【トロント、カナダIPS=ファルハナ・ハク・ラーマン】
世界の多くの地域で、報道の自由が後退している。
国連やメディア関連機関が近年発表した世界的な調査が示すように、独立し、権力を恐れず、多様性を備えた報道機関の衰退は、10年以上にわたって悪化し続けてきた。

この報道の自由をむしばむ流れは、民主主義の弱体化と独裁的指導者の台頭、ジャーナリストを標的にした暴力や迫害の急増、政府資金の削減、人工知能(AI)によって増幅されたフェイクニュースの拡散を助長する、ほぼ無規制のソーシャルメディア大手の台頭、そして権力中枢に近い縁故者へのメディア所有の集中と軌を一にして進んできた。
3月9日に「2026年ロイター記念講演」を行った、エルサルバドルの独立系メディア『エル・ファロ』の編集者カルロス・ダダ氏は、現在は亡命先で活動している。同氏は、次のように厳しく指摘した。
「極右的でポピュリスト的、かつ独裁的な波が世界を席巻し、あらゆるルールを打ち破っている。そして、いかなる権威主義体制や独裁体制においてもそうであるように、そのイデオロギー的基盤が何であれ、ジャーナリストは敵とみなされる。ジャーナリズムは犯罪化され、私たちの同僚は投獄され、あるいは殺されている。」
そのわずか数日前、バルセロナ自治大学は、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領について、「テクノ・ポピュリズム型権威主義」のモデルを通じて、ラテンアメリカで最も報道の自由が制約された環境の一つを作り出していると評した。
5月3日の「世界報道自由デー」は、今年のテーマに「平和な未来を形づくる―人権、開発、安全保障のための報道の自由の促進」を掲げている。しかし、戦争や混乱、経済危機が世界各地で続くなか、このテーマはきわめて困難な課題を突きつけている。
ユネスコは、5月4、5日にザンビア政府とともにルサカで2026年会議を共催する。同機関はまた、世界的に表現の自由が急速に後退していることを明らかにしている。ユネスコの『2022/2025年世界動向報告書:平和な世界を形づくるジャーナリズム』は、ジャーナリストに対する身体的攻撃、デジタル上の脅迫、そして自己検閲の急増を指摘している。

ユネスコはこの危機を「歴史的に重大かつ前例のない変化」と表現している。20年ぶりに、非民主的体制の数が民主主義体制を上回ったのである。世界人口の約72%が「非民主的な支配」の下で暮らしており、その割合は1978年以来、最も高い水準に達している。
ユネスコの報告書は、報道の自由、多元性、多様性の後退について、「より広範な傾向を反映している。すなわち、議会や司法機関の弱体化、社会的信頼の低下、分断の深化である。また、平等の後退とともに、環境問題を取材するジャーナリストや科学者、研究者への敵意の高まりとも重なっている」と指摘している。
さらに同報告書は、「大手テクノロジー企業の影響力が強まり、その政策や慣行が変化するなかで、ヘイトスピーチや偽情報がオンライン上で拡散しやすい土壌が生まれている」と警告している。
国境なき記者団(RSF)は「2025年世界報道自由度ランキング」で、ジャーナリストへの身体的攻撃は報道の自由に対する最も目に見える侵害である一方、「経済的圧力もまた、より目に見えにくい重大な問題である」と指摘している。
RSFは、「その多くは、メディア所有の集中、広告主や資金提供者からの圧力、さらに、公的支援が制限されている、存在しない、あるいは不透明に配分されていることに起因している」と指摘する。「今日のニュースメディアは、編集上の独立性を守ることと、経営を維持することの間で板挟みになっている。」
「ランキング史上初めて、世界の半数を超える国々で、ジャーナリズムを取り巻く環境が『困難』または『非常に深刻』と評価され、『満足できる』とされた国は4分の1未満にとどまった。」
世界報道自由デーは、1993年の国連総会決議に由来する。この日は、1991年にアフリカのジャーナリストたちが採択した、自由な報道の原則をうたう「ウィントフック宣言」を記念するものである。
しかしRSFが指摘するように、サハラ以南アフリカでは報道の自由が憂慮すべき後退を見せている。同地域では、80%の国々でランキングの経済指標が悪化した。
なかでもエリトリアは180位で、最下位にとどまった。コンゴ民主共和国は10ランク下落して133位となり、経済指標が急落した。ブルキナファソ、スーダン、マリなどの紛争地域では報道の自由が大きく後退し、報道機関は自己検閲や閉鎖、国外での活動を余儀なくされている。
RSFは、カメルーン、ナイジェリア、ルワンダの事例を挙げ、「編集上の独立性を守る仕組みがないまま、政治家や財界エリートの手にメディア所有が過度に集中することは、依然として繰り返される問題である」と述べている。
それでもRSFは、南アフリカ、ナミビア、カーボベルデ、ガボンなど、比較的上位に位置する国々は「希望の光」を示していると付け加えた。
独裁的なポピュリスト、権力に近いメディア所有者、そして縮小する予算という有害な組み合わせによって、明らかな犠牲となっているのが気候変動報道である。本来なら力強い報道を展開する有力メディアでさえ、世界的な気候危機に関する報道を縮小しており、情報への公共アクセスを促進するというSDGsの重要なターゲットにとっても、新たな打撃となっている。
中国は依然として「世界最大のジャーナリスト監獄」であり、RSFの世界報道自由度ランキングでは178位と、北朝鮮の一つ上に位置している。
バングラデシュは世界報道自由度ランキングで149位だった。今年2月の議会選挙を受け、RSFはバングラデシュの新政権に対し、恣意的拘束、司法制度の政治利用、ジャーナリストに対する犯罪の不処罰に終止符を打つよう求めている。こうした人権侵害は、同国の報道の自由に長期的な打撃を与えてきた。
4月にイタリアのペルージャで開かれた年次国際ジャーナリズム祭を受け、報道界の現状を総括した調査報道ジャーナリストのキャロル・キャドワラダー氏は、女性が創設した、恐れを知らない真に独立した英国メディア『ザ・ナーヴ』に寄稿し、2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃以降、イスラエル軍によって200人を超えるパレスチナ人ジャーナリストやメディア関係者が殺害されたことに触れながら、「この暗い時代に光は多くない」と述べた。
それでも同氏は、イタリアの丘上都市で開かれた同フェスティバルに「熱気」を感じたという。
「世界各地には、権力に説明責任を求めようと、地道な努力を続けるジャーナリストたちがいる」と彼女は書いた。「そして近年、その役割を担うのは、既存メディアが残した空白を埋めるために生まれた、小規模ながらも既存勢力に挑む新興メディアであることが増えている。」
また、亡命先で活動するエルサルバドルの独立系メディア『エル・ファロ』の編集者ダダ氏が講演で述べたように―「私たちは抵抗するジャーナリストである。私たちの権利の侵害に抵抗し、公的情報へのアクセス封鎖に抵抗し、歯止めのかからない権力に抵抗している。私たちは四半世紀にわたり、民主主義の下でジャーナリズムを実践してきた。しかし、その時代は終わった。今日、私たちは抵抗する編集部として活動している。」(原文へ)
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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