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トランプ氏の対イラン戦争が砕いた湾岸の安定神話


米軍依存の限界と新たな安全保障秩序の模索

【ニューヨークIPS=アロン・ベン=メイル】

トランプ大統領による対イラン戦争は、湾岸地域の安全保障環境を根底から揺さぶった。米軍基地は抑止の拠点から攻撃対象へと変わり、経済は深刻な打撃を受け、ドバイやドーハ、リヤドといった都市が「安全なオアシス」であるとの神話も崩れ去った。湾岸諸国の指導者たちはいま、ワシントン依存の代償と、より不安定で脆弱な地域秩序の現実に直面している。

トランプ氏が東地中海と湾岸に大規模な米海空戦力を集結させるなか、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどの湾岸諸国は、自国の領土やエネルギー・インフラが報復の標的となる事態を恐れ、水面下で米国に対し、イランへの全面攻撃を控えるよう求めていた。

しかし、米国とイスラエルによる空爆作戦は、イランの能力を「弱体化させる」という以上に、明確で公に示された政治目標を欠いたまま、2026年2月28日に開始された。この軍事的エスカレーションと戦略目的の乖離こそが、いま湾岸諸国の指導者たちの怒りと、ワシントンへの深い不信の核心にある。

トランプ氏の戦略的誤算

トランプ氏が米・イスラエルによる対イラン共同攻撃に踏み切ったことは、政権の想定を上回る戦略的代償を招いた。エネルギー市場の混乱、海上輸送の停滞、地域の分断の深まり、そして反米感情の拡大である。

たとえイランの軍事能力が大きく損なわれたとしても、この戦争は米国の戦力投射の脆弱性を露呈させ、同盟国を動揺させるとともに、ロシアと中国による湾岸地域への外交的関与を促した。米国が長期的に支払う代償は、戦場での成果以上に、伝統的なアラブ同盟国の間で信頼と影響力を損なったことの大きさによって測られるだろう。

米軍基地は「資産」から「負債」へ

湾岸諸国にとって、カタール、バーレーン、クウェート、UAEに展開する米軍基地は、本来、イランを抑止し、体制の安全を保証する存在だった。ところが戦争の勃発によって、それらは真っ先に攻撃対象となった。イランはこれら施設への攻撃をワシントンに対する報復と位置づけたが、その多くが人口密集地や経済中枢に近接していたため、周辺の民間インフラにも深刻な被害が及んだ。

この経験は、外国軍基地の存在が攻撃を呼び込む一方で、期待された確実な防護はもたらさないという認識を、湾岸各国で強めている。

現実となった悪夢

湾岸諸国の指導者たちは長年、イランとの戦争が自国の安全保障と経済を深刻に損なうと警告してきた。その悪夢はいま現実となった。イランのミサイルや無人機は、石油施設、港湾、発電所、都市部を相次いで攻撃した。

湾岸諸国は、軍事作戦を開始したワシントンと、近隣アラブ諸国への被害を顧みずイランの「無力化」を追求したイスラエルに責任があるとみている。自らの警告は退けられ、その結果として、物理的破壊、経済的後退、輸出の混乱、国内不安の増大という不釣り合いに大きな代償を強いられたとの認識が広がっている。

崩れた「オアシス」神話

ドバイ、ドーハ、リヤドなどが、ビジネス、観光、投資に開かれた安全で安定した拠点であるとのイメージは、ミサイル警報、港湾や空港への攻撃、主要航路の閉鎖によって大きく傷ついた。

信頼を回復するには、目に見える復興に加え、民間防衛体制の強化、防空・ミサイル防衛能力の向上、そして再び突発的な戦争が起きるリスクを抑えるための信頼性ある外交が欠かせない。投資家や観光客が求めているのは、華やかな大型事業ではなく、この地域がイランをめぐる緊張を管理できることを示す確かな証左である。

トランプ氏、イランの報復能力を見誤る

トランプ氏は、圧倒的な軍事力を行使すればイランを短期間で屈服させ、政権交代を促しながら、戦火を域外にとどめられると主張していた。だが実際には、イランが湾岸諸国に広範な報復を加える可能性や、ホルムズ海峡の長期封鎖に踏み切る可能性を過小評価していたとみられる。

革命防衛隊(IRGC)による海峡の事実上の封鎖は、商船への攻撃や威嚇を通じて世界的なエネルギー市場を揺さぶり、米国の戦争計画の前提の脆さを露呈させた。湾岸諸国の指導者たちは、これをワシントンが二次的、三次的な影響を十分に見込んでいなかった証左と受け止めている。

報復を控える計算された判断

大きな被害を受けながらも、湾岸諸国はこれまでのところ、イランへの直接報復を避けている。さらなるエスカレーションは、自国の都市や重要インフラを、より苛烈な攻撃にさらすだけだとみているためだ。

表向きには自制と国際法を強調しているが、実際には、米国主導のこの戦争が終わった後も、地理的に隣接する強大なイランと共存せざるを得ないという現実を認めている。反撃を控えることで、戦後の緊張緩和の余地を残し、恒常的な公開対立に陥るのを避けようとしている。

ワシントンとの安全保障関係の見直し

戦略的な代替肢が限られている以上、湾岸の君主国が米国との関係を断ち切る可能性は高くない。だが今後は、これまで以上に条件付きで、取引色の強い安全保障関係を求めていく公算が大きい。自国防衛に関する米国のより明確な保証、地域ミサイル防衛の一層の統合、そしてイランの報復を招きかねない決定について、より大きな発言権を求めている。

同時に、湾岸諸国は中国、ロシア、欧州、アジアの主要エネルギー輸入国との関係を強化し、米国への排他的依存を緩和しながらも、米国の安全保障の傘そのものは維持しようとしている。

再発防止に向けた選択肢

将来の再燃を防ぐため、湾岸諸国はテヘランとの限定的な対話チャンネルや危機管理ホットラインの整備、中国やインドなど西側以外の国々も含めた海上安全保障枠組みの再構築を模索している。また、エネルギー・インフラや海上輸送路を危機の際にも攻撃対象外とするための新たな交戦ルールや、非公式な合意形成を目指す可能性もある。

国内的には、ミサイル防衛体制の見直し、重要施設の防護強化、ホルムズ海峡への依存を減らす輸出ルートの多様化も検討されている。いずれも万能ではないが、一定のリスク軽減にはつながり得る。

イランとの関係正常化は可能か

湾岸諸国とイランの全面的な関係正常化、さらには相互不可侵協定の可能性まで取り沙汰されている背景には、戦前から慎重な対話と経済的接触が進んでいた現実がある。しかし、それが実際の政策選択肢となるかどうかは、戦争の帰結、イラン国内政治、そして湾岸諸国の脅威認識に左右される。

たとえテヘラン体制が存続しても敵対姿勢を維持するなら、湾岸諸国は、抑止、限定的関与、外部大国との連携を組み合わせた「ヘッジ戦略」へと回帰する可能性が高い。他方で、より現実主義的なイラン指導部が現れれば、制度的な安全保障対話や段階的な信頼醸成措置が現実味を帯びる余地もある。

もはや戦前には戻れない

湾岸諸国が戦前の現状に戻ることはないだろう。今後は、米国のより限定的な安全保障の傘に加え、中国、ロシア、アジアの主要エネルギー輸入国との関係拡大を組み合わせた、より多角的な安全保障構造を模索していくとみられる。この変化は、湾岸安全保障におけるワシントンの中心的地位を徐々に低下させ、米軍の地域展開や、対イランでアラブ諸国が自動的にイスラエルを支持するという前提を揺さぶることになる。

イスラエルにとっては、より慎重でリスク回避的な湾岸諸国の姿勢が、公然たる戦略的連携の余地を狭める可能性がある。米国にとっても、根深い不信が残る以上、将来の危機に際して新たな連携を構築することは、これまで以上に難しくなるだろう。

トランプ氏の対イラン軍事介入は、単独の失策にとどまらない。それは、すでに脆弱化していた国際秩序に対する攻撃の、最新にして最も危険な表れである。自制を捨て、同盟国を脇に追いやり、短期的な政治的利益のために米国の力を用いた結果、米国の信頼性はさらに損なわれ、西側同盟は分断され、ロシアと中国には新たな戦略空間が開かれた。湾岸諸国は、その混乱の新たな犠牲者となったのである。

この戦争の先にあるのは、回復された現状ではない。より断片化し、不安定化した中東である。そのなかでイスラエルと米国は、これまで以上に誤算の許されない状況と、より狭くなった信頼できる協力相手の輪に直面していくことになる。(原文へ

アロン・ベン=メイア博士は国際関係論の元教授で、最近までニューヨーク大学(NYU)グローバル・アフェアーズ・センターで国際交渉および中東研究を教えていた。

INPS Japan

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カザフスタン、非核化の成功例を国連で示す―なお難題として残る中東

ニューヨーク国連本部INPS Japan/ATN=アハメド・ファティ】

核の危険性に警鐘を鳴らす声が相次いだ国連会議で、カザフスタンは別のメッセージを示した。中央アジアは核に頼らない道を選び、その選択を守り続けてきた、というものだ。

Central Asia Nuclear Free Zones
Central Asia Nuclear Free Zones

このメッセージは4月28日、セミパラチンスク(セメイ)条約によって創設された「中央アジア非核兵器地帯」の20周年を記念するサイドイベントで示された。2026年NPT再検討会議の期間中に開かれたこのイベントでは、核リスクが再び高まるなか、非核兵器地帯がいまなお安全保障上の価値を持ち得るのかが検討された。

Open Nuclear Networkのオラミデ・サミュエル氏が司会を務めたこのサイドイベントは、カザフスタン国連常駐代表部、国連軍縮部、国連軍縮研究所(UNIDIR)、核脅威イニシアティブが共催した。会合でより根本的に問われたのは、安全保障環境が厳しさを増す時代に、地域として核を自制する枠組みが持ちこたえられるのか、ということだった。

カザフスタンにとって、その答えはセミパラチンスクから始まる。

Yerzhan Ashikbayev, Kazakhstan’s First Deputy Minister of Foreign Affairs

カザフスタンのイェルラン・アシクバエフ第一外務副大臣は、この20周年を、中央アジア諸国が核抑止ではなく、透明性、協力、信頼に基づいて安全保障を追求するという「意図的な戦略的選択」を行ったことを改めて示す節目だと位置づけた。同氏は、この非核兵器地帯が、核兵器に頼らない安全保障は「可能であるだけでなく、持続可能でもある」ことを証明してきたと述べた。

Chris King, chief of the Weapons of Mass Destruction Branch at the UNODA

セミパラチンスク条約は、ソ連時代の核実験が冷戦終結後も深い傷跡を残した地の名を冠している。カザフスタンにとって、この非核兵器地帯は、その歴史的な傷に向き合う一つの答えでもある。

国連軍縮部で大量破壊兵器部門を統括するクリス・キング氏は、非核兵器地帯を、地域の安全保障、不拡散、核リスク低減を支える「生きた枠組み」と位置づけた。一方で同氏は、その実効性にはなおばらつきがあり、核兵器国が一部の議定書に署名・批准していない例や、安全の保証に留保を付している例もあると警告した。

Maria Cecilia Barcelos Cavalcante Vieira of Brazil
Maria Cecilia Barcelos Cavalcante Vieira of Brazil

非核兵器地帯に関する新たな研究をまとめる、国連委嘱の有識者グループ議長で、ブラジルのマリア・セシリア・バルセロス・カヴァルカンテ・ヴィエイラ氏は、国連による最初の本格的な研究から50年が過ぎたとして、新たな評価の必要性を指摘した。問われているのは、より危険な世界において、非核兵器地帯がなお有効性を保ち得るのかという点である。

UNIDIR所長のロビン・ガイス氏は、非核兵器地帯は発展していくことを前提とした枠組みだと述べた。また、中央アジア非核兵器地帯について、安全保障を開発、環境保護、公衆衛生と結びつけた点で、独自の貢献を果たしてきたと指摘した。

核脅威イニシアティブ(Nuclear Threat Initiative: NTI)のマーク・メラメド氏は、非核兵器地帯はNPTの成功例の一つであり続けていると評価する一方、その成果が今後も維持されるとは限らないと警告した。

UNIDIRのサラ・オパトフスキー氏は、既存の非核兵器地帯を地図上で可視化し、比較できるデジタル・プラットフォーム「Nuclear-Weapon-Free Zones Hub」を紹介した。

各国代表も討議に加わった。

2026年NPT再検討会議の中国代表団長である孫暁波氏は、中国政府は地域主導と自由意思に基づく非核兵器地帯を支持しており、核兵器国が参加可能なすべての議定書に署名・批准していると述べた。

キルギスのアイダ・カスマリエワ国連常駐代表は、中央アジア非核兵器地帯条約について、大胆な夢を現実に変えたものだと評価した。セミパラチンスク条約の寄託国として発言した同氏は、5つの核兵器国のうち4か国が、中央アジア諸国に安全の保証を与える議定書を批准済みだとし、残る1か国にも手続きを完了するよう求めた。

2026年NPT再検討会議のロシア代表団長、ミハイル・コンドラテンコフ氏は、ロシア政府が非核兵器地帯を支持していると述べるとともに、核兵器その他の大量破壊兵器のない中東地帯の実現に向けた取り組みにロシアも関与していると説明した。

その後、イベントの焦点は20周年の記念から、その経験を他地域にどう生かすかへと移った。

セミパラチンスク条約の20年にわたる経験から、今後の非核兵器地帯交渉、とりわけ停滞する「大量破壊兵器のない中東地帯」構想に、どのような教訓を生かせるのか。この問いに対し、パネリストたちは単純な答えを示さなかった。

The 2026 NPT Review Conference opens at the United Nations in New York, bringing renewed attention to nuclear disarmament, non-proliferation and the future of global nuclear restraint.
The 2026 NPT Review Conference opens at the United Nations in New York, bringing renewed attention to nuclear disarmament, non-proliferation and the future of global nuclear restraint.

ヴィエイラ氏は、中東は特殊な事例だと指摘した。国連決議と結びついているだけでなく、核兵器に限らず大量破壊兵器全般を対象としているためである。アシクバエフ氏は、カザフスタンの歩みは、セミパラチンスクの悲劇、ネバダ・セミパラチンスク反核運動、1991年の実験場閉鎖、そして不拡散をめぐる地域協力によって形づくられてきたと述べた。

キング氏は、非核兵器地帯はいずれも、それぞれ固有の状況の中から生まれたと指摘した。ラテンアメリカのトラテロルコ条約はキューバ危機後に成立し、南太平洋と中央アジアでは核実験の経験が形成を後押しした。成功した非核兵器地帯は通常、各国が共通の危険や記憶を認識し、それを政策へと転換できるほどの共通理解を持ったときに実現している。

この点は、中東を考えるうえで重要である。同地域には、現在も続く戦争、根深い不信、イスラエルの未申告の核能力、イランの核問題、競合する安全保障ドクトリン、さらに紛争に深く関与する域外大国が存在する。中東で構想されている地帯は、核兵器にとどまらず、すべての大量破壊兵器の廃絶を目指すものであり、その分、複雑さは増している

Ahmed Fathi, Founder and editor of ATN

中央アジアの教訓は重い。しかし、それをそのまま他地域に当てはめることはできない。セミパラチンスクの経験が成果を上げたのは、核被害に対する共通理解を軸に、記憶、政治的意思、地域の主体性が重なり合ったからである。

カザフスタンは、核の自制を築き、維持できることを示した。一方、中東はなお、はるかに難しい試金石であり続けている。人々が同じ危険を共有しながら、互いを信頼していないとき、何が起こるのか―その問いが突きつけられている。(原文へ

Original URL:https://www.amerinews.tv/posts/kazakhstan-brings-a-nuclear-free-success-story-to-the-un

INPS Japan

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「核兵器は単なる戦争の道具ではない。大量の苦しみをもたらす兵器である」

【ニューヨークIPS=ナウリーン・ホセイン】

「私たちが希望を選択するのは、絶望が、私たちには受け入れられない一種の降伏だからです。」核軍縮をめぐる世界の分断が深まる中、核軍縮をなお追求すべきかが問われる状況を踏まえ、フィリピン国連大使のエンリケ・マナロ氏は、市民社会の代表者や外交関係者にそう語った。|英語版中国語

A side event: Choose Hope

4月30日、2026年核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて開かれたサイドイベントで、マナロ大使をはじめとする登壇者らは、外交対話に希望の視点を取り入れ、核兵器の人道的影響を踏まえて核軍縮の必要性を訴えることで、NPTをめぐる機運を再び高める方策について議論した。

このイベントは、創価学会インタナショナル(SGI)核時代平和財団、フィリピン、キリバス両国の国連常駐代表部の共催で開かれた。

核兵器の人道的影響に焦点を当てた今回のイベントは、核兵器をめぐる議論の中で、これまで十分に取り上げられてこなかった視点を浮き彫りにした。今週の一般討論では、国連加盟国が、平和と安全保障に向けた共通のビジョンの下で多国間協力が何を成し得るかを示す長年の証左として、NPTを守り維持することの重要性を訴えてきた。

Panelists at the Choose Hope for Nuclear Deterrence side event. Credit: Naureen Hossain/IPS
Panelists at the Choose Hope for Nuclear Deterrence side event. Credit: Naureen Hossain/IPS

各国は、NPTが国際的な軍縮体制の礎であることを改めて強調している。しかし、現在の地政学的環境に加え、国際制度の構造的な弱体化が、同条約の根幹をなす原則を揺るがしている。だからこそ、加盟国がNPTへのコミットメントを再確認し、国際の平和と安全の維持に向けた決意を示すことが、これまで以上に重要となっている。

NPT under pressure. Credit: INPS Japan
NPT under pressure. Credit: INPS Japan

しかし現時点では、一部のNPT締約国が自らの義務をどこまで果たしているのかが、議論の焦点となっている。非核兵器国の代表らは、核兵器国が不拡散上の義務を十分に果たしておらず、核戦力の拡大さえ検討していると指摘した。そうした動きはNPT違反にあたる。

核爆発がもたらす影響は、複数の登壇者が指摘したように、爆心地を越えて広範囲に及ぶ。被災した地域社会には、家屋の破壊、負傷、生涯にわたる健康被害など、壊滅的な影響が直後からもたらされる。

放射線被ばくは、世代を超えて影響を及ぼす災厄である。第2世代、第3世代の人々も、その影響による慢性的な健康問題に苦しんでいる。

胎内被爆者であり、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の代表理事を務める松浦秀人氏は、その現実を証言した。松浦氏は1945年、広島に原爆が投下された時、母の胎内にいた。胎内で受けた被ばくは、その後の人生にも深い影響を及ぼした。

日本被団協の代表理事として、松浦氏は「ノーモア・ヒバクシャ」の理念のもと、平和と核軍縮のメッセージ発信に尽力してきた。松浦氏は、原爆投下とその直後を生き抜いた母親の体験を紹介した。投下から数日のうちに熱傷や放射線障害で命を落とした人々に触れるとともに、生き延びた人々も極めて過酷な状況に置かれていたと語った。

時がたつにつれ、人々は深刻な健康問題を訴えるようになったが、自分たちを苦しめる病の原因を理解できなかった。広島・長崎への原爆投下から80年を経た今も、被爆者とその子孫は、がんや白血病など、被ばく後、長い年月を経て発症する病気に苦しみ続けている。同時に、彼らは何よりも平和の大切さを訴えるため、国際社会に向けて自らの体験を語り続けている。

An image symbolically depicting the humanitarian catastrophe caused by the atomic bombing of Hiroshima and nuclear testing in the Pacific. It represents the suffering of hibakusha and affected communities, the intergenerational impact of radiation exposure, and the hope and appeal for the abolition of nuclear weapons. Credit: INPS Japan

「あらためて私は訴えます。核兵器と人類と共存できません。」と松浦氏は述べた。「すべての国が一日でも早く核兵器禁止条約に参加しましょう。そして、核兵器の当面の禁止と将来的な廃絶を実現しましょう。そのために皆さんと力を合わせるために、私はやってきました。」

キリバスのような太平洋島嶼国も、核実験が地域社会に及ぼした影響を物語る事例である。太平洋で核実験が行われたのは、大陸から比較的離れていることを理由としたものだったが、島嶼国とその住民も放射線被ばくの影響を免れなかった。

文化・伝統上、神聖とされる場所を含む一部地域は、今日に至るまで居住できないままである。キリバス国連常駐代表部のジョセフィン・モーテ副代表・参事官は、核実験の被害を踏まえ、被害を受けた人々や地域に対する正義の重要性を強調した。

核兵器の影響を論じるうえで、社会と環境にもたらされる混乱や破壊的影響を見過ごすことはできない。

松浦氏と、核戦争防止国際医師会議スウェーデン支部(IPPNWスウェーデン)のヨセフィン・リンド事務局長はいずれも、放射線被ばくが妊婦と胎児・子どもたちに及ぼした影響に言及した。

ルンド氏は、原爆投下後、医療体制が崩壊したと指摘した。ほぼすべての病院が破壊され、医療従事者の3分の2以上が死亡したため、生存者は十分な治療を受けられなかった。

さらに、汚染されていない食料や水の確保は極めて困難となり、インフラの破壊と衛生環境の悪化は、疾病が急速に広がる土壌となった。こうした事実は、人間が核戦争の影響に対して「極めて脆弱」であることを示していると、ルンド氏は述べた。

「核兵器は単なる戦争の道具ではありません。それは大量の苦しみをもたらす兵器です。その影響は時間的にも空間的にも制御できません。民間人を傷つけ、医療体制を破壊し、環境を汚染し、人類に長く消えない傷痕を残します。」とルンド氏は語った。

核兵器の脅威は、現代におけるもう一つの存亡に関わる脅威である気候変動とも密接に結びついている。紛争や通常兵器の使用でさえ、環境に壊滅的な被害をもたらし得る。

The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras
The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons, signed 20 September 2017 by 50 United Nations member states. Credit: UN Photo / Paulo Filgueiras

さらに、核兵器と気候変動はいずれも、核時代平和財団のアウトリーチ・コーディネーター、アンデュイン・デボス氏が「脅威を増幅させる要因」と呼ぶものだ。その影響は「平和と健康を維持するために必要な条件を損ない」、「不安定化を招く要因を深める」と同氏は述べた。

気候変動は、大規模な移住・避難や希少資源をめぐる競争を引き起こし、不安定化や紛争を招く要因となり得る。一方、核兵器が存在し続け、軍縮努力が進展しないことは、NPT体制を脅かしている。デボス氏はさらに、「優先順位の危機」にも警鐘を鳴らした。核戦力の拡大を含む軍事活動への世界的支出は近年増加しているが、そうした資源は本来、軍縮活動や化石燃料依存からの転換に投じることができるはずだと指摘した。

Mr. Tomohiko Aishima, Executive Director of SGI Peace Center.

それでもデボス氏をはじめとする登壇者らは、こうした困難な状況の中でも、このサイドイベントのような場から人々は励ましと希望を得ることができると強調した。この場では多様な視点が共有される一方、核軍縮こそが平和への道であるという共通の信念が参加者を結びつけていた。国連加盟国の半数以上が、NPTや核兵器禁止条約(TPNW)などの国際条約の締約国であるという事実にも、希望を見いだすことができる。

SGI平和センター事務局長の相島智彦氏は、平和教育が軍縮を促進し、核抑止論を退けるうえで重要な役割を果たすと強調した。

核爆発の現実を人々に伝えることで、核抑止論は戦略としての説得力を失い、むしろ「徹底して非人道的な」手段であることが明らかになる。

相島氏は、国連本部でのNPT再検討会議に戻る外交官らに対し、議論を続ける中で、市民社会と被爆者の警告に耳を傾けるよう呼びかけた。

「核兵器の人道的な影響を、皆様の政策の指針にしてください。共に、抑止という幻想を退けましょう。人間の安全保障を選びましょう。そして、希望を選びましょう。」

SGI Choose Hope attendees. Credit: Naureen Hossain/IPS

This article is produced to you by IPS NORAM, in collaboration with INPS Japan and Soka Gakkai International, in consultative status with UN ECOSOC. 

Toward a Nuclear Free World
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「戦争はペテンである。それはおそらく最も古く、間違いなく最も利益を生み、そして確実に最も残虐な営みである。国際的な規模を持つのはこれだけである。利益はドルで計算され、損失は命で計算される唯一のものなのだ」―スメドレー・バトラー少将

【メルボルンLondpon Post=マジッド・カーン

現代の地政学の核心には、主流メディアの見出しにはほとんど現れない冷厳な損得計算がある。すなわち、武力紛争は限られた勢力に莫大な利益をもたらすという現実である。米国とイランが互いに威嚇を交わし、代理戦争を展開し、あるいは全面戦争寸前まで緊張を高めるたびに、金融市場は動き、契約が結ばれ、使い尽くされた兵器や弾薬の備蓄は公費で補充されていく。

Majid Khan

米国の防衛産業は世界最大であり、防衛支出は近年、一貫して年8000億ドルを超えている。ロッキード・マーティン、レイセオン・テクノロジーズ、ノースロップ・グラマン、ボーイング・ディフェンス、ゼネラル・ダイナミクスといった企業は、合わせて毎年数千億ドル規模の収益を上げている。その相当部分は、中東への展開、湾岸同盟国への武器売却、そして継続中の紛争で費消される弾薬の補充と結びついている。米国とイランの緊張が高まるたび、これら企業の株価は決まって上昇する。これは偶然ではない。戦争への備えと戦争そのものが、景気循環と見分けのつかないものとして組み込まれた体制の下で、市場原理が作動しているのである。

2020年のカセム・ソレイマニ暗殺は、その構図を端的に示した。攻撃から数時間のうちに、防衛関連株は急騰した。無人機攻撃で使用されたヘルファイア・ミサイルを製造するレイセオンの株価は大きく上昇し、暗殺を実行したMQ-9リーパー・ドローンを製造するロッキード・マーティンも同様に値を上げた。これらの企業はワシントンで積極的にロビー活動を展開し、民主・共和両党に多額の政治献金を行い、さらに批判者が「回転ドア」と呼ぶペンタゴンと民間部門の人材循環を通じて、元軍・情報当局者を多数雇用している。その結果、紛争は解決されるよりも維持されやすい構造となる。解決は契約の減少を意味するからである。

Drone credit: Public Domain.
Drone credit: Public Domain.

見出しを飾る大手防衛企業だけでなく、イランとの緊張は民間軍事・警備産業にも巨額の利益をもたらしてきた。基地警備、情報分析、兵站、湾岸同盟国や米軍への訓練支援を担う企業は、地域展開の拡大とともに大きく成長してきた。物議を醸したブラックウォーターの創設者エリック・プリンスは、かつて民間軍事部門の規模を年間1000億ドル超と見積もったことがある。米国の石油・エネルギー企業もまた、イランの弱体化から利益を得る立場にある。対イラン制裁によってイラン産原油の輸出が抑え込まれることで、世界の原油価格は米国のシェール生産業者にとってより有利な水準に保たれるからである。複数の政権の下で維持・強化されてきた制裁体制そのものが、イランを罰しつつ、同時に米国のエネルギー企業を利する一種の経済戦争として機能している。

Map of Middle East
Map of Middle East

米・イラン対立の経済を論じるうえで、湾岸協力会議(GCC)諸国、特にサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を抜きに語ることはできない。両国は、この地域における米国の武器供給網の主要な仲介役を果たしている。1979年の革命によってイランが米国とサウジアラビア双方の敵対国となって以来、湾岸君主国は米国製兵器システムに巨額の資金を注ぎ込んできた。サウジアラビアは長年にわたり一貫して米国製兵器の最大の購入国であり、過去10年間だけでも1000億ドルを超える米国製兵器を購入している。イランの核開発能力や、イエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ、イラクのシーア派民兵組織などを通じた地域的影響力に対する実存的な恐怖が、湾岸諸国を米国製兵器の有力な顧客にしているのである。

この武器取引は、米国の経済的・地政学的利益を同時に満たしている。米国の防衛関連雇用を支え、ペトロダラーを米国経済へ還流させ、世界貿易におけるドルの役割を強め、さらにこの地域での米国軍事技術の優位を維持する。歴代政権は、人権や地域の安定をどれほど唱えようとも、その経済的・戦略的論理が圧倒的であるがゆえに、湾岸諸国との巨額の武器取引を承認してきた。オバマ政権がイラン核合意を成立させた際でさえ、湾岸諸国の不安はむしろ武器購入を加速させた。彼らは、それをイランに対する米国の外交的軟化への「保険」と受け止めたのである。逆説的ではあるが、平和交渉は直接的な衝突と同じほど武器購入を引き起こし得る。

Photo: Dubai must be one of the most unusual places in the world. It is one of the seven emirates that comprise the United Arab Emirates (UAE). Source: tribuneindia.com
Photo: Dubai must be one of the most unusual places in the world. It is one of the seven emirates that comprise the United Arab Emirates (UAE). Source: tribuneindia.com

UAEは、この戦争経済の中で独自の位置を占めている。金融ハブであるドバイは、長年にわたり、米国の制裁に違反してイランに流入する物資の積み替え拠点として機能してきた。その一方で、UAEは、トランプ政権下で交渉され、その後も長く外交上の争点となったF-35戦闘機取引を含め、米国およびフランスの先進兵器の主要購入国としての地位も築いてきた。UAEは、イランとの水面下の関係を維持しながら、表向きにはワシントンと歩調を合わせるという、米・イラン間の緊張をめぐる巧みな均衡戦略をとっている。この戦略的曖昧さは外交上の不整合ではない。より大きな対立がどのように展開しようとも、自国の影響力と商業的機会を最大化するための、計算された経済・安全保障上の立ち回りなのである。

イスラエルは、米・イラン対立の戦争経済の中で特異な位置を占めている。イランから最も直接的な脅威を受ける敵対国として、イスラエルはイランの核兵器の脅威をてこに、10年間の覚書に基づく年間約38億ドルという巨額の米国軍事援助を確保してきた。エルビット・システムズ、ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズ、イスラエル航空宇宙産業などを中核とするイスラエル自身の防衛産業もまた、イランの脅威を前面に押し出すことで、世界的な輸出拡大を実現してきた。イスラエルのドローン技術、ミサイル防衛システム、サイバー能力―その多くはイランの脅威への直接的な対応として開発された―は、欧州、アジア、アフリカで強い需要を集めている。言い換えれば、イランの脅威はイスラエル防衛産業にとって強力な輸出促進要因となってきたのである。

Top: Iran’s Supreme Leader walks alongside senior IRGC commanders during a military parade in Tehran. Bottom: Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu and far-right coalition allies confer inside the Knesset. Theocrats and Securocrats—at the heart of the Iran–Israel conflict. Credt: ATN
Top: Iran’s Supreme Leader walks alongside senior IRGC commanders during a military parade in Tehran. Bottom: Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu and far-right coalition allies confer inside the Knesset. Theocrats and Securocrats—at the heart of the Iran–Israel conflict. Credt: ATN

戦争の利益を得るのは、防衛請負企業や武器商人だけではない。金融部門もまた、その受益者である。エネルギー市場を専門とする商品トレーダーやヘッジファンドは、米・イラン間の緊張が原油価格にもたらす変動から莫大な利益を上げてきた。世界の石油供給のおよそ20%が通過するホルムズ海峡で海上の事件が起きるたびに、原油を買い持ちしているトレーダーに利益をもたらす価格急騰がただちに生じる。2019年にサウジアラビアの石油インフラが攻撃され、広くイランまたはその代理勢力の関与が指摘された際には、史上最大級の1日当たりの原油価格上昇が起きた。適切なポジションを取っていた金融機関にとって、こうした出来事は災厄ではなく利益を得る好機なのである。

サイバーセキュリティもまた、米・イランの敵対関係を背景に拡大してきた産業である。イランは、国家として世界有数のサイバー能力を持つ主体の一つと見なされている。イランの核遠心分離機を標的としたスタックスネット攻撃―その背後には米国とイスラエルの関与が広く指摘されている―への報復の一環として、イランは米国の銀行、重要インフラ、政府システムに対するサイバー作戦を展開してきた。これにより、米国企業や政府機関による防御的サイバーセキュリティ支出は数十億ドル規模で押し上げられた。クラウドストライク、パロアルトネットワークス、さらに多数の小規模サイバー企業は、イランの能力を強調する脅威評価を追い風に、政府契約や民間需要を獲得し、米・イラン対立のサイバー領域から直接利益を得てきた。

そして再建産業は、おそらく最も辛抱強い戦争利得者として、その機会を待っている。米国の軍事介入、あるいはそれに連なる紛争がイラク、シリア、リビアに破壊をもたらすたびに、米国および同盟諸国の建設・インフラ企業は、国際援助機関、多国間銀行、さらには破壊された当事国自身が資金を拠出する復興契約を獲得できる立場を確保してきた。ベクテル、フルアー、そして多くの子会社・提携企業は、第二次世界大戦後のドイツや日本にまでさかのぼる戦後復興の長い実績を持つ。もし米国とイランの直接衝突がイランのインフラを壊滅させ、あるいは軍事行動の後に体制転換が起きるなら、人口9000万人、膨大な石油埋蔵量と強固な産業基盤を持つイランの復興は、21世紀最大級の経済機会の一つとなるだろう。国を壊すビジネスと、それを立て直すビジネスは、結局のところ、同じ手によって進められることが少なくない。(原文へ

INPS Japan/London Post

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「欧州はもはや、失われ、二度と戻らない旧来の世界秩序の管理人であってはならない。(中略)より現実的で、国益に根ざした外交政策が必要である。」

European Commission President Ursula von der Leyen
European Commission President Ursula von der Leyen

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が1週間前、ブリュッセルでのEU大使会議で語ったこの発言は、大きな波紋を呼んだ。欧州理事会のアントニオ・コスタ議長はほぼ即座に反論し、欧州議会では不信任動議のうわさまで飛び交った。複数の欧州首脳からも、公然・非公然の批判が相次ぎ、委員長自身もほどなく全面的に発言を撤回した。

だが、問題はなお残る。これは、常に時流に乗ろうとすることで知られる委員長の一時的な判断ミスだったのか。それとも、トランプ流の混沌や、中国、ロシアなどから発せられる権威主義的衝動が形づくる新たな「無秩序」に、より深く同調していることの表れなのか。

前者であるなら、深刻ではあっても、なお過誤として処理できる。だが後者であるなら、はるかに重大で、しかも危険な問題に直面していることになる。

EUでは、これをフォン・デア・ライエン氏による明らかに失敗した試み、すなわち、当時ドイツのメルツ首相―同国出身で同じ政治的系譜に属する人物―が唱えていた、トランプ路線により近い政策へとEUを誘導しようとしたものだと受け止める向きもある。

もっとも、そのメルツ氏自身もここ数年で立場を変えてきた。就任から1年足らずで支持率が26%に落ち込むという、自らの極めて脆弱な政治基盤を踏まえての変化であり、その数字はトランプ氏と並ぶほど低い。

しかし欧州委員長の発言をめぐって本当に憂慮すべきなのは、現代の主要な地政学的課題―イランと中東全域での戦争、ウクライナ戦争、ベネズエラ情勢―をめぐってすでに深く分断されている欧州において、EUの「顔」として世界的に認識されている人物が、欧州統合の創設理念とここまで鋭く食い違う演説を行ったことである。

欧州プロジェクトは、その強みと同時に限界を抱えながらも、第二次世界大戦の灰燼の中から築かれた。1920年代から30年代の全体主義体制がもたらした破局の記憶と、「鉄のカーテン」の向こう側に広がったスターリン主義的全体主義への対抗という歴史的経験の上に成り立っている。

European Union Flag
European Union Flag

その基盤にあるのは、ヒューマニズム、人権の尊重と擁護、そして共有された社会的権利と価値である。同時にそれは、多くの欠陥を抱えつつも、なお混沌と弱肉強食の世界から私たちを遠ざけ得る唯一の現実的な仕組みである「ルールに基づく国際秩序」の必要性に立脚している。いま世界の主要大国の一部は、まさにその反対方向へと私たちを引きずり込もうとしている。

国連は危機にあるのか。疑いようもなく、そうである。多国間主義は後退し、国際法の尊重は歴史的な低水準にあるのか。これもまた否定できない現実である。だが、その暗い状況への対応として、この劣化を招いた当事者たちの思考様式そのものを取り込むべきだということになるのだろうか。率直に言えば、それは理性の放棄にほかならない。

私たちは激動の時代を生きている。欧州はたしかに、より大きな戦略的自律性を追求しなければならない。しかし、その自律性は防衛分野に限られるべきではない。とりわけ急務なのは、技術財やサービスの分野における真の自立である。この領域で米国への依存が続く限り、欧州は隷属に近い立場に置かれ続けるからだ。

さらに、伝統的な大西洋横断関係がかつてないほど緊張している現在―その主因は、現ホワイトハウスの主とその周辺による、ほとんど強迫的ともいえる姿勢にある―欧州は、通商を含むあらゆる分野で戦略的連携を築き、あるいは強化する必要がある。これはすでにインドとの間で進みつつあり、メルコスールとも可及的速やかに実現されるべきである。

Manuel Manonelles
Manuel Manonelles

しかし、欧州の将来―言い換えれば、本当に重要な意味での欧州の将来―が、国際秩序と国際機関システムをさらに弱体化させる方向にあるかのように語ることは、はっきり言って無責任である。

多国間主義は、単なる理念の問題ではない。それは責任の問題であり、同時に効率性と実効性の問題でもある。気候変動、移民の流れ、世界的公衆衛生、AIの影響といった、欧州が直面する主要課題に、欧州は本当に単独で対処できると考えているのだろうか。

欧州が欧州であり続けるためにも、多国間主義は不可欠である。だからこそ欧州は、いまこそこれまで以上に多国間主義にコミットしなければならない。無邪気な理想主義ではなく、現実主義をもって。しかし同時に、欧州プロジェクトの将来と、大国を含む諸国の間に最低限の秩序と協力が維持されることとの間に、深い相互依存関係があることを十分に認識しながらである。

そのために必要なのは、混沌という選択肢に抗し、協力を可能にする空間と制度を擁護し、強化することである。無視し、脇に追いやることではない。(原文へ

マニュエル・マノネレス氏は、スペインのブランケルナ=ラモン・リュイ大学准教授(国際関係論)。

INPS Japan/IPS UN Bureau Report

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地政学リスクの高まりで存在感増すカザフスタン

貿易・エネルギー・航空網に広がる再編の動き

【IPS Japan/The Astana Times】

貿易ルート、エネルギー供給、航空ネットワークが地政学的緊張の高まりに対応して変化する中、カザフスタンは急速に変動する国際情勢の中で、その役割を一段と強めている。|ENGLISH

今週、オルジャス・ベクテノフ首相は、テュルク諸国機構首脳会議で、貿易、インフラ、そしてアジアと欧州を結ぶ「ミドル・コリドー(中央回廊)」の重要性の高まりを中心に、経済協力のさらなる深化を呼びかけた。

Flag of Kazakhstan and Japan. Photo: The Astana Times
Flag of Kazakhstan and Japan. Photo: The Astana Times

同時に、日本は中東情勢のリスクが高まる中、カザフスタンやアゼルバイジャンからの石油供給を模索している。日本は原油輸入の90%以上を中東に依存しており、物流面での課題は残るものの、代替ルートの検討を進めている。

一方、エア・アスタナは、地域情勢の不安定化を受け、ドバイ便の運航停止を4月まで延長した。従来の一部路線の予測可能性が低下する中、同社は夏季シーズンに向け、アジアと欧州を結ぶ路線網の拡充を進めており、新規就航や増便を予定している。

これらの動きは、エネルギー、貿易、航空といった国際システムが、変化する地政学的環境に適応しつつあることを示している。

INPS Japan

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中東戦争が北朝鮮の核戦力増強に拍車

国連IPS=タリフ・ディーン

米国、イスラエル、パレスチナ、イラン、レバノンを巻き込む中東の軍事衝突が、間接的に北朝鮮の核戦力増強を後押ししている。北朝鮮の金正恩総書記は、米国によるイラン攻撃が自国の軍事力強化を正当化するものだと主張し、トランプ大統領の外交政策によって形づくられる世界の中で、それが最終的に自国の安全確保につながるとの認識を示したと伝えられている。

先週のニューヨーク・タイムズ紙は、「中東戦争から教訓、北朝鮮が新兵器を実験」との見出しで報じた。記事によれば、実験された兵器には、クラスター弾や黒鉛爆弾の弾頭を搭載したミサイルも含まれていた。いずれも中東で使用が確認されている兵器に類似しているという。こうした動きは、北朝鮮が中東戦争から軍事的教訓を引き出そうとしていることをうかがわせる。

Photo: North Korean leader Kim Jong Un and President Donald Trump at the Singapore Summit on June 12, 2018. Source: @Scavino45 of Dan Scavino Jr., the White House Director of Social Media and Assistant to the President.
Photo: North Korean leader Kim Jong Un and President Donald Trump at the Singapore Summit on June 12, 2018. Source: @Scavino45 of Dan Scavino Jr., the White House Director of Social Media and Assistant to the President.

トランプ大統領が金総書記との会談に意欲を示す中、金総書記は、米国が北朝鮮を正式な核保有国として認めるのであれば会談に応じる考えを示した。また、イラクやリビアの指導者たちは、もし核抑止力を持っていれば米国の攻撃を受けずに済んだはずだとも主張した。昨年2月の演説では、「米国が対朝鮮敵視政策を撤回し、われわれの現在の(核)地位を尊重するなら、米国とうまくやっていけない理由はない」と述べている。

トランプ氏は第1次政権期の2017年から2021年にかけて金総書記と3度会談した。2018年6月のシンガポール、2019年2月のハノイでの首脳会談に続き、同年6月には非武装地帯(DMZ)で短時間の会談も行った。この際、トランプ氏は現職の米大統領として初めて北朝鮮に足を踏み入れた。

一方、ワシントンのスティムソン・センターは、主として国連安全保障理事会を通じて課された厳しい国際経済制裁にもかかわらず、北朝鮮の核・ミサイル開発や核ドクトリンの整備は著しく進展してきたと指摘している。特に、トランプ政権との交渉が2018~2019年に停滞して以降、その傾向が際立っているという。非核化は交渉の対象ではないとの北朝鮮の立場は、2026年2月に開かれた最近の党大会でも改めて強調された。

カナダのブリティッシュコロンビア大学で公共政策・グローバル問題大学院の暫定院長を務めるM・V・ラマナ博士はIPSの取材に対し、米国とイスラエルによるイラン攻撃は挑発を受けていない一方的なものであり、各国が核兵器の取得に向かう誘因をさらに強めていると語った。

M.V.-Ramana
M.V.-Ramana

ラマナ博士は、「そうした核兵器の取得が、常に国家を守る保証になるわけではない。とりわけ、米国のような軍事大国がこれほど好戦的に振る舞う状況では、なおさらだ。」と指摘した。そのうえで、「進むべき道はそこではない。各国が軍事的暴力や他国への攻撃に訴えるのではなく、相違を平和的かつ外交的手段で解決することにこそ、努力を集中すべきである。」と述べた。さらに、各国指導部の多くは必ずしもそうした方向を向いていないかもしれないが、政府をより平和な方向へ導くうえで、市民社会や社会運動の役割は重要だと強調した。

英紙ガーディアンによれば、国連の原子力監視機関トップは、北朝鮮がさらなる核兵器製造能力の面で「極めて深刻な」進展を遂げていると述べた。これは、体制維持のために核戦力を活用しようとする北朝鮮の姿勢を示す新たな兆候だという。

北朝鮮は約50発の核弾頭を保有しているとみられているが、それらを長距離弾道ミサイルに搭載できるほど小型化しているとの主張には懐疑的な専門家もいる。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長はソウル訪問中、北朝鮮の主要核施設である寧辺で活動が急速に活発化しているとの報告を確認した。グロッシ事務局長によれば、寧辺の5メガワット原子炉、再処理施設、軽水炉などで作業が強化されており、北朝鮮は数十発規模の核弾頭を保有しているとみられる。

一方、「World Beyond War」および「宇宙における兵器と原子力に反対するグローバル・ネットワーク」の理事を務め、「核時代平和財団」の国連NGO代表でもあるアリス・スレーター氏はIPSの取材に対し、イラクやリビアを破壊した米国の行動を踏まえれば、北朝鮮が軍事力強化を正当化するのは理解できるにもかかわらず、今回もまた北朝鮮だけが「ならず者国家」として扱われていると語った。

スレーター氏によれば、北朝鮮は2016年、国連総会第1委員会で核兵器禁止条約の交渉開始を支持した唯一の核保有国だった。だが、その事実はほとんど報じられていない。この交渉を経て、2017年に核兵器禁止条約が採択された。これに対し、すべての核保有国と米国の「核の傘」の下にある国々は交渉会議をボイコットし、例外は議会の採決で出席を義務づけられたオランダだけだったという。スレーター氏は、「本当のならず者国家はどちらなのか。」と問いかけた。

Alice Slater
Alice Slater

スレーター氏はまた、退役軍人情報専門家協会(Veteran Intelligence Professionals for Sanity)の創設者レイ・マクガヴァン氏が、軍・産業・議会・情報機関・メディア・学界・シンクタンクの複合体(MICIMATT)の一角とみなす報道が、核兵器のさらなる拡散の危険性ばかりを喧伝していると批判する。その一方で、加速する核軍拡競争や、米国による宇宙兵器化の動きに歯止めをかける機会には、ほとんど目が向けられていないという。そうした動きの象徴として挙げられるのが、今後数年間で1500億ドル規模に達すると見積もられる米国の「ゴールデン・ドーム」構想である。

スレーター氏はさらに、「宇宙を平和の場として維持することと、ロシアと中国が核軍縮交渉に応じる意思との間には、明確なつながりがある」と指摘する。それは、ゴルバチョフがレーガン大統領に対し、米国が『ビジョン2020』に示した宇宙支配構想を放棄するのであれば、米ソ両国の核兵器廃絶に応じると提案した時代にまでさかのぼる。だがレーガン大統領は、核廃絶の考え自体には好意的だったものの、「スター・ウォーズ」構想を断念しようとはしなかった。

ロシアと中国は2014年と2018年、ジュネーブの国連軍縮会議で、宇宙空間への兵器配備と武力行使の防止に関する条約案を提出した。だが、米国はこれを阻み、協議そのものにも応じなかった。さらに両国は、2025年5月の第2次世界大戦終結80年に際して、世界的な協力を呼びかける提案を公表し、「国連の中心的な調整役割」を支持するとともに、「戦略的安定性」を高めるための複数の措置を打ち出した。とりわけ、米国の「ゴールデン・ドーム」計画を批判し、自ら提案してきた条約案に基づく法的拘束力のある多国間文書の締結に向けた交渉を早期に開始する必要があると訴えた。さらに、「宇宙空間に最初に兵器を配備しない」との国際的な誓約を推進していく姿勢も示した。

スレーター氏は、世界の平和運動と軍備管理運動がこの呼びかけを真剣に受け止め、宇宙を兵器や戦争のない空間として維持するための条約交渉に各国政府が参加するよう促せば、核兵器廃絶に向けた新たな道が開かれる可能性があると述べ、「いまこそ平和に機会を与える時だ。」と訴えた。

一方、核不拡散条約(NPT)の締約国は、2026年4月27日から5月22日まで国連本部で開かれる2026年NPT運用検討会議に臨む。今回の運用検討会議は、核兵器保有国が関与する武力紛争、とりわけロシアによるウクライナ侵攻と米国・イスラエルによるイラン侵攻によって核の脅威が高まる中で開かれる。

United Nations Headquarters in New York City, view from Roosevelt Island. Credit: Neptuul | Wikimedia Commons.
United Nations Headquarters in New York City, view from Roosevelt Island. Credit: Neptuul | Wikimedia Commons.

核不拡散・軍縮のための国会議員連盟(PNND)は、「このため、ニューヨークでの審議と交渉はきわめて困難になるだろう。しかし同時に、きわめて重要でもある」と指摘している。PNNDは、核リスクの低減、核軍備管理、共通の安全保障、そして核兵器の世界的廃絶の前進を通じてNPTを支えるため、各国議会での活動とも連携しながら、今回の運用検討会議に積極的に関与していく方針だ。(原文へ

INPS Japan

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国連本部INPS Japan/ATN=アハメド・ファティ】

核兵器不拡散条約(NPT)の2026年再検討会議が4月27日(月)、ニューヨークの国連本部で開幕した。世界が再び核の危険に向かいつつあるとの警告が相次ぐ中、開幕早々、イランの副議長職をめぐる対立が表面化し、NPTのコンセンサス重視の枠組みの下に潜む政治的脆弱性を露呈した。|ENGLISH

Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain
Antonio Gutierrez, Director General of UN/ Public Domain

アントニオ・グテーレス国連事務総長は各国代表に対し、核時代をめぐる記憶が危険なほど風化しつつあると警鐘を鳴らした。かつて子どもたちは机の下に身を隠す訓練を受け、核攻撃に備えたシェルターが建設され、核実験は地域社会と環境に甚大な被害をもたらした。核の脅威や軍拡競争、不信が再び強まる中で、そうした記憶は薄れつつある、とグテーレス氏は指摘した。

グテーレス氏は各国に対し、NPT上の義務を履行し、保障措置を強化し、核戦争を防止するとともに、人工知能(AI)や量子コンピューティングを含む新たなリスクに対応できるよう条約を適応させることを求めた。その訴えは明快だった。世界は、知らぬ間に再び核の危険へと向かう余裕などない、というものである。

第11回再検討会議の議長を務めるベトナムのドー・フン・ヴィエト大使も、冒頭から強い危機感を示した。世界の軍事支出は過去最高水準に達し、核兵器は近代化・増強され、軍備管理の枠組みは弱体化している。核兵器使用の可能性は、もはや外交官や軍事計画担当者が想定する最悪のシナリオの中だけにとどまらない、と同氏は述べた。さらに、NPT締約国がコンセンサスに基づく最終文書に合意できたのは2010年が最後であることも指摘した。

「これは単なる会議ではない」とヴィエト氏は各国代表に語り、その成否は国連の壁の内側にとどまらず、今後5年間を超えて影響を及ぼすと警告した。

しかし、最初の本格的な試練は、軍縮に関する文言や最終文書をめぐるものではなかった。焦点となったのはイランだった。

The 2026 NPT Review Conference opens at the United Nations in New York, bringing renewed attention to nuclear disarmament, non-proliferation and the future of global nuclear restraint.
The 2026 NPT Review Conference opens at the United Nations in New York, bringing renewed attention to nuclear disarmament, non-proliferation and the future of global nuclear restraint.

米国は、イランが会議の副議長の一人に選出されたことに異議を唱えた。米国は、保障措置や国際原子力機関(IAEA)との協力をめぐるイランの実績を踏まえれば、同国はNPT体制を守ることを使命とする会議で指導的役割を担うにふさわしくないと主張した。さらに、イランは条約上の義務を軽視し、IAEAに十分協力せず、正当な民生上の必要性を大きく超える水準までウラン濃縮を進めていると非難した。

オーストラリアも米国の異議を支持し、イランはIAEAに協力せず、保障措置上の義務を尊重していないと述べた。英国も英仏独3カ国を代表して発言し、イランが会議指導部に加わったことへの懸念を公式記録に残した。

アラブ首長国連邦(UAE)は、地域諸国の中でもとりわけ厳しい異議を表明した。UAEは、イランの行動が再検討会議の信頼性を損なっていると述べ、同国が検証を妨害し、地域を不安定化させ、航行の自由を脅かし、ホルムズ海峡を経済的威圧の手段として利用しようとしていると非難した。

イランはこれらの非難を退け、政治的動機に基づくものであり、会議の進行を操作しようとするものだと反論した。テヘランは、2015年の核合意からの米国の離脱、米国による核戦力の近代化、イスラエルへの支援、さらに、保障措置下にあるイランの核施設への攻撃とされる行為を挙げ、ワシントンの二重基準を批判した。またイランは、米国とオーストラリアの副議長選出についても、同意しない立場を示した。

その後、ロシアはイランを公然と標的にする動きに反発し、会議初日から政治問題化すべきではないと警告した。モスクワは、懸念事項は一般討論や主要委員会の場で扱うべきであり、一締約国に対する政治的攻撃として持ち込むべきではないと述べた。

この対立は採決には至らなかった。代わりに、異議を唱えた国々が異議を公式記録に残すことが認められた。これにより、NPTが長年維持してきたコンセンサスの慣行は守られたものの、政治的な傷口は開いたままとなった。

この問題は、ヴィエト氏が記者会見場に移った後も尾を引いた。

同日遅くに開かれた記者会見で、ATNニュースはヴィエト氏に対し、核問題に関わる主要国、地域グループ、締約国との数カ月に及ぶ協議を経ても、なぜイランの立候補を事前に収拾できなかったのかと質問した。とりわけ、2025年にイランが関与した紛争後の緊迫した政治環境を踏まえた問いだった。

ヴィエト氏は、イランは数カ月前、非同盟運動(NAM)によって副議長候補の一団の一部として指名されたと説明した。ただ、その立候補に対する懸念が表面化したのは、会議開幕の約1週間前だったという。同氏は、規則上、各国は無記名投票を含む採決を求めることができると述べる一方、NPT再検討会議では、手続き上または実質的な問題について、これまで採決が行われたことはないと指摘した。

Ambassador Do Hung Viet of Viet Nam, president of the 2026 NPT Review Conference, briefs reporters at U.N. headquarters after an opening-day dispute over Iran tested the treaty’s consensus tradition.| UN Photo/Eskinder Debebe
Ambassador Do Hung Viet of Viet Nam, president of the 2026 NPT Review Conference, briefs reporters at U.N. headquarters after an opening-day dispute over Iran tested the treaty’s consensus tradition.| UN Photo/Eskinder Debebe

ヴィエト氏は、多くの締約国の支援を受けながら、採決の回避に努めたと述べた。採決に踏み切れば、条約のコンセンサスに基づくプロセスに有害な前例を残す可能性があったためである。その結果、各国は決定に同調しない立場を記録に残すことで合意した。

この説明は、会議が抱える中心的なジレンマを端的に示していた。NPTが権威あるメッセージを発するにはコンセンサスが不可欠である。一方で、コンセンサスは外交上の圧力弁にもなり得る。各国が決裂を回避しつつも、根底にある対立を未解決のまま残すことを可能にするからである。

ヴィエト氏は、NPT体制が平穏な状況にあるとは見ていなかった。同氏は記者団に対し、NPT体制はその歴史上、最も困難な局面の一つに直面しており、条約の存在意義と信頼性が問われていると述べた。また、過去2回の再検討会議が成果文書でコンセンサスに達しなかったことを踏まえ、今回の会議では、履行を強化するための実践的かつ具体的な措置を打ち出す必要があると強調した。

合意に基づく成果文書を得られない会議でも成功とみなし得るのかと問われると、ヴィエト氏は、コンセンサスによる成果文書こそが締約国間の合意を最も明確に示すものだと述べた。3回連続で合意に至らなければ、NPT体制の信頼性と強さについて極めて憂慮すべきメッセージを発することになる、と同氏は警告した。

1970年に発効したNPTは、不拡散、核軍縮、原子力の平和利用という三つの柱に基づいている。核兵器の拡散を抑制する中核的な法的枠組みであり続けている。しかし4月27日の開幕は、これら三つの柱すべてが大きな圧力にさらされている現実を示した。

Map of Middle East
Map of Middle East

核兵器国は核戦力の近代化を進めている。軍備管理協定は弱体化している。北朝鮮はNPTの枠外にとどまり、核開発を続けている。イランは、保障措置とウラン濃縮をめぐる深刻な対立の中心にある。ロシアによるウクライナ戦争は、核による威嚇と原子力施設の安全という問題を、国際安全保障の中心課題として再び浮上させた。中東では、1995年NPT再検討・延長会議で採択された「中東に関する決議」が求めた、核兵器およびその他の大量破壊兵器のない地帯の創設がいまだ実現せず、影を落とし続けている。

一般討論では、ウクライナと同国を支持する国々が、ロシアによる戦争、核をめぐる威嚇、ザポリージャ原子力発電所の占拠を非難した。フランスと北欧諸国は、ロシア、中国、イラン、北朝鮮をめぐる懸念を表明した。オーストラリアは、AUKUSに基づく原子力推進潜水艦計画について透明性を強調し、同計画が不拡散体制の強化につながるようIAEAと協力していると述べた。カザフスタンと中央アジア諸国は、非核兵器地帯を実践的なモデルとして示し、途上国は保健、農業、エネルギー、開発のために原子力技術を平和利用する権利を強調した。

今のところ、会議はイランをめぐる手続き上の決裂を回避した。しかし、それを引き起こした政治的亀裂を解消したわけではない。

NPT再検討会議は、コンセンサスという従来の理念の下で幕を開けた。だが初日の終わりまでに、そのコンセンサスは、不信、戦争、二重基準、そして核をめぐる不安によって早くも試されていた。条約は最初の衝突を乗り越えた。抑制よりも抑止へと傾きつつある世界の中で、4週間にわたる外交を乗り切れるかどうかが、今や真の試練である。(原文へ

Original URL: https://www.amerinews.tv/posts/iran-clash-tests-npt-consensus-as-treaty-review-opens-at-u-n

INPS Japan

Toward a Nuclear Free World Banner
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国連、核不拡散条約再検討会議を前に「重大な圧力」を警告

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|中東|核の火種となり得る地域:戦略力学と核リスク

NPT再検討会議が国連で開幕―揺らぐ核不拡散体制の信頼性

ニューヨーク国連INPS Japan/ATN=アハメド・ファティ

Ahmed Fathi.
Ahmed Fathi.

世界の核秩序の中核をなすNPT体制が今週、再び国連の舞台に戻ってくる。そこには、過去の約束、新たな戦争、そして一つの避けがたい問いが重くのしかかっている。核兵器不拡散条約(NPT)は今なお、各国に対し、核兵器の保有ではなく自制を選ぶほうが安全だと納得させる力を持っているのか。|英語版

第11回NPT再検討会議は、条約の3本柱―核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用―のすべてが圧力にさらされるなか、国連本部で開幕する。かつては国際的な核管理の枠組みとして機能していたNPT体制は、いまやさまざまな圧力が集中する場となっている。軍備管理は弱体化し、核をめぐる威嚇的な言説は高まっている。平和目的で整備された施設が、戦争の文脈で語られることも増えている。さらに、原子力潜水艦の推進技術を含む新技術は、過去の時代を前提につくられた規則を揺さぶっている。

U.N. disarmament chief Izumi Nakamitsu briefs reporters at U.N. headquarters ahead of the 11th Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons, scheduled to open April 27, 2026, in New York.
Izumi Nakamitsu, the U.N. High Representative for Disarmament Affairs,

国連の軍縮担当者にとって、問題はもはや机上のものではない。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は、核リスクが高まり、核兵器国と非核兵器国の間の信頼が損なわれ続けるなか、NPTは深刻な信頼性の試練に直面していると警告している。

この懸念は、条約の正式な締約国の枠を超えて共有されている。

ATNニュースの取材に対し、パキスタンの元国連常駐代表ムニール・アクラム大使は、NPT体制は「存立に関わる危機」に直面していると述べた。その理由として、核軍縮の停滞、インドとイスラエルをめぐる二重基準、そして核兵器が外部からの侵略に対する防護を与えるという認識の広がりを挙げた。

Ambassador Munir Akram, Pakistan’s former Permanent Representative to the United Nations
Ambassador Munir Akram, Pakistan’s former Permanent Representative to the United Nations

アクラム氏の警告は、外部からの戦略的評価として重要である。ただし、その発言は文脈の中で理解する必要がある。パキスタンは、インドやイスラエルと同様、NPTの締約国ではない。同氏の批判は、条約体制の外側から見た視点を反映している。すなわち、この体制の信頼性は、締約国の行動だけでなく、その枠組みの外にとどまる国々をめぐる例外や沈黙によっても弱められてきた、という見方である。

同氏の主張は、NPTが抱える最も深刻な政治的問題に突き当たる。各国が、条約上の約束によって自制が守られるよりも、核兵器の保有によって攻撃を抑止するほうが効果的だと結論づけるなら、NPTの論理は崩れ始める。

Ambassador Kairat Umarov, Kazakhstan’s Permanent Representative to the United Nations and a vice president of the 11th NPT Review Conference,
Ambassador Kairat Umarov, Kazakhstan’s Permanent Representative to the United Nations and a vice president of the 11th NPT Review Conference,

しかし、会議は悲観材料だけを抱えて始まるわけではない。カザフスタンは、より均衡の取れた見方を示そうとしている。

カザフスタンの国連常駐代表であり、第11回NPT再検討会議の副議長を務めるカイラト・ウマロフ大使はATNニュースに対し、議論は建設的な要素も反映すべきだと述べた。とりわけ、核不拡散という柱において、その必要があるという。

ウマロフ氏は「非核兵器地帯は、核不拡散の約束が地域レベルでどのように履行されるかを示す、最も実践的かつ効果的な例の一つであり続けている」と述べた。そのうえで、中央アジア非核兵器地帯の創設20周年を、NPTが今なお具体的な成果を生み出していることを示す「明確な実例」だと指摘した。

カザフスタンにとって、この例は抽象的なものではない。中央アジア非核兵器地帯は、旧ソ連の核実験場だったセミパラチンスクと、核実験がもたらした人的被害によって形づくられた同国の歴史に深く結びついている。会議に向けた同国のメッセージは明確である。条約は圧力にさらされているが、その有効性を示す実例も存在する、ということだ。

Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri
Semipalatinsk Former Nuclear Weapon Test site/ Katsuhiro Asagiri

それでも、現在進行中のいくつかの争点は、そうした楽観論がどこまで持ちこたえられるかを試すことになる。

一つは、紛争地域にある原子力施設をめぐる危険の高まりである。保障措置下にある施設を含め、原子力施設やその周辺への攻撃は、戦争が拡大し、軍事的な論理が優先されるなかで、平和目的の原子力インフラを守り続けることができるのかという懸念を強めている。原子力の平和利用を柱とする条約は、原子力施設そのものが標的や圧力手段、あるいは戦場のリスクとなる時、過酷な試練に直面する。

Left to right: Anthony Albanese, Joe Biden and Rishi Sunak during the AUKUS announcement at Naval Base Point Loma in San Diego on March 18. Credit: Alex Ellinghausen
Left to right: Anthony Albanese, Joe Biden and Rishi Sunak during the AUKUS announcement at Naval Base Point Loma in San Diego on March 18. Credit: Alex Ellinghausen

もう一つは、海軍艦艇の原子力推進である。オーストラリアが米国と英国の支援を受けて原子力潜水艦を取得する見通しのAUKUSに基づく潜水艦計画は、保障措置をめぐる大きな論争を引き起こしている。争点は、オーストラリアが核兵器を取得するかどうかではない。オーストラリア政府は、潜水艦は通常兵器で武装されると説明している。問題は、先例と透明性、そして原子力推進が将来、他国に利用され得る形でNPTの枠組みを押し広げる可能性があるかどうかである。中国にとって、AUKUSは核拡散上の懸念を生む。一方、オーストラリアにとっては、保障措置の下に置かれた防衛計画である。これはNPTにとって、長期にわたり火種となり得る、扱いの難しい試金石である。

しかし、中東は依然として、NPTにとって政治的に最も敏感な未解決課題である。

Ambassador Maged Abdelfattah, Permanent Observer of the League of Arab States to the United Nations,
Ambassador Maged Abdelfattah, Permanent Observer of the League of Arab States to the United Nations,

アラブ連盟のマゲド・アブデルファッターフ国連常駐オブザーバーはATNニュースの取材に対し、再検討会議に臨むアラブ側の立場をイラン問題だけに還元すべきではないと述べた。同氏は、アラブ側の立場は、NPTの3本柱である軍縮、不拡散、原子力の平和利用を軸にしていると説明した。

アラブ諸国にとって、中心的な未解決課題であり続けているのは、1995年の中東決議である。この決議は、NPTの無期限延長を可能にした政治的合意の一環として採択され、中東非核兵器地帯の設立を支持することを約束したものだった。30年を経た今も、アラブ外交官らは、その約束は果たされていないと主張している。

アブデルファッターフ氏は、2019年に始まった、核兵器およびその他の大量破壊兵器のない中東地帯の設立に向けた国連の会議プロセスについて、NPTの歴史に根差すものだと説明した。その基礎にあるのが、1995年決議であるという。

Map of Middle East
Map of Middle East

このアラブ側の主張は、1995年決議の当初の共同提案国の一つであるロシアからも支持を得ている。米国と英国も、当時の共同提案国だった。

ATNニュースから、核兵器およびその他の大量破壊兵器のない中東地帯について問われたロシアのワシリー・ネベンジャ国連常駐代表は、ロシア政府は同地帯の設立を「極めて重視」しており、核不拡散に関する外交政策上の優先事項の一つと位置づけていると述べた。

ネベンジャ氏は、地域の安全保障状況の悪化により、この地帯の設立は「かつてないほど重要になっている」と述べ、この問題をNPTの1995年の政治的合意と直接結びつけた。同氏によれば、ロシア、米国、英国が共同提案した中東決議は、NPTを無投票で無期限延長することを可能にする一助となった。ロシアは、この決議が「その目的が達成されるまで有効であり続ける」との認識に立っているという。

ネベンジャ氏はまた、ロシアが、核兵器およびその他の大量破壊兵器のない中東地帯の設立に関する国連会議の全6回の会期にオブザーバーとして参加してきたと述べ、この会議を地域諸国間の対話と信頼醸成の場と位置づけた。同時に、イスラエルと米国が同プロセスに参加していないことに遺憾の意を示し、イスラエル抜きには実質的な進展は不可能だとの認識も示した。

こうして会議は、二つの相反する現実に直面している。NPTは依然として世界の核不拡散体制の基盤であり、各地域の非核兵器地帯を含む実際の成果を生み出してきた。しかし、核軍縮の停滞、地域的な二重基準、原子力施設への攻撃、核戦力の近代化、そして既存の保障措置に負荷をかける新技術は、その正当性を揺さぶっている。

NPTは終わったわけではない。この種の条約は通常、徐々に崩れていく。約束が儀礼化し、例外が恒久化し、各国が条約遵守よりも力のほうが自国を守ると考え始める時、条約は少しずつ侵食されていく。

それこそが、ニューヨークで問われている本当の試練である。危険なのは、またしても成果文書の採択に失敗することだけではない。より大きな危険は、NPTを支える基本的な合意が自制を守るものなのか、それとも特権を温存するだけのものなのかを、より多くの国が問い始めることである。

This article is brought to you with permission from American Television Network.

Original URL:https://www.amerinews.tv/posts/npt-credibility-on-the-line-as-nakamitsu-warns-nuclear-treaty-faces-critical-test

Toward a Nuclear Free World
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【国連IPS=ナウリーン・ホセイン】

核兵器不拡散条約(NPT)締約国による第11回再検討会議が、2026年4月27日から5月22日まで、ニューヨークの国連本部で開かれる。締約国は、核不拡散をめぐる共通基盤をいかに見いだすかという喫緊の課題に向き合うことになる。

国連軍縮担当上級代表で事務次長の中満泉氏は、「NPTは、国際的な軍縮・不拡散体制の礎石であり、国際の平和と安全保障を支える極めて重要な柱としてしばしば言及されている」と述べた。

Izumi Nakamitsu, Under-Secretary-General and High Representative for Disarmament Affairs, at a press conference on the 11th Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (NPT). Credit: Eskinder Debebe/UN Photo
Izumi Nakamitsu, Under-Secretary-General and High Representative for Disarmament Affairs, at a press conference on the 11th Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (NPT). Credit: Eskinder Debebe/UN Photo

NPTは1970年に発効し、1995年に無期限延長された。この画期的な国際条約は、すべての締約国に対し、核兵器の拡散防止と核軍縮の推進を求めるとともに、原子力の平和利用を奨励している。核兵器国と非核兵器国を含む191カ国が締約国となっており、核兵器国も参加する唯一の法的拘束力を持つ枠組みであり続けている。再検討会議は通常、1970年以降5年ごとに開催されてきた。ただし、2020年に予定されていた会議はCOVID-19の影響で延期され、2022年に開催された。

今回の会議議長は、ベトナムのドー・フン・ベト国連常駐代表が務める。会議は第1週の一般討論で始まり、その後、条約の3本柱に沿ったテーマ別討議が行われる予定である。

会議には、外相を含む閣僚級代表のほか、主要な国際機関の高官も出席する。テーマ別討議と並行して、市民社会の参加者によるサイドイベントも開催される。今回の会議では、最終成果文書について合意に至らないまま閉幕した前回の再検討会議以降、NPTがどのように履行されてきたかが検証される。

会議に先立ち、中満氏は4月24日、国連本部で記者団に対し、締約国は今回の会議を、核不拡散をめぐる共通基盤を見いだす機会とすべきだと述べた。各国が最終的に避けなければならないのは、核拡散の拡大と、核兵器が意図的に使用される事態である。成果文書で合意に至ることは、締約国全体の共同責任だと中満氏は強調した。

NPT再検討会議は、地政学的緊張が深まり、主要な核兵器国が地域紛争に関与する中で開かれる。イランをめぐる現在の軍事衝突、とりわけ2022年以降続くウクライナ戦争は、各国の核拡散をめぐる認識を変化させている。

一部の専門家は、こうした状況が新たな軍拡競争の始まりにつながっていると指摘する。核兵器の「性能向上」をめぐる議論を進める国が増える一方、核兵器を「国家安全保障の究極の保証」とみなし、核兵器の取得に乗り出す可能性すら取り沙汰されている。中満氏は、こうした世論の高まりを、各国政府のNPTに対する公式立場とは別に存在する「拡散の推進要因」と位置づけた。さらに、核兵器の使用を示唆する言説が増えていることに懸念を示し、核兵器を保有する国が増えれば増えるほど、誤用や誤算によって核兵器が使用されるリスクが高まると警告した。

NPT under pressure. Image: INPS Japan

「核兵器の使用を防ぐことも、今回の会議における主要な焦点の一つとしなければならない。核兵器に関しては、繰り返しになるが、一国や二国の安全保障にとどまる問題ではない。国境を越え、私たちすべての安全保障に関わる問題である」と中満氏は述べた。「核兵器を保有する国が増えれば私たちの安全が保証されるという誤った認識に、終止符を打たなければならない」とも語った。

締約国の間で共有される「危機感」は、むしろNPTを「守り、維持する」方向へ各国を促す可能性がある。しかし中満氏は、核兵器に対する容認姿勢が広がりつつあることは、第2次世界大戦後から冷戦期を通じて築かれてきた成果を危うくしかねないと警告した。

Image: da-kuk/istock
Image: da-kuk/istock

現在の戦略的安全保障環境においては、先端技術の急速な進展も議論に影響を及ぼす要素となる。人工知能(AI)の登場は、各分野での活用への期待を高める一方、適切な歯止めがなければ悪用されるリスクもあり、国際社会で大きな議論を呼んでいる。

国連総会が、軍事分野におけるAIの利用と「国際の平和と安全保障への影響」について詳述した決議を採択したのは、2024年12月のことだった。ただし、この決議には、核兵器の文脈におけるAI利用への言及はない。

NPT再検討会議で軍事・核分野におけるAIの問題が議論されるのかと問われた中満氏は、核兵器の指揮統制システムへのAIの統合については「さまざまな場で議論され始めている」と述べ、今年ジュネーブでもさらなる協議が行われる予定だと説明した。NPT再検討会議は、この問題や軍事分野におけるAIガバナンスを本格的に議論する場ではないかもしれない。しかし、軍事分野でのAI利用に一定の歯止めを設ける必要性を含め、この問題について検討を深めるべきだとの認識は、締約国の間で共有されている。

「核兵器の指揮統制に関しては、当然ながら人間による監督が維持されなければならないという認識が高まっている」と中満氏はIPSの取材に対して語った。

中満氏は、欧州や中東で続く紛争をはじめ、国際社会が直面する諸課題がNPTに「重大な圧力」を及ぼしていると指摘した。

A view of United Nations Headquarters complex in New York City as seen from the Visitors’ Entrance. /UN Photo | Yubi Hoffmann.
A view of United Nations Headquarters complex in New York City as seen from the Visitors’ Entrance. /UN Photo | Yubi Hoffmann.

しかし、だからこそNPT再検討会議とその成果は一層重要性を増している。核拡散はさらなる不安定化と安全保障上の不安を招くだけだという共通認識が、今後4週間にわたる重要な対話を後押しすることになる。そしてその対話は、NPTの原則を堅持するという共通の決意につながらなければならない。(原文へ

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