に求めた。 

しかし、北朝鮮側は、国連の偽善と二重基準を厳しく批判している。北朝鮮政府の声明は、「今回我が国が行った核実験は、世界で2054番目の核実験である。国連安保理の5大国はこれまで、核実験全体の99.99%を行ってきた」と述べた。

 「核兵器アーカイブ」のキャリー・サブレット氏によれば、これまでに確かに2054回の核実験が行われ、そのうち、5大国以外によるものは13回であるという。すなわち、5大国による占有率は99.37%だ。北朝鮮の言うことはあながち外れていない、とサブレット氏は語った。(原文へ) 

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩 



関連記事: 
緊急性を増した核軍縮(ミハイル・ゴルバチョフ) 

最新情報

中央アジア地域会議(カザフスタン)

アジア太平洋女性連盟(FAWA)日本大会

2026年NPT運用検討会議第1回準備委員会 

パートナー

client-image
client-image
client-image
client-image
Toda Peace Institute
IPS Logo
The Nepali Times
London Post News
ATN

書籍紹介

client-image
client-image
seijikanojoken