SDGsGoal16(平和と公正を全ての人に)カザフスタン、国連軍縮フェローに核軍縮の経験を共有

カザフスタン、国連軍縮フェローに核軍縮の経験を共有

【アスタナThe Astana Times=アイバルシン・アフメトカリ】

カザフスタン外務省は6月19日、2025年度国連軍縮フェローシップ・プログラムの参加者をアスタナに迎え、同国がリーダーシップを発揮してきた核軍縮の取り組みと、世界平和の推進に向けた努力について紹介した。

世界各国から集まった19人のフェローたちは今後、アバイ州クルチャトフ市にあるカザフスタン国立原子力センターや、旧ソ連時代に468回の核実験が行われた旧セミパラチンスク核実験場を訪れる予定だ。クルチャトフはかつて、ソ連の核兵器開発の拠点として一般立ち入りが禁止されていた都市である。

外交政策研究所のボラート・ヌルガリエフ所長(元駐日大使)は、カザフスタンが核兵器を放棄するという歴史的な決断を下した当時の状況を振り返り、フェローたちに自身の経験を語った。

「カザフスタンにとって、この問題は非常に痛ましく、かつ慎重な対応が求められる問題でした」とヌルガリエフ氏は語る。「核兵器が存在しない状況で、将来の安全と国民の福祉をどう確保するかについて、政府や各方面で多くの議論が交わされました。」

「私たちが選んだ道は、外国からの投資を呼び込み、主要国との間で政治的にも経済的にも建設的な関係を築いていくことでした。そのためには、核兵器という要素を何らかの形で解決する必要があったのです。」

プログラム参加者のひとり、ナイジェリア・バイエロ大学の再生可能エネルギー・持続可能性転換センターで核研究官を務めるアブバカル・サディク・アリユ氏は、核物理学者として核軍縮に強い関心を持っている。

「私は核物理学者として、カザフスタンの核実験場について以前から関心を持っていました。実際に核実験場がどのような場所なのかをこの目で見てみたいと長年思ってきました。カザフスタンが豊富なウラン資源を持ち、さらにIAEA(国際原子力機関)の低濃縮ウラン(LEU)バンクを保有していることもよく知っています」とアリユ氏は語った。

このIAEA低濃縮ウランバンクは、軽水炉の燃料として使用可能な90トンの六フッ化ウランを保管する現物備蓄施設であり、カザフスタン東部のウスケメン市にあるウルバ冶金工場に設置されている。同施設の安全性、保安、保障措置は、カザフスタンの関係当局が責任を持って管理している。

「カザフスタンが核兵器プログラムを放棄したという事実は非常に興味深く、私にとっても軍縮をさらに推進する上での励みになります。加えて、同国が核燃料供給国であるという点も、大きなインスピレーションになります。」

アリユ氏は、今回の訪問とフェローシップ・プログラムで得た知見を、ナイジェリアにおける軍縮推進や教育活動に活かしていく考えだ。

「ナイジェリアは核エネルギーの平和利用に関心を持っており、NPT(核不拡散条約)の締約国でもあります。現在は研究と教育目的の原子炉を保有しており、将来的には原子力発電の導入を目指しています」と語った。

「ナイジェリアは、核を含むあらゆる形の軍縮を強く支持しています」とアリユ氏は付け加えた。(原文へ

INPS Japan/ The Astana Times

Original URL: https://astanatimes.com/2025/06/kazakhstan-shares-nuclear-disarmament-experience-with-un-fellows/

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