地域アジア・太平洋「世界は見ている」国連が警告

「世界は見ている」国連が警告

【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】
 
イアン・マーティン国連人権高等弁務官は人権委員会に提出した報告書について、カトマンズのネパール法律家協会で報告。ネパールにおける深刻な人権侵害について語った。

報告書が焦点を当てたのは、10年前のネパール共産党(マオイスト:毛沢東主義派共産主義武装組織)の武装闘争を契機とする人権侵害。マオイストとこれに対抗するネパール国軍(Royal Nepali Army:RNA)の闘争に巻き込まれ、農村部で13,000人の犠牲者を出し、負傷者は数千人、これまでに数十万人が国内難民となっている。

 現在、マオイストはネパールの人口が集中する周辺部の80%を支配し、1月3日の停戦期限切れを受けて武装闘争を再開。とりわけ農村部の住民はマオイストの襲撃におびえている。

報告書はマオイストによる明らかな処刑事案に言及すると同時に、国王軍による殺戮行為も指摘。国連人権高等弁務官ネパール事務所(OHCHRネパール)は1件ごとに犯人を特定するのは難しいとしつつ、国軍の人権侵害関与を示唆した。

また、2月8日の地方選挙に絡み政党指導者、活動家が数百人単位で逮捕されたのはネパールにとって大きな汚点とマーティン弁務官は指摘。ギャネンドラ政権に対する国際的制裁を求める声について「人権委員会を構成する各国政府の判断にゆだねる」と語った。

周辺部を支配するマオイストと、これに対抗する国王軍、さらに2005年2月1日の無血クーデターで政権を奪ったギャネンドラ政権による人権侵害を訴える国連人権委員会報告書について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー:IPS Japan
 
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