ニュース人口・移住世界の人口、2050年までに100億人に到達と予測:SDGsへのあらたな挑戦

世界の人口、2050年までに100億人に到達と予測:SDGsへのあらたな挑戦

【ニューヨークIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン】

今日の世界の人口は77億人だが、10年も経たないうちに約85億人に、さらに2050年には100億人になり、世界人口の増加の過半はごく僅かな国で発生すると国連報告書で明らかにされた。

国連経済社会局人口部が発行した『世界人口推計2019年版』は、世界の人口変動パターンと見通しについて包括的な見方を提供している。報告書は、世界の人口は21世紀末に110億人にも達する可能性があるとしている。

加えて、一部の国で人口が急速に伸びるのに対して、他の国では減少している。同時に、世界では高齢化が進み、平均余命が伸び、出生率が下がっている。このような世界人口の規模と分布の変化は、「誰も置き去りにしない」を標榜する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に重要な影響を及ぼすことになる、6月17日に発表されたこの報告は述べた。

World Population Prospects 2019/ UNDESA
World Population Prospects 2019/ UNDESA

劉振民国連事務次長(経済社会担当)は、「この報告書は、何を目標に行動や介入をすべきかを示したロードマップです。最速の人口増加が見込まれるのは最貧国であり、これらの国々では、貧困の根絶(SDGs第1目標)、不平等の是正(第510目標)、飢餓・栄養不良への対策(第2目標)、保健・教育システムの対象範囲と質の向上(第34目標)を推進して『誰も置き去りにしない』取り組みを行う上で、人口増加はさらなる問題をもたらしています。」と語った。

報告書によれば、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア連合共和国、インドネシア、エジプト、米国(予測される人口増が多い順)の9カ国において、現在から2050年までの間の世界の人口増加の過半が発生するという。インドは2027年ごろ、中国を抜いて世界で最も人口が多い国になるとみられる。

サハラ以南地域の人口は2050年までに倍増すると予測される(99%増)。2019年から2050年までの間の人口増加率が低下するとみられる地域は、オーストラリアとニュージーランドを除いたオセアニア(56%増)、北アフリカ・西アジア(46%)、オーストラリアとニュージーランド(28%)、中央・南アジア(25%)、ラテンアメリカ・カリブ海地域(18%)、東・東南アジア(3%)、欧州・北米(2%)が挙げられる。

全世界の出生率は、1990年の女性1人あたり3.2人から2019年には2.5人へと低下し、2050年までにはさらに下がって2.2人になると予測されている。2019年時点での女性一人当たりの出生率は、サハラ以南地域(4.6人)、オーストラリアとニュージーランドを除いたオセアニア(3.4人)、北アフリカ・西アジア(2.9人)、中央・南アジア(2.4人)であり、依然として2.1人を上回っている。1人当たり2.1人という出生率は、移民の流入がないという条件下で、長期的に見て人口減少を引き起こすことなく世代交代を実現するために必要な水準である、と報告書は述べている。

World Fertility Rate/ UNDESA
World Fertility Rate/ UNDESA

サハラ以南地域のほとんどの国と、アジアやラテンアメリカ・カリブ海地域の一部の国では、最近になって出生率が低下したことで、生産年齢人口(25~64才)が他の年齢層よりも早いスピードで増加している。

これは、「人口ボーナス」と呼ばれる著しい経済成長が期待できる機会が訪れていることを示唆している。この「人口ボーナス」から利益を得るには、各国政府がとりわけ若者のための教育や医療に投資し、持続可能な経済成長を生みだす環境づくりをしなくてはならない。

上記の調査では、最貧国の人々の平均年齢は世界全体よりも7才低い。1990年には64.2歳、2019年には72.6歳だった平均余命は、2050年にはさらに77.1歳まで伸びるとみられている。国々の間の寿命の差はかなり縮まってきたが、それでもまだ隔たりは大きい。

2019年現在、後発開発途上国の平均余命は、主に子どもと妊産婦の死亡率が高止まりしていることに加え、暴力や紛争、さらにはHIV蔓延による影響の継続により、世界全体を7.4歳下回っている。

報告書のもう一つの注目点は、世界の人口が高齢化しており、とくに65歳以上の年齢層が急速に拡大しているということだ。

2050年までに、世界の人口の6人に1人(16%)が65歳以上となる。2019年は11人に1人(9%)であった。65歳以上の人口の割合が2019年から2050年までの間に倍増する地域は、北アフリカ・西アジア、中央・南アジア、東・東南アジア、ラテンアメリカ・カリブ海地域である。

2050年までに、欧州と北米地域に暮らす4人に1人は、65歳以上となる可能性がある。2018年には、歴史上初めて、世界全体で65歳以上の人口が5歳未満の子どもの数を上回った。80歳以上人口は、2019年の1億4300万人から2050年には4億2600万人と、3倍に増えるとみられている。

生産年齢人口の減少は、社会保障制度に財政圧力をかけている、と報告書は述べている。

生産年齢人口の65歳以上人口に対する割合を示す「潜在扶養指数」が世界中で低下している。日本が最低で、1.8となっている。また、欧州とカリブ海地域を中心とする29カ国では、すでに潜在扶養指数が3以下となっている。2050年までには、欧州・北米、東・東南アジアをはじめとする48カ国で、指数が2を下回るとみられている。

こうした低い数値は、高齢化が労働市場と経済実績に及ぼす潜在的な影響のほか、多くの国が高齢者向けの公的医療、年金および社会保障制度を構築、維持しようとする中で、今後数十年で直面することになる財政圧力を如実に示している。

報告書はさらに、ますます多くの国で人口が減少していると指摘する。

2010年以来、27の国と地域で人口が1%以上の減少を示している。この原因として、低い出生率が続いている点が挙げられる。また場所によっては、低い出生率の人口規模に対する影響が、高い移民流出率によってさらに強まっている。

2019年から2050年にかけ、55の国と地域で人口が1%以上減少すると予測されるが、うち26の国と地域では、10%以上の人口減少がみられる可能性もある。例えば中国では、2019年から2050年にかけて人口が3140万人と、約2.2%の減少を遂げるものと予測されている。

報告書によれば、一部の国では、国際移動が人口変動の大きな要因となってきた。

2010年から2020年にかけ、14の国と地域で移民が100万人を超える純増となる一方、10カ国ではこれと同規模の移民流出が生じるとみられている。最も大規模な移民流出の中には、移民労働者に対する需要(バングラデシュ、ネパール、フィリピン)、または、暴力や治安悪化、武力紛争(ミャンマー、シリア、ベネズエラ)を主因とするものがある。

ベラルーシ、エストニア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、日本、ロシア連邦、セルビアおよびウクライナでは、この10年間で移民が純増となり、死亡率と出生率の差によってもたらされる人口減少が部分的に相殺される見込みであるという。

「こうしたデータは、2030年を達成期限とするSDGsのグローバルな進展をモニタリングするために必要な根拠に欠かせない要素となります。」と、ジョン・ウィルマス国連経済社会局人口部長は語った。

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またウィルマス部長は、「SDGsの進展状況をモニタリングするための指標のうち『世界人口推計』のデータに依存するものは、全体の3分の1を超えている」と付け加えた。

今回の報告書は、国連による26回目の世界人口推計・予測の主な結果を示すものである。報告書には、過去の関連する人口動向について入手可能なあらゆる情報の詳細な分析に基づき、235の国と地域について1950年から現在までに行われた推計の最新情報が盛り込まれている。

最新の評価では、1950年から2018年までに行われた延べ16900回の国勢調査の結果のほか、人口動態登録制度や2700回に上る各国の代表的な標本調査で得られた情報を用いている。2019年の改訂は、現在から2100年までの人口予測も提示し、全世界、地域および国内のレベルで起こりうるか、起こる公算が大きい幅広い結末も提示している。(原文へ

INPS Japan

This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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