【国連IPS=タリフ・ディーン】
民主政権と権威主義体制の間を揺れ動いてきた南アジアの数少ない国の一つ、パキスタンで、ジャーナリストに対する締め付けが強まっている。その対象には、同国の政治情勢を取材する外国特派員も含まれる。パキスタンは推計人口2億5000万人を超え、インド、中国、米国、インドネシアに次ぐ世界第5位の人口大国である。|英語版|
ある報告によれば、パキスタンは形式上、シャバズ・シャリフ首相率いる文民連立政権下にある。しかし政治アナリストや専門家は、軍部が広範な権限を掌握する実態を「立憲的軍部支配」、あるいは軍による根深い支配と評している。
政府によるジャーナリストへの弾圧に対しては、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、国境なき記者団、パキスタン連邦ジャーナリスト組合から批判が相次いでいる。
CPJのアジア太平洋地域ディレクター、ベー・リー・イー氏はIPSの取材に対し、「国内の広範な地域でジャーナリストの取材活動を制限することにより、パキスタンは自らの国際的評価を傷つけている。」と語った。
「今回の新たな報道検閲の試みは、同国における報道の自由が悪化している現状を浮き彫りにするものだ。パキスタンは依然として、報道関係者の殺害や強制失踪が多発する、ジャーナリストにとって世界で最も危険な国の一つである。」
「シャバズ・シャリフ首相率いる政府は、こうした制限措置を撤回し、拘束や尋問を通じたジャーナリストへの圧力を直ちにやめなければならない。民主国家としての信頼を得ようとするのであれば、パキスタンは報道の自由を守るという憲法上および国際法上の義務を果たす必要がある。」
『ニューヨーク・タイムズ』8月10日付によると、政府は新たな規制を導入し、外国報道機関で働くすべてのジャーナリストに対し、パキスタンの主要3都市以外へ取材に赴く際、事前許可を得ることを義務付けた。
この規制は、パキスタン実効支配下のカシミール地方で行われた選挙を海外メディアが相次いで報じたことを受けて導入された。同地域は帰属をめぐる係争地で、6月初旬以降、さらなる政治的自治を求める抗議行動が続いている。
同紙によれば、パキスタンのジャーナリストは近年、検閲の強化や経済的圧力に直面している。ジャーナリストや人権団体によると、銀行口座の凍結、政府広告の停止、報道内容の強制削除、恣意的な逮捕や投獄などが行われているという。

国連教育科学文化機関(UNESCO)は2026年8月時点で、パキスタンによる最新のメディア規制について、個別の声明や直接的な批判を発表していない。
一方、新たに導入された「外国メディア活動円滑化ガイドライン2026」に対しては、CPJ、パキスタン人権委員会(HRCP)、アムネスティ・インターナショナルなど、報道の自由や人権を擁護する団体から強い反発が起きている。
ニューヨークに本部を置くCPJは、外国報道機関で働くジャーナリストに対し、イスラマバード、カラチ、ラホールの3都市以外で取材する際に事前許可を得るよう義務付ける新たなガイドラインを「強権的」と批判し、パキスタン当局に撤回を求めた。
この措置は、パキスタン実効支配下のカシミールで続く混乱に関する報道の検閲につながりかねない。
CPJが確認したガイドラインによると、国際メディアのジャーナリストに加え、ソーシャルメディアやウェブ媒体を含む外国報道機関に寄稿するパキスタン人ジャーナリストも対象となる。
これらのジャーナリストは、「正式な取材活動、特にイスラマバード、ラホール、カラチ以外での業務」を行う際、情報省から無異議証明書(NOC)を取得しなければならない。
CPJのアフガニスタン・パキスタン担当代表、ワリウラ・ラフマニ氏は次のように語った。
「外国メディア活動円滑化ガイドラインは、パキスタン当局が国際メディアの報道をさらに制限し、国内3大都市以外でジャーナリストが自由に取材することを妨げる道を開くものだ。さらに、ジャーナリストを行政的な報復措置にさらす危険もある」

「このガイドラインは、パキスタンにおける報道の自由に対する、またしても深刻な打撃である。とりわけパキスタン実効支配下のカシミールでの混乱を報じるジャーナリストは、すでに激しい弾圧に直面している。」
全5ページからなるこのガイドラインは、カシミールでの選挙や抗議行動に関する国際メディアの報道を政府が批判した数日後に導入された。
政府は、国際放送局アルジャジーラが、扇情的な報道を意味する「イエロー・ジャーナリズム」を行っていると非難した。アルジャジーラのウェブサイトへのアクセスも制限されている。
ガイドラインによれば、当局は「パキスタンの国家理念、主権、安全保障または公共秩序に反する行為」を理由に、ジャーナリストや報道機関の取材認定を停止または取り消すことができる。
国際メディアがデモ参加者と警察の衝突における警察側の暴力を報じた後、当局は、カシミールで選挙制度改革を求める抗議行動に関する報道を禁止した。また、携帯電話とインターネットの通信サービスも停止した。
CPJによれば、国際メディアは、7月27日に始まった投票を前に、少なくとも40人が死亡したと報じている。
CPJは、情報省に電子メールでコメントを求めたものの、回答はなかったとしている。
INPS Japan/ IPS UN Bureau Repor
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