教育の構造改革は、場当たり的な決定だけでは実現しない
【カトマンズNepali Times=スディクシャ・トゥラダール】
バレンドラ・シャハ首相率いる政府は、学校教育の改善に向けた一連の施策を発表し、発足直後から矢継ぎ早に動き出した。しかし、その1か月後にあたる今週、政府はブルドーザーを投入し、少なくとも4校の地域運営の学校を含む河岸沿いの集落を一帯ごと取り壊した。|ENGLISH|
マノハラ川とバグマティ川の河岸沿いの一画は、まるで戦場のような惨状を呈していた。学校の建物は瓦礫と化し、床は異様な角度に傾いていた。ある学校では、地元の区役所が2015年の地震時に国際赤十字委員会(ICRC)から提供されたテントを使い、運び出した机や椅子を並べて授業を続けていた。
1年生から8年生までの児童・生徒たちは深いショックを受け、自分たちの学校がなぜ取り壊されたのか理解できずにいた。教師たちにも答えはなかった。政府は、住まいを失った人々を移住させると説明し、住む場所を追われた子どもたちを受け入れるよう私立学校に求めた。

一方、河岸沿いの集落の取り壊しとは別に、全国の学校現場でも混乱が広がっている。先月就任したサスミット・ポカレル教育相が、就任直後から相次いで新たな方針を打ち出したためだ。
ポカレル教育相は、中等教育修了試験(SEE)後の進学準備講座を禁止した。続いて、5年生以下の児童については、上級学年に進むための年次試験を不要とする方針を示した。さらに、児童・生徒が教室で過ごす時間を減らし、屋外活動により多くの時間を充てるよう指示した。
「教科書を使わない金曜日」
ポカレル教育相は、バレンドラ・シャハ氏がカトマンズ市長だった当時の顧問であり、児童・生徒に実践的な技能や、芸術、音楽、農業などの創造的活動を学ばせる「教科書なしの金曜日」構想を主導した人物である。
もちろん、彼の決定には一定の合理性がある。大学進学のための「橋渡し」講座は過度に商業化され、生徒たちは入試準備のために高額な受講料を支払わざるを得なかった。保護者からは、小学生の子どもたちが年次試験にストレスを感じているとの声も上がっていた。また、屋外活動を義務づけることは、丸暗記中心の学習に代わる選択肢として位置づけられている。
大学における政党系の教職員組合や学生組織をすべて解体する計画も、広く歓迎された。これらの組織は政党の出先機関と見なされ、大学の日程を乱してきたと批判されていたためだ。
教育省がSEEの結果発表を従来の3か月後から1か月以内に短縮したこと、学士課程までの入学に市民権証明を必須とする規定を撤廃したこと、私立学校に10%の奨学枠を義務づけたことも、高く評価されている。
しかし、RSP政権の報道官も務めるポカレル教育相は、その後、一部の決定を撤回、または部分的に取り消した。そのため、教育現場には戸惑いが広がっている。さらに、旧政党が支配する自治体議会は、地元の学校は自分たちの管轄だとして、連邦教育省の新たな指示に従うことを拒んでいる。
「善意に基づくものであっても、決定は場当たり的で、断片的で、実行が難しい」と、ティーチ・フォー・ネパールの元代表キラン・ネパール氏は語る。「試験をなくすのであれば、子どもたちを評価する基準や仕組みは何になるのか。」
新政府の命令はあまりに拙速で、詰めが甘いとの指摘もある。試験なしに子どもを評価したり、教室の外で学ばせたりするには、教師に対するより充実した研修が必要である。
ポカレル教育相による進学準備講座の禁止には、強い反発も起きた。公立学校だけでは、生徒が自力で大学入学に備えるには十分ではないからだ。実際、全国のSEE合格率は2024年の48%から2025年には62%へ改善したが、その進展は全国の学校に均等に行き渡っているわけではない。

専門家は、政府がまず優先すべきだったのは、各地で非営利団体が進めている教員研修の充実や、公立学校の教員の意欲向上を後押しすることだったと指摘する。
「公立学校の教員の多くは正規の研修を受けているが、その技能を時代に即した効果的なものに保つには、定期的な再研修が必要である。」と、トリブバン大学の元副学長ケダル・マテマ氏は語る。
ネパールの子どもの約75%は公立学校に通っている。しかし、公立学校は資金も人員も不足しがちで、教師は暗記中心の教育に頼っている。公立学校の施設や教育の質が十分な水準に達していないため、多くの保護者は、より費用のかかる私立学校を選んでいる。一方、公立学校の質が高い地域では、私立学校への入学者は少ない。

「公立学校は、結束と寛容を備えた社会を築くうえで重要な役割を果たしている」とマテマ氏は付け加える。「公立学校は、経済的背景、民族、カーストの異なる子どもたちを一つの場に集め、共に学ぶ場である」
ネパールの農村部では、多くの生徒が教育を修了することに困難を抱えている。女子生徒の中退率は、児童婚や月経をめぐるタブーのため、依然として高い。娘を公立学校に、息子を私立学校に通わせる家庭も少なくない。
同時に、より良い学校を求めて都市部に子どもを送る家庭が増え、農村部の学校では児童・生徒数が減少している。専門家の推計によれば、ネパールの家庭は月々の支出の6.8%を学費に充てている。先進国ではこの割合は1.3%にとどまる。
「わが国では、多くの家庭が質の高い教育を求め、かなりの経済的負担を抱えながらも子どもを私立学校に通わせざるを得ないと感じている」とマテマ氏は言う。「公立学校の質を高めれば、この負担は軽減される。家庭は授業料を徴収する私立学校への依存を減らし、所得の相当部分を節約できるようになる」
実施を阻むギャップ
ネパールの識字率は80%に上昇し、多くの郡では、ほぼすべての子どもが就学するようになった。しかし、教育の質はそれに追いついていない。過去50年に誕生した歴代政権は、カリキュラムの改善や教員研修を通じて教育の質を高め、平等を確保するため、善意に基づく計画を打ち出してきた。だが、それらは途中で放棄されるか、適切に実施されなかった。
歴代政権は教育分野の問題を把握し、改革のための予算項目まで設けてきたように見える。しかし、どこかの段階で実施が行き詰まってきたのである。
課題は、政治的な不備、計画を最後まで遂行しない体質、何が機能し、何が機能しなかったのかを検証する監視・評価の不足にある。過去には、政治的不安定と頻繁な政権交代が学校教育に影響を及ぼしてきた。
「政府と学校の間にある隔たりが、あらゆる決定の実施にも隔たりを生んでいる」とキラン・ネパール氏は語る。
期待されているのは、RSPが3分の2の多数を占めることで、政策の実行力が高まることだ。ポカレル教育相はまた、学校を週休2日とする方針を発表し、所定の履修内容を終えられるよう、冬休みやその他の祝日を削減することも決めた。これは妥当な判断だったが、教育関係者は、年間の学校暦がすでに公表された後に決定が出されたと指摘している。
先週、シャハ首相の政令により、政府内の政治任用職1,500人が解任された。その中には、大学や教育関連機関の教員、理事会メンバーも含まれている。
今後の大きな課題は、空席を適格な人材で埋めること、そして前政権が任命した役職者を、単にRSP系の人物に置き換えるだけに終わらせないことである。
新政府はデジタル化を強く推進しており、テクノロジーを活用して、教室での授業の質を飛躍的に高めることもできるはずだ。また、教育の質向上に実績を持つ国内外のパートナーとも連携すべきである。
初等教育を無償化した「学校セクター改革計画」と「学校セクター開発計画」は、改革の出発点となり得る。ただし、その際には外国援助への過度な依存を減らす必要がある。
マテマ氏はこう語る。「最優先すべきは、公立学校の質を高めるための投資である。同時に、新政府が地方自治体の能力を強化し、その管轄下にある学校を効果的に管理・監督できるようにすることも、同じく重要である。」
This article is brought to you by Nepali Times, in collaboration with INPS Japan and Soka Gakkai International, in consultative status with UN ECOSOC.

INPS Japan
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