ウガンダは流行終息も、DRCでは感染者6,000人・死者3,000人超 地域社会内の感染連鎖が焦点に
コンゴ民主共和国(DRC)で続くエボラ出血熱の流行は、9月1日時点で感染者6,000人、死者3,000人を超え、同国史上最悪の規模となっている。隣国ウガンダが先週流行終息を宣言した一方、DRCでは死者の大半が治療センター外、しかも感染経路が特定されていない人々の間で発生しており、把握されていない感染連鎖の存在が懸念されている。こうした中、WHOは唯一承認されているエボラワクチン「エルベボ®」の使用をめぐり、新たな緊急指針を発表。現時点の証拠では通常のワクチン接種プログラムとしての使用を裏付けるには不十分だとして、研究プロトコルの枠内での使用に限定すべきだとの見解を示した。
【国連 IPS=シュレヤ・コマール】
ウガンダが先週、エボラ流行の終息を宣言した一方、コンゴ民主共和国(DRC)は、同国史上最悪のエボラ流行との闘いを続けている。9月1日時点で感染者は6000人を超え、死者は3000人以上に達した。イトゥリ州が最も深刻な被害を受けている。(英語版)

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は9月2日、Xへの投稿で、死者の多くが依然として治療センターではなく地域社会の中で発生し、既知の接触者ではない人々にも及んでいることへの懸念を表明した。これは、把握されていない感染経路や未報告の感染例が存在する可能性を示唆している。
「すべての感染連鎖を断ち切らない限り、この流行はDRC、その近隣諸国、そして地域全体にとって脅威であり続ける。」とテドロス氏は述べた。
流行が拡大し、感染が続くなかで死亡率も高いことから、防ぐことのできる死を減らすため、現在唯一認可されているエボラワクチン「エルベボ®」を、今回のウイルスによる感染の予防に活用する可能性が検討されている。
同ワクチンは、1歳以上を対象に、ザイール型エボラウイルス(EBOV)によるエボラウイルス病の予防を目的として認可され、2019年にWHOの事前認証を受けた。しかし、今回の流行の原因であるブンディブギョウイルス(BDBV)に対する使用は認められていない。このため、BDBVを対象にエルベボ®を使用する場合は、適応外使用に当たる。
今回の流行を引き起こしているBDBVは、前回の流行の原因となったEBOVとは異なる。両者は臨床的には類似したエボラウイルス病を引き起こすが、遺伝的には異なるウイルスである。エルベボ®はEBOVに対して高い有効性を示している一方、同ワクチンによって得られる免疫が、BDBVに対してどの程度の防御効果を発揮するかは依然として不明だとWHOは指摘している。

WHOが発表したエルベボ®の使用に関する最新の緊急指針では、現時点の証拠は、BDBVによるエボラウイルス病の予防を目的とした同ワクチンの公衆衛生プログラムとしての使用を支持するには不十分であり、研究プロトコルの枠内でのみ用いるべきだと結論づけている。
WHOは、エルベボ®がBDBVに対して防御効果を持つかどうかを見極めるため、厳格に管理された臨床試験を実施するよう勧告している。深刻な流行下では、より広範な使用を検討する余地があるものの、明確な安全計画を備えた研究の一環に限られる。WHOは、ワクチン接種が、すでに有効性が確立している感染対策に取って代わるものではないことを地域社会に明確に伝えるべきだと強調している。
さらに、BDBVに対応するワクチンなどの開発でも進展が見られる。「ブンディブギョウイルスに対する2種類の新たなワクチンが現在、英国とカナダで安全性試験に入っている。」と、テドロス氏はジュネーブで記者団に語った。
同氏によれば、米国のモデルナ社がmRNA技術を用いて進める第1相臨床試験と、英オックスフォード大学によるもう1件の第1相臨床試験が実施されている。(英語版)
INPS Japan/ IPS UN Bureau Report
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|視点|エボラ出血熱、人権、貧困―そのつながりを見い出す(アリシア・エリー・ヤミン米ハーバード大学公衆衛生大学院グローバル・ヘルス専任講師)













