【国連IPS=オリトロ・カリム】
2024年の最終四半期に入り、スーダン内戦が激化し、迅速支援部隊(RSF)とスーダン軍(SAF)による武力衝突が一層残忍なものとなっている。治安の悪化により、何百万人もの人々が避難を余儀なくされ、飢餓や貧困に苦しんでいる。さらに、戦闘の継続により、人道支援団体が支援を拡大することが難しくなっている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2月20日に報告書を発表し、2024年の第2四半期から第4四半期にかけての避難民の増加と暴力の傾向を分析した。特に第4四半期はスーダン国民にとって極めて混乱した時期であった。北ダルフール州のザムザム避難民キャンプでは、大規模な砲撃が発生し、避難民のさらなる移動が妨げられ、安全な避難先の確保が困難となった。
UNHCRは、スーダンを「世界最大の避難民危機」に分類し、2023年の内戦勃発以来、国内避難民は1,150万人以上に達したと報告している。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、スーダンの人口の約3分の2が人道支援に依存して生存しており、避難民は飢餓に直面し、隣国も国外避難民を受け入れる資源が不足している。
2024年6月から10月半ばにかけて、セナール州およびアルジャジーラ州での武装勢力同士の衝突により、国内避難が急増し、UNHCRは約40万人の新たな避難民に対する人道支援が必要になったと推定している。ダルフールおよびブルーナイル地域では、農業地域への攻撃が発生し、農作物の生産に甚大な被害が及んだほか、性的・ジェンダーに基づく暴力が急増した。
性的暴力が武器化
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、過去1年間で、性的暴力が戦争の手段として急増しており、120件の事例が記録され、203人以上が被害を受けたと報告されている。しかし、報復への恐れや社会的スティグマ、被害者支援の医療・司法サービスの欠如により、実際の被害者数ははるかに多いと推測される。
ジェノサイドの指摘と武器供給問題
1月、当時の米国務長官アントニー・ブリンケンは、RSFによる最近の国際人道法違反は「ジェノサイドに該当する」と発言した。また、アラブ首長国連邦(UAE)はRSFへの武器供給を行っていると非難されているが、UAE側はこれを否定している。国連は現在、ダルフールにおける武器禁輸措置の延長を決定していない。
RSFの攻撃と「並行政府」構想
2月18日、RSFはアル=カダリスおよびアル=クルワット地域で3日間にわたり攻撃を実施した。これらの地域にはほとんど軍事的プレゼンスがなく、スーダン外務省は433人以上の民間人が死亡したと推定している。また、RSFによる処刑、拉致、強制失踪、略奪の報告もある。
これらの攻撃と同時期に、RSFとその同盟勢力はケニアの首都ナイロビで、RSFが支配する地域での「並行政府」樹立に向けた憲章に署名した。これに対し、SAFはこの構想を拒否し、ハルツーム全域の奪還計画を表明した。
「民間人や民間施設への継続的かつ意図的な攻撃、即決処刑、性的暴力などの行為は、国際人道法および人権法の原則に対する重大な違反を示している。一部の行為は戦争犯罪に該当する可能性がある」と、国連人権高等弁務官フォルカー・トゥルク氏は述べた。
人道危機の深刻化
国連人道問題調整事務次長兼緊急援助調整官のトム・フレッチャー氏は、「スーダン内戦の影響は国境を超え、近隣諸国を不安定化させ、世代を超えてその影響が続く恐れがある」と警告する。
スーダンでは数百万人が食糧、清潔な水、避難所、医療へのアクセスを失っている。
「すでに極度の脆弱状態にあった人々が、食糧も水も手に入れられません。一部の地域では夜間の冷え込みが厳しいのに、避難民の家屋が焼き払われてしまったのです」と、「国境なき医師団(MSF)」のミシェル=オリビエ・ラシャリテ氏は報告している。RSFによる2月初旬のザムザム避難民キャンプへの攻撃後、多数の重傷者が発生したものの、MSFザムザム病院の手術設備が限られているため、適切な治療が受けられない状況だという。
MSFのデータによれば、スーダンの人口の約半数にあたる2,460万人が深刻な食糧不足に直面しており、そのうち8550万人は「緊急または飢饉に近い状況」にある。最新の統合食糧安全保障分類(IPC)報告では、ダルフール北部のザムザム、アブ・ショーク、アル・サラム避難民キャンプや、西ヌバ山地の2カ所で飢饉が発生していると警告している。
「ダルフール、コルドファン、ハルツームでは、飢餓による死亡が報告されています。ザムザムキャンプでは、食糧不足のため、人々は家畜の餌として使われるピーナッツの殻と油を混ぜて食べています」と、国連事務総長報道官のステファン・デュジャリック氏は述べた。
人道支援の停滞
支援の緊急性が増す一方で、スーダンでの人道支援活動はほとんど機能していない。MSFは、最も危機的な地域の治安悪化により支援物資の輸送が妨げられていることに加え、国連の「怠慢による無策」が栄養危機の悪化を招いていると批判している。
「スーダンの一部地域では支援活動が難しいですが、不可能ではありません。人道支援団体や国連が本来やるべき仕事です」と、南ダルフール州ニャラで活動するMSFのマルセラ・クレイ緊急コーディネーターは指摘する。「空路などの選択肢が未だ検討されていない地域もあります。行動しないことは選択であり、それが人々を死に追いやっています。」(原文へ)
INPS Japan
関連記事: